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金融庁がNTTデータに報告徴求命令、全銀システム障害で

NTTデータグループは2023年10月30日、銀行間送金を担う「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」の障害を受けて、傘下のNTTデータが金融庁から報告徴求命令を受けたと発表した。NTTデータは事実認識や発生原因の分析などについて、中間報告を含めて11月末までに金融庁に報告する予定だ。

NTTデータは2023年10月27日、資金決済に関する法律第80条第2項に基づく報告徴求命令を金融庁から受領した。既に全銀システムを運営する全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)が同システムの障害を巡って、金融庁から資金決済に関する法律第80条第1項に基づく報告徴求命令を受けている。

NTTデータグループは本間洋社長を筆頭とする「総点検タスクフォースチーム(仮称)」を立ち上げた。全銀システム障害の真因分析や再発防止策の検討のほか、同社関連の重要システムの総点検を進める。同社は金融庁からの報告徴求命令について「NTTデータグループとして、今回の命令を重く受け止め、真摯に対応していく」(広報)とコメントしている。

全銀システムの障害は2023年10月10~11日に発生した。全銀ネットによると、概算値ながら、仕向けと被仕向けを合わせて500万件超の送金に影響が出た。1973年に稼働した全銀システムは、日本電信電話公社時代を含めて、NTTデータが開発・保守を一貫して手掛けている。