この疑問について、「SIerの存在意義は不滅だ」と語った冒頭の人は明確な答えをくれた。私が「こりゃ面白い」と思ったポイントなのだが、その答えはこうだ。「何かあったら、SIerの経営幹部が客の社長に土下座して謝罪するのですよ。そうすれば、客の社内は全て丸く収まります」。もう笑ってしまった。確かに「何かあったらSIerの経営幹部が土下座」という担保が付けば、IT部門は安心していられる。無罪放免というわけにはいかないが、せいぜいシステム部長が譴責(けんせき)処分を受けるぐらいで済む。
だが、リスク請負人、土下座要員がSIerの存在意義であるならば、話は別だ。システム開発の破綻やシステム障害の全ての罪を被ったところで、何の不思議もない。SIerにとっては、それが重要なお仕事なのだ。ちょっとしたシステム障害でも致命傷になりかねない金融機関や官公庁の担当者の身代わりになって恩を売り、次の仕事につなげるのは特に重要なお仕事なのだろう。
うーん…