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若手が生成AI任せで仕事して、レビュー地獄で逆に生産性が落ちた話

要約:

■ 1. 課題の背景と現状

  • 問題提起: 生成AIによってジュニアエンジニアが低品質な成果物を大量生産し、シニアエンジニアがそのチェックに工数を割かれ、全体の生産性が低下する事態が発生している。
  • 想定外の共感: この問題はITエンジニア業界に限らず、翻訳、法律、教育など、他業界でも同様の課題が見られる。
  • 生成AIの性質: 生成AIは「できないことをできるようにする」ツールではなく、「できることをより早くする」ツールである。

■ 2. ジュニアエンジニアが陥る問題点

  • 粗悪品の量産: 経験の浅いジュニアエンジニアが生成AIを安易に使うと、非機能要件(可用性、性能、セキュリティなど)や、トレードオフとなる意思決定事項が考慮されない「クソコード」を恐ろしい速度で量産してしまう。
  • 非機能要件の考慮不足: 企画側から明示的に伝えられない非機能要件について、ジュニアが考慮せずにプロンプトを書くため、考慮漏れが発生する。
  • シニアエンジニアの負担増: ジュニアが量産した低品質な成果物のチェックにシニアエンジニアが追われ、本来の生産的な業務を妨げられる。

■ 3. 解決策と提言

  • 思考の転換:
    • 低品質なタスクの効率化: 形式的なメール返信やアイデア出しなど、100%のクオリティを必要としないタスクには生成AIを積極的に活用すべきである。
    • 質と量のバランス: 「100点×1個」ではなく、「80点×100個」の成果が求められる場面を見極めることが重要である。
  • ジュニアエンジニアへの提言:
    • ノールックでの提出を避ける: 依頼内容をそのままAIに渡し、完成品として提出するのではなく、AIを相談相手として活用すべきである。
    • 品質向上への注力: 同じ時間を使うのであれば、低品質なものを大量に作るのではなく、「一球入魂」の姿勢で、生成AIを活用しながら一つの成果物の品質を高めるべきである。
    • 能動的な学習: AIを使う過程で、非機能要件やトレードオフといった、自身が不足している知識を補い、学びを深めることが重要である。