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エンジニアリングマネージャの役割パターン6種

要約:

■ 1. EMの役割を巡る議論

  • 問題の背景: エンジニアリングマネージャー(EM)の役割は多岐にわたり、「コードを書くべきか」「書くべきでないか」など、人によって意見が大きく異なる。
  • 役割の変化: EMが担う役割は、チームの状況、個人の得意分野、組織でのEMの定義などによって変化する。

■ 2. マネジメント領域の分解

  • 4つのマネジメント領域: 一般的に、EMの役割は以下の4つに分解される。
  • プロダクトマネジメント: プロダクトの方向性を定める。
  • プロジェクトマネジメント: スケジュールやタスクを管理する。
  • ピープルマネジメント: メンバーの育成や評価を行う。
  • テクニカルマネジメント: 技術的な意思決定や課題解決を行う。
  • 役割の委任: EMはこれらの領域すべてをカバーするが、特定の得意分野を持つメンバーに一部のマネジメントを任せることがある。

■ 3. EMの6つの役割パターン

筆者は、EMの具体的な動き方として以下の6つのパターンに整理している。

  • Development Project Manager:
    • 特徴: プロジェクト型開発において、機能リリースとスケジュール管理に重きを置く。
    • 比重: プロジェクトマネジメントの色が濃い。
  • Mini-CTO:
    • 特徴: 経営レベルで技術戦略や組織の未来に関する意思決定を行う。
    • 比重: 現場の細かい進行には関わらず、事業実現のための技術的な意思決定を推進する。
  • Technical Team Lead:
    • 特徴: テックリードに近い役割で、技術的な意思決定やリードを行う。
    • 比重: テクニカルマネジメントに重点を置く。プロジェクト管理はチーム全体で分担する。
  • Cross-Organization:
    • 特徴: チーム横断的な技術課題や連携の問題を解決する。
    • 比重: 大規模な組織で機能不全を防ぐために必要な役割である。Technical Program Managerもこのパターンに属する。
  • Product Owner:
    • 特徴: 技術的要素が強いプロダクトにおいて、プロダクトオーナーとして技術と事業価値のバランスを取りながら意思決定を行う。
    • 比重: 技術的知見が不可欠なプロダクトマネジメントを担う。
  • Organization Development / Organizational Designer:
    • 特徴: 組織開発や組織設計、エンジニア固有の採用・人事施策を担当する。
    • 比重: ピープルマネジメントを広く深く行う。

■ 4. パターンの傾向とまとめ

  • 傾向:
    • 上段(Development Project Manager, Technical Team Lead, Product Owner): チーム内に軸足を置き、チームと共に活動することが多い。
    • 下段(Mini-CTO, Cross-Organization, Organizational Designer): チーム外に軸足を置き、自律的なチームに大部分の実行を委譲する。
  • 活用の意義:
    • EMの役割は多岐にわたるため、認識のズレや期待のズレが生じやすい。
    • これらのパターンを理解することで、自身のチームのEMがどの役割を担っているかを明確にし、期待のズレを減らすことができる。
  • 結論: EMはどのような関わり方であってもエンジニアリング領域の責任を期待されている。