[...]そんなZ80の生産が、誕生から48年を経ていよいよ終了するという。Tech系情報サイト『Ars Technica』が2024年4月23日に掲載した記事によれば、2024年4月15日にZilogはZ80の製造を終了する旨をニュースリリースで発表したという。
もちろん、現在販売されている製品は1976年発売当時のZ80そのものではなく、互換性のある「Z84C00」と呼ばれるマイクロプロセッサだ。しかし、その外観は当初と変わらないデュアルインラインパッケージ(DIP)のままだ。コアプロセッサ本体を長方形のセラミックまたはプラスチックで覆い、側面に20本のピンを備えるいわゆる「ゲジゲジ型」のチップだ。CPUの外観といえば、いまだにZ80のそのゲジゲジ姿を思い出す人は少なくないだろう。
クロック数など使用は若干異なるが、Z84C00チップには13モデルが存在している。その全てが製造停止になるという。ZilogはZ80と互換性のある「eZ80」を提供していて、今後はZ80の需要をeZ80でカバーするという。
また他社の互換製品も幾つか存在し、パッケージや仕様は異なるものの、Zilogの製造中止によってZ80を今後も必要とする業界が大きく混乱することはなさそうだ。ただ、古式ゆかしいあのゲジゲジ姿が消えてしまうのは惜しいところだ。