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人々はChatGPTを過信しすぎ…AIが抱える超難問「シンボルグラウンディング問題」とは

[...]以上で述べたことは、数学や自然科学の法則などの理解という問題の根底に関連している。これは、AIに関する基本問題として以前から議論されてきたもので、「シンボルグラウンディング問題」と呼ばれる。

人間は身体で感じることによってシンボル(記号)を理解しているのだと言われる。ところが、AIに身体はないので、人間と同じように理解することはできない。だから、LLMは、自然言語を理解して文章を生成したり、質問に答えたりすることはできるが、記号や数学的概念を理解する能力には疑問があるというのだ。

シンボルグラウンディング問題は、AIに関する難問の1つとされ、それを解決するための研究が行われている。

たとえば、「MathQA」という研究がある。また、「Neural Math Solver」という研究もある。しかしどちらも、いまのところ、満足のいく結果を得ていない。

では、利用者としては、この問題にどのように対処したら良いのだろうか? プロンプト(指示文)の書き方によってある程度対処できるという意見もある。しかし、完全な対処法とは言いがたい。

したがって、「ChatGPTを数学や物理学の法則、あるいは論理が関連する問題に使う場合には、注意が必要。答えを鵜呑みにせず、さまざまな方法でチェックする必要がある」としか言いようがない。

シンボルグラウンディング問題、山本弘の「神は沈黙せず」で知った(作中では記号着地問題となっていた)。