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システム不具合問題 全銀ネットに「報告徴求命令」へ 金融庁

金融機関どうしの送金システムに不具合が発生し、500万件を超える振り込みの処理が遅れた問題で、金融庁は多くの利用者に影響が及んだ事態を重く見て、システムを運営する全銀ネット=「全国銀行資金決済ネットワーク」に対し、法律に基づいて原因や再発防止策などの報告を求める「報告徴求命令」を出す方針を固めました。

全国銀行協会の関連団体で一般社団法人の全銀ネットは、金融機関どうしの資金をやりとりする「全銀システム」の運営を担っていますが、今月10日に不具合が発生してから12日復旧するまでに2日かかり、500万件を超える振り込みの処理が遅れるなど利用者への影響が広がりました。

「全銀システム」にこうした不具合が発生したのは1、973年に稼働を始めてから初めてのことです。

金融庁は多くの利用者に影響が及んだ事態を重く見て、全銀ネットに対し、資金決済法に基づいて、原因や再発防止策などの報告を求める「報告徴求命令」を出す方針を固めました。

金融庁は今月9日までの連休中に全銀ネットが実施した更新作業に問題があったと見られることから、更新作業の方法やバックアップの態勢、それに不具合が発生したあとの対応についても問題がなかったか詳しく調べる方針です。

また、不具合が発生した今月10日が資金決済が集中するいわゆる「五・十日」だったことが混乱を招いたという指摘もあることから、システムを更新するスケジュールに無理がなかったかどうかなど、利用者への影響が広がった背景についても調べる方針です。