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リーダーの仕事は頑張ることでも、頑張らせることでもない…ニトリの管理職に受け継がれる

要約:

■ 1. 個人業務の適正比率

  • 3割ルールの重要性: リクルートワークス研究所の調査によると、個人業務の比率を3割程度に抑えるマネジャーが率いる組織はパフォーマンスが高い
  • 5割を超えると成果が急降下: 自分で頑張りすぎることが結果的にチームの足を引っ張る可能性がある
  • 時間配分の目安: 1日8時間働くなら自分の業務は2〜3時間で、残り5〜6時間は部下との対話、サポート、チームの未来をつくるプロジェクトに使う
  • 任せることの本質: 手放すことではなく、育てること、信じること、未来を託すことである

■ 2. リーダーに必要な余白

  • 余白が生む効果: リーダーに余白があれば部下は話しかけやすくなり、相談と対話が生まれる
  • 組織成果の源泉: 個人の頑張りの総和ではなく、関係性の質や信頼の循環がつくり出す
  • リーダーの役割: 話しかけやすい人、見守ってくれる人、チームの未来を語る人であることが組織の可能性を広げる

■ 3. 任せないことの副作用

  • 見えない成長阻害: 部下が忙しいからと遠慮して任せないことが、実は部下の成長の芽を静かに摘んでいる
  • 信頼関係の片想い: パーソル総合研究所の調査では、上司・部下の関係の52.4%で部下は上司を信頼しているが上司が部下を信頼していない状態である
  • 信頼を感じる瞬間: 部下が信頼されていると強く感じる瞬間は仕事を任せられた時である
  • 愛情の副作用: 大事に思うあまりに心配して任せないことが、かえって信頼関係を崩す

■ 4. 育成の本質

  • 教育の幻想: 教えれば育つは思い込みである
  • 修羅場体験の重要性: 本当に人が育つ条件は、うまくいかずに悩み、自分で考え、動き、試して突破した体験である
  • ラーニングゾーン: 部下を飛躍させる機会をつくることが育成のカギである
  • 資産運用の発想:
    • 部下は会社の大切な資産であり、管理職はその資産を託された運用者である
    • できるようになったから任せるのではなく、任せるからできるようになる

■ 5. リーダーの真の仕事

  • 変えることが仕事: 頑張ることでも頑張らせることでもなく、変えることがリーダーの仕事である
  • 問いを持ち続ける: もっとラクに、確実に、成果を出せないかという問いを常に持ち続ける
  • ニトリのマインド: 前任者を超えよというマインドが受け継がれている
  • なくす力の発揮:
    • プレイングマネジャーは現場にいるからこそ、ムダを肌感でわかる
    • 成果に影響のないタスク、意味のない報告資料、形骸化した会議にメスを入れる

■ 6. 失敗から学ぶ組織

  • 失敗の価値: マドセンとデサイの研究によると、失敗体験のある組織のほうが次に成功する確率が高い
  • 学習効果の差: 成功体験のパフォーマンス改善効果が-0.02に対し、失敗体験は-0.08と4倍も学びが深い
  • サーチ行動: 失敗を経験した時、何がダメだったのか、何を変えるべきかと自ら問いを持ち探索をはじめる行為が学習の入口である
  • 成功ばかりの危うさ: 失敗経験が少ないまま成功すると、その後はむしろ失敗しやすくなる
  • リーダーの姿勢: 部下の失敗を責めるのではなく、失敗から何を学んだかを問い、サーチ行動を促すことが重要である