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なぜあのマネージャーはプロジェクト管理ができないのか?-最低限知っておくべきプロジェクト管理のコツ

要約:

■ 1. 計画段階での失敗

  • スコープの曖昧さ: プロジェクトの作業範囲を明確にせずに開始する。
    • 問題点: どこまでやるのかという境界線が不明確なため、後から理不尽な作業が追加され、チームが混乱する。
    • 対策:
      • WBS (Work Breakdown Structure) の活用: WBSを使って、プロジェクトの作業を階層的に細分化する。
      • 成果物の明確化: 各作業がどのような成果物(アウトプット)を生み出すのかを明確にする。
      • 想定の明記: 未確定な要素については、その前提や作成根拠を備考欄などに記載する。
      • 合意形成: チームや顧客と作業範囲について合意を得ておく。

■ 2. スケジュールの見積もり不足

  • 楽観的な見積もり: 実際にかかる時間よりも短い期間で作業を見積もってしまう。
    • 問題点:
      • 見え方と実作業のギャップ: 「関係者に確認するだけ」のように、一見簡単に見える作業も、実際には多くの付随作業(調整、資料作成など)が発生する。
      • 担当者とのギャップ: 担当者のスキルや現在の状況(並行して抱えているタスクなど)を考慮せず、非現実的なスケジュールを立ててしまう。
    • 対策:
      • バッファの設定: 担当者のスキルや状況に応じて、余裕を持たせたスケジュールを設定する。

■ 3. 実行段階での失敗

  • 根拠のない状況管理: 定量的な根拠のない進捗報告を行う。
    • 問題点: 「だいたい7割」といった感覚的な報告では、正確な状況を把握できない。
    • 対策:
      • 分母・分子の明確化: 作業状況を、完了したタスク数やページ数など、客観的に数えられる単位で管理する。
      • 定量的報告の徹底: 「16個中12個完了で75%」のように、根拠を説明できる形で進捗を報告する。

■ 4. マネージャーの視野の狭さ

  • リスクの見逃し: 自分の作業に忙殺され、プロジェクト全体のリスクを見過ごしてしまう。
    • 問題点: 小さな問題の兆候を早期に発見できず、問題が大きくなってから対応に追われる「後手後手」の対応となり、手遅れになる。
    • 対策:
      • リスクマネジメント: プロジェクト全体のリスクを常に監視し、兆候を早期に察知する。
      • 早期対応: 小さな火種のうちに手を打ち、メンバーが疲弊するのを防ぐ。
      • 心に余裕を持つ: 視野を広く保ち、客観的に全体を把握する。

■ 結論

  • プロジェクト管理ができないマネージャーは、計画や実行段階で「曖昧さ」を放置している。
  • メリハリのある管理が必要である。締めるところはしっかり締め、プロジェクトの成功とメンバーの負担軽減の両立を目指す必要がある。
  • 本稿で挙げられた4つの失敗例以外にも、プロジェクトを効率的に管理するための要素は多数存在する。