「Manifest V3」は新しい拡張機能の仕様で、APIの簡素化と統合、セキュリティとプライバシー保護の強化、モバイルプラットフォームへの対応改善などのメリットがある。「Firefox」だけでなく、「Google Chrome」や「Microsoft Edge」などでもサポートされる。
一方、MV3に関しては広告ブロッカーなどの拡張機能が開発しにくくなるのではないかとの懸念もある。これは「Chrome」や「Edge」が「Web Request」のブロックに代え、「Declarative Net Request」(DNR)と呼ばれる仕組みを導入したため。「Web Request」による通信を拡張機能が自由にブロックできてしまうと、拡張機能が何をしているのかがユーザーにわかりにくく、万が一の悪用を防ぐのも難しい。しかし、あらかじめ(Declarative:宣言的に)ブロックルールを登録しておくDNRならば透明性が高く、拡張機能からユーザーデータを保護するのが容易で、パフォーマンスの最適化もWebブラウザー側で行えるというのがその理由だ。
しかし、「Firefox」では広告ブロッカーなどの拡張機能にも配慮してか「Web Request」のブロックが引き続きサポートされる。とはいえ、DNRのメリットも少なくないので、将来的にDNR互換の機能を実装する予定。