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Eric Evans氏はドメイン駆動設計(DDD) は未完成だと述べた

ガイダンスが非常に厳格であると、ほんの些細な変化ですら「あなたはDDDをやっていない」と言われてしまう。これでは、真に変革に至ることはできない。 DDDが現実の問題のものであるためには、変革と進化を念頭に置く必要がある。

宗教みたいになってる人はたまにいる。とはいえ、オブジェクト指向やアジャイル開発でも似たような症状を発症する人はいるので、人類に共通するバグなのだろう。

過去数年間におけるマイクロサービスの成長の一助として、DDDの新たな功績は認められるべきものであろう。Evans氏はこれを肯定的に捉えていたが、少しばかりの注意も強調した。マイクロサービスの流行がなければ、今のようなDDDのカンファレンスも開催されていなかったかもしれない。しかし、「各マイクロサービスは境界づけられたコンテキストに相当する」のような規範的な規則は、一極端である「クックブック」に向かっていくものだ。それは、DDDのスイートスポットから離れてしまう。

ドメイン駆動設計の問題というのは「正解がない」という点にあり、そしてそれが実際DDDの本質的な特徴でもあることである。

そりゃまぁ、個々の企業が持つドメインというのは千差万別だろうし、最適なシステムも違ってくるのだろうけど、その結果として「模範とすべき回答」が存在しない禅問答や哲学めいたことになってしまっている。

エンジニアは本質的に実務者であるため、そのような禅問答に関わりたくないという意見があるのも十分理解できることではある。