/note/tech

Elon Musk は Twitter で何をしようとしているのか

まず第一に、Musk は、Twitter をメディア企業からエンジニアリング企業へと変質させようとしているんじゃないかと考えています。これは、「どの部署がレイオフ対象になったか」から見えてくることです。TechCrunch の記事によれば、米国でレイオフ対象になった主要なチームは、アクセシビリティ、機械学習倫理 (META: ML Ethics, Transparency & Accountability)、人権、キュレーション、PR (Comms)、SRE (Site Reliability Eng) などです。一方で Home Timelines や Health Eng など Twitter のコア機能の開発側チームや Trust & Safety、あるいは Account Integrity まわりのオペレーションなどは、米国ではチーム単位で丸ごとなくなるといったことは起こっていないようです(インドなどの海外オフィスでは、「オフィスごと解雇」のようなことが起こっているようですが)。[...]

ここには、「読者に何が起こっているのかを知らせる」ためのニュースアプリとしてのミッションではなく、「自由な発信と議論が行われる脱集権的なプラットフォームを作る」という、「発信側」に重きをおいたミッションが透けて見えます。

だから、今後の方向性として、「広告モデルからの完全な脱却」と、「より脱集権的なあり方」の模索があることは間違いありません。まずは Blue Check など現在 Elon が試しているようなビジネスモデルの新たな形を模索しながら、Twitter のコア機能の開発に注力するような形になるでしょう。Twitter そのものによる AT Protocol の採用もありうるかもしれません。Jack はそもそも Twitter が会社であることが間違いであるという思想の持ち主ですが、Elon は会社として存続させ、ある程度のところで再度上場することを目論んでいます。もし「発信側」に重きを置いたミッションを持った、エンジニアリング企業としての Twitter が成功するのなら、Elon が思い描いた通りになるでしょう。それがどれくらい可能なのか、Elon がこれをうまく実行できているのか、は別の議論です。

SREを解雇するのは大丈夫なのか? という疑問はある。