中国ではITエンジニアの退職年齢があまりに早い。俗に言う「プログラマー35歳定年説」があるようで、さまざまな体験談を見るに「その歳でまだ(プログラマーを)やっているのか」という社内チーム内の空気と日本と比べて解雇が容易な環境、若いスタッフに置き換えることで人件費を抑えたい経営の意向により、いや応なく退職に追いやられるケースがよくある。
中国のプログラマーに関する調査結果「2021中国程序員薪資和生活現状調査報告」によると、22~24歳のITエンジニアは11.2%、25~29歳は42.5%、30~34歳は31.8%、そして35歳以上は9.4%と激減する。中国の大手IT企業に就職すれば高収入なので、多くの若者がITエンジニアを目指している。しかし、ずっとその仕事を続けるのは、ITエンジニアになる以上に難しい。
それでは、ITエンジニアを解雇されたらどうするかというと、それまでに稼ぐだけ稼いで、その資金を元手に投資や起業をするというのが中国での正攻法だ。それができなければゴミ収集員やマンション管理人、配達ドライバー、家政婦などしかないと言われており、インターネットでは「配達員をやってみたら運動にもなって案外楽しかった」という体験記がある。これは、中国のネット論壇で「正能量」と呼ばれるあらゆる事象に対して前向きな解釈を良しとする考え方が流行していることが背景にあるためで、実際に楽しいかというとそうでない人も結構いるだろう。
20年前の日本みたいだな