先月末で約15年程勤めた技術者派遣を辞めてメーカーの正社員に転職した。
辞めるに当たって思っていた気持ちとかを書いておくので、技術者派遣に就職・転職しようと思ってる人は是非参考にしてほしい。
ただし、以下は俺が所属していた技術者派遣会社の話と、派遣先で一緒になった他の技術者派遣会社の人から聞いた話だけなので
全てが全て当てはまるわけでは無いとだけは言っておく。
■ 辞める理由について
辞める理由は大体3個くらいあって、
- 理由1:給料が上がらない
- 理由2:正当に評価されないケースが多い
- 理由3:家族、親戚、友人から誤解される
以下でそれぞれについて説明する
■■ 理由1:給料が上がらない
もちろん技術者派遣会社にも寄るが、労働組合があっても機能していない(ただ存在があるだけ)のケースが多く、
世間がやれベースアップだ、物価高高騰してるんだから給料上げろみたいな風潮になっても
上がる給料は所属年数で上がる昇給額の数千円くらいなもの。
転職サイトとか見ると技術者派遣会社は最低保障給が比較的良い会社が多いが、
それ以上大幅に上がることは無いと思った方が良い。
■■ 理由2:正当に評価されないケースが多い
派遣先に評価者が一緒に派遣されている場合であれば多少融通は利くのだろうが、
派遣元会社から一人で派遣先に派遣されている場合だと評価者が業務内容を把握しにくいケースが多い。
どんなに派遣先企業から良い評価を頂いていて、実績として売り上げなどに貢献した数字が出ていても
それらが評価として自分に返ってくることは非常に希
なぜなら評価者は他の派遣者からも盛りに盛られた自己評価を出す一方で業務中のミスなど失敗は全て隠すので、
それらを全て信じて評定をつけていたら全員の評価が優秀になる。
そのため、自己評価の5〜7割程度しか自社からは評価されないケースが多い。
■■ 理由3:家族、親戚、友人から誤解される
これが正直一番キツかった。
技術者派遣会社は俺の知る限り全てが登録型ではなく技術者派遣会社に正規雇用された社員を派遣している。
そのため派遣先企業からすると「派遣」であっても、社会的には技術者派遣会社の「正社員」である。
しかし世の中では「派遣」というと「登録型派遣」が真っ先にイメージされ、
どこの会社にも正規雇用されていない非正規雇用だと思われる。
そのため、親族や友人と仕事の話になり、今は技術者派遣会社であることを話すと大体が哀れんだ目で見てくるか、
偉そうにも上から目線で「早く正社員になれるといいね」などとぬかされる始末。
その都度、技術者派遣は旧・特定派遣なので技術者派遣会社に正規雇用された正社員がメーカーなどに派遣されて働いているので、
社会的な肩書きは正社員の会社員であるという話をしないといけない。
そしてそこまでしっかり話してもそのうちの3割程度は理解出来ない人が多い。もちろんそれは俺の説明が悪い場合もあるが。
先日実家に帰った際、技術者派遣を辞めてメーカーに転職するという話を母親にしたところ、母親すら誤解していたようで
「ようやく正社員になれたんだね、良かったね」などと言ってきた。
技術者派遣会社に勤める前に業種の話だとかはもちろんして、正社員だから福利厚生もしっかりあるという話をしていたにも関わらず、だ。
つまり俺は親から"15年もの間非正規雇用の不安定な業種に就いている"と思われていたという事である。
さすがにこれにはガックリきた。せめて親ならばそこは把握していて欲しかった。
■ 結論
技術者派遣は理系大学でも入社、未経験者でも転職できる事が多いので、
技術系の会社で働きたいがメーカーには転職できないのでという踏み台として使うのは最適だと思う。
だが、上に挙げたようなデメリットも多いため、転職の踏み台として考えるのであれば5年程度を目安にすると良いと思う。
■ 個人的なお気持ち表明
一般的に思われがちな派遣を広めた元凶と言われている竹中平蔵氏についてだが、
真意はどうであれ少なくとも俺は竹中氏に感謝こそするが恨み辛みは1mmも無い。
技術者派遣が無ければ次の転職企業には入れなかったのは確実なので、広めてくれてありがとうという気持ちが強い。
(先日なにかの記事で派遣を広めたのは竹中氏では無いとあったが)
それよりも『「派遣」=「登録型派遣」である』
という風潮を広めたヤツ、お前が死ぬときはマジで苦しんで苦しんで苦しんで苦しんでから死んでもらいたい。
そいつには非常に強い恨みがある。お前のせいで俺は何度受けなくて良い職業差別を受けなくてはいけなかったのだ。
本当にこの風潮を広めたヤツだけは許せない。誰だかさっぱりわからんのだが。