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新潟県データ10万件消失事故 拡張子を小文字にしたかったのはなぜか 県に聞いた

では、なぜ拡張子を小文字にしたかったのか。

県では、データの集計作業のためにマクロ付のExcelを使用しているという。このマクロは拡張子が小文字でないと正常に動作しない仕様だった。一方、公文書管理システムの仕様では拡張子を大文字とするのが標準になっている。

県は富士電機ITソリューションズに対し「拡張子が大文字なのは仕様なのか」という趣旨の質問をしたという。最終的には拡張子を小文字に変更することになり、結果としてファイルが消去された。拡張子を小文字にする機能を実際にリクエストしたのかITmedia NEWSが県に尋ねたところ、「仕様を尋ねたのは確かだが、改修をお願いしたかは確認中」との回答があった。

では、なぜ拡張子の変更でデータ削除が起きたのか。県によると、データ削除プログラムは、登録されたファイルのリストを参照してリストにないファイルを削除する仕組みだという。新機能により拡張子が変換されたことで、該当ファイルの名前がリストに記載されていないことになり、10万件のデータが削除されたとしている。

今回の事故では、バックアップ期間の短さも問題視されている。県によると、公文書管理システムのバックアップ期間は3日間。これは県と富士電機ITソリューションとの間で合意された内容という。

TwitterなどSNS上では「コストの関係で短く設定したのではないか」との指摘もあるが、バックアップ期間を3日間に定めた理由については「不明」(新潟県)としている。

県は、富士電機ITソリューションにおいて今回の新機能が運用テストや社内審査、バージョン管理など必要な手続きを踏まずに適用されたと説明している。また、開発担当者と運用担当者の間で機能の適用について情報共有が適切になされなかったため、事故発覚後の対応が遅れたとも指摘している。

なぜ必要な手続きをせずに機能が適用されたか、適切な情報共有がされなかったかについては、現在も富士電機ITソリューションが調査中で、詳細はいまだ不明という。

また、新機能の追加作業が行われたのは富士電機ITソリューションなのか、下請け業者が存在し、そちらで作業が行われたのかとの質問に対しては「富士電機ITソリューションでやられたと聞いている」(新潟県)としている。

不可解なこと多過ぎでは