宗教において「悟り」とされていたものが、脳内のWorld Modelの次元数を増やすことだったとかになったら面白いな。
他に面白かったのは、「world modelが人間の脳には一つなので人間は意識して一つのreasoningやプラニングしか同時にできないのではないか。また、world modelが一つであるため、他のタスクの経験を別のタスクに活かせる。」
「world modelが一つであるため、他のタスクの経験を別のタスクに活かせる」というのは言い換えるとヒトは「体験したことにしか対応できない」、そして「成功体験に固執しやすい」ということなのだろう。でも、それは傾向であって原則ではない。
ヒトには「共感力」という妙な能力がある。他個体やヒトですらない動物・動物ですらない機械や創造上の架空存在にも「共感」して、その体験を自分自身に投影する能力がある。ヒト以外の動物にこの能力があるのかはよくわからない。仮にあったとしても、ヒトほど高くないだろうことは推測できる。
これが行き過ぎると「電波脳」になったり多重人格症になったりするけれど、大抵の人は共感力と折り合いを付けて生きている。AIが言語や感情らしきものを身につけたら、次の研究分野は「共感」になるのかもしれない。
「漫画家は体験したことしか描けない」って何度かバズって「んなことねぇぞ!」という反論が吹き荒れたけれど、ヒトが自ら体験していないことを創造でき、その創造作品を鑑賞できるのは「共感力」の作用だと僕は考えている。
AIが共感力を身につけたら、狭義のシンギュラリティが起きるかも知れない。それが人格を持ち自意識を持つ存在であることを否定できなくなりそうだ。