■ 1. 問題提起
- 「技術的には可能」問題: 実際には多くの問題(影響範囲、品質、コスト、スケジュール)があり、「できない」と心の中で考えているにもかかわらず、表面上は「技術的には可能」と答えてしまう問題である。
- このような回答は、曖昧さから相手に不評を買う原因となる。
■ 2. 解決策:「できる」と「やる」の分離
- 責任の明確化:
- 「できる」: 技術的な可否は回答者(自分)の責任である。
- 「やる」: 実行の決定は相手の責任である。
- 伝え方: 「できますが、〇〇が必要です。やりますか?」という形で、技術的な可否と、それに伴う条件(スケジュール変更、コスト増加など)を一息に伝える。
- 前提条件: このコミュニケーションを可能にするためには、腹を割って話せる信頼関係が不可欠である。それが築けないプロジェクトは成功が難しいと判断している。
■ 3. 「じゃあ見積もって」への対処
- 本気度の確認: 見積もりはプロジェクトの中心メンバーに負担をかけるため、安易に引き受けず、相手の本気度を確認すべきである。
- 顧客への伝え方:
- 原則: 「お金がかかってもやるなら見積もります」という姿勢を伝える。
- 具体的提案:
- 金額で示す: 「最低でも〇〇人月かかりますが、それでもやるべきかご判断いただけますか?」
- 金額以外で示す: 「1か月リリース延期が必要かもしれません」といった形で、影響範囲を伝える。これにより、相手は金額を直接聞かなくても判断できる。
■ 4. まとめ
- 重要なのは、「できる」ことと「やる」ことを明確に分離し、それぞれに責任を持たせることである。
- 見積もりの依頼に対しても、相手の本気度や重要度を確認し、プロジェクトのリスクを避けるべきである。