強磁性体と反強磁性体の特性を併せ持った「第三の磁性体」として存在が期待されていた「Altermagnetic」(アルター磁性体)が初めて確認されました。アルター磁性体は、新種の磁気コンピューターの製造などに役立つことが期待されています。
研究チームは光がどのようにテルル化マンガンに跳ね返るかを測定し、結晶内部の電子のエネルギーと速度を測定しました。これらの電子をマッピングしたところ、アルター磁性体のシミュレーション結果とほぼ一致することが明らかになっています。電子は2つのグループに分かれることで、結晶内部での電子の異常な動きを可能としており、これがアルター磁性の特性の源になっていると研究チームは指摘しました。
科学系メディアのNew Scientistは「アルター磁性体の特性を用いることで、コンピューターのハードディスクドライブ(HDD)の記憶容量を増大させることができる可能性があります。市販のデバイスには強磁性体材料が詰め込まれているため、外部磁場の干渉に弱いという特性があります。アルター磁性体の場合、既存のものよりも高密度に磁性体材料を詰め込むことができるようになる可能性があります」と記しています。