判断すべき情報やスキルを持っているはずの人が、情報やスキルを持っていない上司に決めてもらっている場面、見たことありませんか
人が増えることでチームや事業に致命的状況が発生するのにありがちなのは「自分が判断した方が質の高い判断になるときでも判断を他人に委ねようする」という行為が重要な判断でも行われるようになった状況ではないか、とぼくは思っています。
「(上司)さんはAとBどちらにしたいですか」とか「◯◯してもいいでしょうか?」と判断すべき情報やスキルを持っているはずの人が、情報やスキルを持っていない上司に決めてもらっている場面って見たことありませんか?
プロジェクトの全体も具体的なところも把握していて、かつ色々な判断をして良い権限も持ってはずの人が「(上司)さんはどうしたいでしょうか?」と聞いているシーン。
なぜかこれがヤバいかというと、「(上司)さんはAとBどちらにしたいですか」と聞かれた上司本人はベストと思う判断を伝えているし、一番わかってる人も決められたことをやれば仕事としてOKになるので誰も困っていないのです。
上司さんも仕事は成果を出すためにやってるんで、自分で決めるのも他者に任せるのも手段でしかないはずです。他者に決めてもらう方が上手くいくというなら上手くいく判断ができる人に任せた方が良い。だから決める人は上司でもそうでなくても良いのです(決める人が誰であるかと指定することはあるだろうけど)。当たり前の話なのです。
解決策としては組織マネジメントがんばる。普通にこれしかない。
ある「判断すべき人」は職人的な技術や判断は正しいけれど、判断に責任を負えと言われると急に何もできなくなるタイプかもしれません。そういう人なら「技術や判断はその人が行うが、責任は任せている人がとる環境」を作る。
上司的なひとも部下からの判断をお願いされたら「聞かれたら答えちゃう」というのがありがちです。そりゃ頼まれたら応えたいよね。それに対して「決定を依頼されないような環境」づくりや「聞かれたら意見は言うけど、決定は上司の意見に流されずにできる環境」を作っていく。
当たり前なんですけど、これが正攻法といえます。
(ただし、多くの組織でその当たり前が実行されないわけですが…)