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IoT標準規格「Matter」の次世代通信プロトコル「Thread」は何がすごいのか?

ThreadはIoT技術向けの低電力・低帯域幅メッシュネットワーキングプロトコルで、Thread Groupによって開発されています。Thread Groupは2014年7月に設立されたアライアンスで、Google傘下のNest LabsやApple、Amazon、Armホールディングス、Samsung、Qualcomm、NXPセミコンダクターズなどが参加しています。

最初の規格仕様となるThread1.0は、Thread Group設立の1年後である2015年にリリースされました。ベースはIEEE802.15.4で、ノイズに強く消費電力が低く、大規模ネットワークに対応しているというのも特徴です。

Threadはモーションセンサーや一酸化炭素検出器、ガス漏れ検知器など、「基本的に非アクティブな状態が続くが、必要な時に確実に動作する必要があるもの」に向いています。反対に、監視カメラのように高帯域幅を必要とするようなデバイスには向いていないとのこと。

◆Threadが既存のIoT用通信プロトコルよりも優れている点とは?

Threadはハブやブリッジが必要なく、Thread対応デバイス同士が相互に直接通信できるというのがポイント。また、Threadはインターネットプロコトル(IPv6)ベースのプロトコルです。つまり、スマートフォンやタブレット、コンピューター、Wi-Fiルーターなど、他のIPベースのデバイスに直接接続できます。Threadは信頼性の高いメッシュ機能を提供するため、1箇所にエラーが起こるとネットワーク全体に障害が発生するような単一障害点が起こり得ないというのも大きな特徴です。

◆Threadはハブやブリッジを必要としないのか?

Threadネットワークをインターネットなどの外部ネットワークに接続するためには、ボーダールーターが必要になります。しかし、対応デバイスを複数つなげるために、異なるブリッジを用意する必要はありません。Threadに対応していれば、どのIoTデバイスでもメーカーに関係なく、Threadのボーダールーターに接続できます。また、Threadの通信はすべて暗号化されているので、ボーダールーターからルーティングしたトラフィックをのぞき見ることはできません。