久しぶりに炎上案件の火消しに入って数週間。本日なんとか無事に役員報告を終え一息つく
自分がPMのプロジェクトは燃えないので(過信)、炎上対応は相当久しぶりだったけどなかなかスリリングではあった
思うところもいくつかあったので、つらつらと書いてみる
◼️引き継がれた資料
アサイン時、消えた前任者が残した資料をまず読んでみた。どの資料も同じ特徴があって、クライアント名を書き換えればそのまま他社でも使える内容だった(=汎用的な内容しかない)
フレームワークはとっかかりでしかなくて、そこからが勝負なのに見事に逃げていた。議論が滑るわけだ
◼️クライアントとの空気
まずは参加だけでも、と言われ同席した会議では、クライアントから自社メンバーがずっと詰められていた。期待値を全く理解してない、損害賠償ものだ、など怒号が飛び交う。なんと自社メンバー側も反論してキレてる。詰めと言い訳な時間使われ本題に入らず時間だけが過ぎていた
◼️残されたスタッフ
飛んだのはシニマネだったため、スタッフはそのまま残っていた。これ幸いと成果物について質問すると、内容について全然答えられない。話を聞くと、与えられたスケルトンの通りに作っただけだと。自分が書いている資料の内容を理解しないまま手を動かしていた
こうなったのにはきっと要因がいろいろあって、前任者も不慣れな中で頑張ってたとは思うんだけど、とにかく誰も頭を動かしてないのが一番気になった。本番リリースが迫ってるのに、ふわふわ資料と空中戦と不毛な会議に時間を使ってて誰もおかしいと思わないのかと
ということで建て直しスタート。まずはチームのスタッフから。「明日本番稼働になっても大丈夫なように」をキーワードに、これから作るものはすべてもう後続はないこと、解像度高く具体化しないと持たないことを伝えつつ、間違っててもいいからまず答えを出すまで頭を絞ってほしいことを懇願
イメージが沸いていない作業については徹底的にトランスファー。上流だけの経験者や、設計開発だけ強くて本番リリースのイメージがついてないメンバーも多い。自身の経験や事例資料を多く使い、各工程でのやるべきことの解像度をとにかく高めて、考える材料を提供しまくる
参考事例も、これまでのPJ状況もかき集め、全く進んでいなかった全ての成果物を数日で作り上げた。仮説も多いが、これなら本番は迎えられるだろうと言えるくらいの資料ができた
上流系の案件で、開始前にまず最終報告の骨子を作ってしまうってのがあるけど、それに近い。ようやくスタートに立った
あとはクライアントとの討議。「明日本番になっても」という気持ちで作ったこと、一緒に明日本番の気持ちで考えてほしいこと、文句があったら後でいくらでも謝るので、会議では中身の議論に集中してほしいことを懇願
誰も詰めてこなかった
前向きな意見や参考情報をたくさんくれた
討議は課長、部長、本部長…と、遠回りなようでも徐々に拡大しながら進めていった。しっかり意見を聞き、間違ってたところは素直に謝り、意見・支援を求められたら担当範囲から少しくらい出てても全力対応した
クライアント側から相談を受けることが多くなり、討議を進めるほど味方が増えてきた
また、このころにはもう、スタッフへの指示だしは殆どしてなかった。する余裕が無かったというのもあるけど、みんな会議内容を基に互いに議論し、考え抜いたものを持ってきてくれた。自分は打合せの前にざっと読んで軽く手直しすればよかった。ちゃんと答えを出してくれていた
そして今日、役員報告を迎えることができた。本部長以下は全員味方してくれた。役員からもお褒めの言葉をいただけた
まだ課題は残ってるし、作業的にはこれからが佳境だけど、なんとかなりそうな気もしている。周りに恵まれた所もあるけど、少しは自分を誉めてもいいかなと思ってる。今日は飲むぞー!