まず1つは「DDDの構成要素をすべて利用しなければいけない」っていう誤解なんですけど、これも結構あるあるですね。例えば、レイヤードアーキテクチャを用いて、ドメイン層にエンティティを作ったり値オブジェクトを作ったり、それを集約して、さらにそれをファクトリにして、みたいな。で、それ以外のものはサービスやモジュールにして、みたいな。こんな感じですべて入れないとDDDじゃないよみたいな誤解があると思うんですけど、そうではなくて、サービスとかモジュールっていうのは責務や概念を分離するものなので、必要なときだけ使います。あと、ファクトリも集約の生成が複雑になった場合の手法なので、必要じゃなければ使わなくていいということです。
また、これもあるあるですが「データの詰替作業がとてもツラい」と。これは確かにそういう側面はあるんですが、そもそも、データの詰め替えがなぜ発生するかというと、それは責務や概念を分離してレイヤーに閉じ込めているからだという前提があります。なので、そもそも不要なレイヤーを設けていないかとか、そもそもドメインモデルの設計が正しいかどうかを、そのとき確認した方がよいと考えています。