■ 1. フルスタックエンジニアを目指すべき理由
- ひろゆき氏が目指すなら「全部やる」エンジニアである
- フロントエンジニアの限界:
- フロントしかできない場合、バックエンドがよくわからないため誰かに頼まなければならない
- その誰かのコストが高かったり優秀でなかったりしても対抗できなくなる
- 全部できることの利点:
- 自分1人で全部できるようにしたほうがよい
- バックエンドをやっている人を選ぶ時に話が通じる
- 優秀な人を見抜くにはその業界の知識が必要である
- サーバーを立てたことがない人に優秀なサーバーエンジニアを選ばせても、どういう基準で話をしたらいいかわからない
- ひと通り理解することを早めにやっておいたほうが人生で得することが多い
■ 2. コミュニケーション能力の必要性
- エンジニアにコミュニケーション能力は必須ではない:
- ひろゆき氏は月に3、4,000万人が使う「4chan」を運営している
- エンジニアとのやり取りは基本的に全部メールかネットワーク経由である
- 直接会ったことがある人は1人もいない
- 電話で話したことがある人は何人かいる程度である
- テキストベースのやり取りの利点:
- 実際のやり取りはテキストベースである
- その人が本当に英語を理解しているかどうかもわからない
- 翻訳ツールを使っているかもしれないが、「これやって」と言ったらやってくれるので困ったことがない
- タイムゾーンの問題もあるため顔を合わせてやる必要がない
- テキストで「これやっておいて」と言ったほうが口頭で説明するよりも情報が伝播しやすい
- コミュニケーションが苦手な方が有利:
- ある国の山奥に住んでいるエンジニアは「都会は人が多くてゴミゴミしていて、自然が美しくないから嫌だ」という理由で移住した
- たぶん彼はコミュニケーションが苦手だが、何の問題もなく暮らしている
- コミュニケーションが苦手な方のほうがエンジニアはやりやすい
■ 3. エンジニア像の多様化
- リア充エンジニアとギーク文化:
- 最近のIT界隈ではリア充っぽいエンジニアが増えているという指摘がある
- オタク的なギーク文化が失われつつあることへの寂しさを感じる声がある
- 実態は両方が増加:
- オシャレ系エンジニアもコミュニケーションが苦手エンジニアも増えている
- エンジニアの枠自体がどんどん増えている
- エンジニアという職業の人が増えているため、ギーク的でニッチなことが好きなオタクと言われるような人数もめちゃくちゃ増えている
- 多様性のメリット:
- 「同じ考え方のエンジニアだけ集めたいです」というのはやりやすくなっている
- 幅広くなってよかったという話である
- 女性エンジニアもそんなに珍しくないため、「女性同士でエンジニアの話したいです」という人でもちゃんとコミュニティが作れる時代になっている
- いい時代になっている
■ 4. SIerの未来予測
- 大規模SIerの衰退予測:
- これからはプロジェクトに必要なエンジニアが減る
- 外注しなくても自社でエンジニアを迎えるようになる
- SIerが衰退している
- AIによる構造変化:
- 「大規模なSIerにお願いして20人チームを派遣してもらって作る」よりも「めちゃくちゃ優秀なエンジニア1人がAIを使い倒して、20人分のコードを書かせる」ほうがよい状況になる
- 本来ならSIerに頼んで「20人月です」という案件でも、フリーランスのすごい人が「じゃあこれ4ヶ月で俺1人でやりますよ」と言えるようになる
- 発注側もその1人と話すだけで済み、20人月で契約するより安く話が早い
- SIerの今後:
- 大規模SIerはけっこう仕事が取りづらくなる
- 1人でフリーランスをやっててAIを使って「コードはバンバン書けます」という人はかなりいい金額を取れるようになる
- SIer的な仕事自体は残る
- 「20人派遣します」みたいな大人数前提のやり方は銀行業界など特殊なセキュリティ要件があるところを除けばわりと衰退していく
■ 5. 発言スタイルと切り抜かれやすさ
- 意図的な発言スタイル:
- ひろゆき氏はわざと切り抜かれやすいような言い方をしている
- 尖った発言のほうが切り抜かれやすい
- 端的に説明したほうが理解されやすい
- 長文が読まれない時代:
- 長い文章を読めない人が日本で増えている
- もともとそんなに読解力が高くない人たちもインターネットを使うようになってきている
- 結論先行型の話法:
- 結論を最初に「はい」「いいえ」「ノーコメント」みたいに言って、そのあとに理由を説明するほうが伝わりやすい
- それをやると最初に「あなたの意見には乗りません」というのがハッキリしてしまう
- 「理由はこれです」と続けるため、人と仲良くしながらフワッと否定するような日本語っぽい言い方がしづらくなる
- だから引っかかりやすい
- 海外生活の影響:
- 岸谷蘭丸氏も同じしゃべり方をしている
- 海外で、しかも学生として生活していた人はこうなる
- 英語圏で生活すると、最初にYes/Noを言ってから理由を言うというのが身についてしまう
- だから日本語で話すときもその感じが出てしまう
■ 6. 就職先選択の基準
- 最も重要な基準:
- 会社に入るときに一番大事なのは「相談できる相手がいるかどうか」である
- 自分がわからないことや「これどうやるのが正解なんだろう?」と聞いたときに、ちゃんと丁寧に教えてくれる人がいる会社は所属する価値がある
- それがないんだったら「自分ひとりでやってるのと一緒じゃん」という話である
- 業種よりも社風:
- 業種がどうこうというより「同僚が、聞いたらちゃんと答えてくれる空気の会社かどうか」のほうが大事である
- 面接での見極め方:
- エンジニアの面接では一次は人事だけだが、二次以降でエンジニアの人が出てくることがある
- そのときにこちらが何か質問したら、どれくらい丁寧に答えてくれるかを見るとよい
- 「あ、この人はちゃんと答えようとするタイプだな」とわかれば、その会社にはそういうエンジニアがいるということである
- 逆に「え、それも知らないんですか?」みたいな反応をしてくる会社だと「あ、ここは自分が入っても質問しにくいな」となる
- エンジニアにとって質問しやすいかどうかやオープンな社風があるかどうかのほうが大事である
- 業種による違い:
- 業種がSESだったとしても、めちゃくちゃ親身になって教えてくれるスタッフが多い会社もある
- 「みんなでちょっとずつスキル上げていこうぜ!」というタイプのところもある
- 一方で、同じSESでも実態はほぼ個人事業主の集まりみたいになっていて「それ自分で調べて」「お前の仕事手伝っても俺の給料増えないし」みたいな人が多い会社もある
- 社風は面接や実際に話してみないとわからない
■ 7. 企業の自社エンジニア枠の増加予測
- 自社エンジニア枠は増加する:
- AIでエンジニアがうんぬんという話があるが、SES自体が減っていって「これは他社に任せるより自社でやったほうがいいよね」となる
- けっこう増えると考えられる
- オウンドメディアの増加:
- 最近「Nintendo Direct」みたいなオウンドメディアを持つ会社も増えている
- 自社でいろいろやろうとすると結局ぜんぶインターネット経由になる
- 物を売るのも知ってもらうのもインターネットになる
- だったらその部分は他社に丸投げするより自社で持ってたほうがいいという話になる
- コスト構造の変化:
- 今までは自社で抱えるとエンジニアコストが高かった
- わりと優秀な人を1人置いておいて、あとはAIにやらせるようなやり方でもそこそこ回るようになってきた
- 中堅企業でも「自社エンジニア枠」をちょこちょこ入れていく流れになる
- フリーランス活用の増加:
- フリーランスと契約して「うちの会社のこと頼んでいる人なんですよ。フリーランスですけどね」みたいな関わり方をするパターンもある
- そういうタイプの業務はこれから増えていく