■ 1. PMのキャリアにおける視点の転換
- Jr/Middle/Seniorの議論は自分の立ち位置を確認したいフェーズの自然な問い
- 意思決定や失敗を経て視座が変わると「自分はどこに立っているか」から「この判断を引き受けるのは誰か」へ関心が移行
- PMのキャリアには関心の向きが切り替わる明確な分岐点が存在
■ 2. 経営的語彙の習得段階
- PMを続けると事業視点/PL意識/長期価値/投資対効果などの語彙を使い始める
- プロダクトの外側を見る視点が身についた証拠であり成長の表れ
- このフェーズは最も楽しい段階である
- まだ痛みを伴わない段階
■ 3. 経営者が引き受ける現実
- 経営者が本当に引き受けているもの:
- 誰にも相談せずに決める瞬間
- 後から間違いに気づいても戻れない現実
- その判断で人や生活を変えてしまう感覚
- この話題になると抽象論に逃げるPMが多い
- 能力や意識の問題ではなく引き受けた経験がないだけ
■ 4. レベル論争に留まる理由
- レベル論争が好まれる理由は責任を曖昧にしたまま賢く振る舞えるから
- 言い訳の構造:
- そこまでは求められていない
- 権限がない
- 役割的に違う
- フェイクなPMはこの場所に長く留まる
- リアルなPMはある日ここから降りる
■ 5. 経営に片足を突っ込んだPMの特徴
- 共通点:
- レベル論争がどうでもよくなる
- 業務範囲の話を一段上から見るようになる
- 正解がない判断を無言で引き取る
- 「まあやるしかないよね」という言葉が出る
- この言葉は投げやりな諦めではなく覚悟が決まった人の決意表明
- この段階に達したPMはもうPMごっこには戻れない
■ 6. PMの最終進化系
- 肩書きは重要ではない
- 経営をやってしまっている人であり逃げないことを選んだ人
- 逃げない姿勢の内容:
- 数字から逃げない
- 人の感情からも逃げない
- 判断の結果を全部自分の名前で引き受ける
- 自分の仕事かどうかではなく自分がやらないと誰がやるのかで決める
■ 7. 分岐の認識
- 選別や優劣をつけることが目的ではない
- 分岐があるという事実をちゃんと認識することが重要
- レベル論争や業務範囲の線引きが大事に思えるフェーズも間違いではない
- そのフェーズがあるから次に進める
■ 8. 次のステージへの移行
- あるタイミングで議論が空虚に感じ始める契機:
- 正解が用意されていない判断が増える
- 誰かに委ねると歪む感覚が出てくる
- これは誰かに預ける話じゃないと思う瞬間が来る
- このときPMは次のステージに入る
■ 9. 経営との関係性
- 全員がCEOや事業責任者になる必要はない
- PMを続ける限り経営的な判断から完全に逃げ切ることはできない
- 肩書きに関係なく必ず現れる判断:
- どこに賭けるか
- 何を捨てるか
- どの未来を選ばないか
■ 10. 「まあやるしかないよね」の意味
- 諦めでも開き直りでもない前向きな言葉
- 前提条件:
- 完璧な情報は揃っていない
- 正解があるわけでもない
- でも決めないと前に進めない
- 現実を受け入れた人が前を向いたときに出てくる言葉
- 不確実の中での前進の合図
■ 11. PMの仕事の本質
- 役割定義で縛るには大きすぎる仕事
- 二面性:
- やると決めたらやってしまえる自由がある
- 引き受けた瞬間に重さがのしかかる
- レベル論争や業務範囲論争に違和感を覚え始めるのは視座が一段上がったサイン
■ 12. 変化の兆候
- 自分はいまどこに立っているんだろうから判断は誰が引き受けるべきなんだろうへ考える時間が移行
- その変化に気づいた時点でもう以前と同じフェーズにはいない
- 確認すべきポイント:
- どの現実が気づけば自分の手元に集まってきているか
- どの判断がいつの間にか自分の名前で残るようになったか
- PMという仕事は気づかないうちに経営という営みに近づいている
- 気づいてしまった人はもう少しだけ前に進めばいい