chumbyの事例はハードウェアスタートアップ業界でさまざまに研究され、今ではスタートアップが手がけるハードウェアは、よりニッチなものやハードウェアの絶対的な性能に大きく左右されないもの、シンプルなハードウェアを中心にしたものが多くなってきている。ソフトウェアの世界ではスタートアップが大企業と同じフィールドで勝負をしにいく例が見られるが、ハードウェアではそれが難しいようだ。
彼はこのムーアの法則との戦いについてさらに先のビジョンを持っている。ムーアの法則を支えるプロセスの微細化については物理的な限界が近づき、チップメーカーはコアを複数積むなど、別の方法で性能を上げているが、これまでに比べると性能向上は遅くなっている。最近のスマートフォンの新モデルは、一つ前に比べて、それほど劇的に優れているわけではない。ムーアの法則の速度が減衰するにつれて、スタートアップでもついて行けるような開発が可能になる。