本を書きました。設計本ですが、設計のプロセスや手法ではなく、どんな基幹系システムを実現できればステキと思うかという点に重点をおいた本です。
プロセスや手法は、もういいんです。必要でないということはありませんが、過剰です。
入門書ではありませんが、あまり予備知識なく読めるよう工夫したので、みなさん、是非お読みください。
基幹系システム、それに「設計する」ということに対するイメージを変えて頂けるのではないかと思います。
本書のテーマは「データモデリング」と「基幹系システム」です。
Web上で台頭しつつある新たなビジネスは、新たな基幹系システムを必要としています。一方、既成ビジネスでは、モノリシックで硬直的な基幹系システムをしなやかな姿に変えていく必要があります。
基幹系システムの中核には「構造化されたビジネス記録」=「帳簿」があります。そのデザイン、つまりデータモデリングがいずれの取り組みにおいてもカギですが、データモデリングが真価を発揮するには、その知識体系を現代的に仕立て直す必要があります。
本書では、「活動のシステム」と「経営管理のシステム」という線引きを導入し、2つの領域で異なる帳簿特性を踏まえて、分散/非同期/疎結合な基幹系システムのための実践的データモデルを詳説します。さらには、データモデル理論の基礎にも新たな光をあてて、論理削除、テーブル分割、履歴管理といった共通論点に解決の糸口を提供し、支持を得ているドメイン駆動設計との関係性を探究します。