/note/tech

データモデリング ~佐藤正美氏、若手エンジニアにデータモデリングを語る~

当初、T字形ER手法という名称だったのがある時からTMと変わりました。違いは何でしょうか。またTMの最新事情を教えてください。

T字形ER手法は、いまだ、コッド正規形の影響が強かった。だから、T字形ER手法は、データベース設計技術であって、事業分析のための視点が(或る程度はあったけれど)弱かった。それを「分析=設計=実装」、つまり「現実を写像して、そのまま(というのは大袈裟で、論理を使って形式的構造にして)実装する」というのがTMです。

そして、TMはT字形ER手法の技術的不備をいくつか訂正しています──その重立った訂正点は、サブセット(特に、多重継承の問題)とヘッダー・ディテール構造(ファンクター、「関係」がそのままひとつのモノになる問題)です。

TMは、今、バージョン2.0です。そろそろ、バージョンを3.0に上げます。主な改善点は、「モデルは誰が作成しても同じになる」という謳い文句を「視点と共有語」という点から補強します。これも「前提」の変更であって、技術的に変更はないです。

ほほぅ。