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プレイングマネージャーを「努力」から「構造」の問題に戻す── SaaS組織で起きた意思決定の話──

要約:

■ 1. 記事の背景と目的

  • 本多将大によるnote記事である
  • 2025年も周りの皆さまのおかげで多くの学びを得ることができた
  • 資金調達フェーズでいうとシリーズA以降B未満従業員数の規模でいうと50名未満のSaaS企業の営業部での学びを言語化する
  • 少しでも他の人の役に立てたらと思いnoteに残すことにした

■ 2. プレイングマネージャーの課題認識

  • プレイングマネージャーは個人に依存しやすい役割である
  • 能力やスタミナに支えられた運用は短期的には機能するが再現性やスケールの観点では限界が見えやすい
  • 営業部においてもプレイヤーとしての成果とマネジメントとしての成果を同時に求める構造が結果として意思決定の質とスピードを下げている場面があった
  • この状況を踏まえ営業部ではプレイングマネージャーという役割を努力やバランス感覚の問題ではなく構造の問題として捉え直すことにした

■ 3. 役割の切り出しと意思決定レイヤーの独立

  • 営業部ではこれまで実行と判断が同じレイヤーに存在していた
  • その結果施策は「やる・やらない」という議論に収束しやすく本来行うべき評価や選別が後回しになる傾向があった
  • そこで施策を実行単位として扱うのではなく企画として独立させ意思決定レイヤーを切り出す運用へ移行した
  • これにより意思決定は施策そのものではなく定量の可視化・データに基づく分析・分析結果を踏まえた施策選択を起点に行われるようになった
  • 結果として施策は属人的な打ち手ではなくKPI改善に対する投資判断のアウトプットとして整理された
  • 限られたリソースをどこに配分すべきかを選択できる状態がつくられている

■ 4. マネージャーの能力を組織の上限にしない設計

  • この運用変更を通じて明確になった点がある
  • それはマネージャー個人の能力や判断が組織の上限を規定してしまうリスクである
  • 営業部のマネージャーがプレイヤーとしても深く関与する構造では判断の幅や試行回数が個人のキャパシティに制約されやすい
  • 意思決定を企画レイヤーに集約することで経験や勘への依存を抑えつつこれまで現実的ではなかった打ち手も冷静に検討できるようになった
  • 営業部の上限は人の能力によって自然に決まるものではない
  • 設計次第で引き上げられるものだという認識に変わってきている
  • この構造設計と運用は企画が主導して前線を担い営業部のマネージャーである私はその設計と判断に対する最終責任を持っている

■ 5. 育成の構造化

  • 営業部における育成も同様に構造化している
  • 正解を言葉で説明することよりもどのような判断基準で意思決定しているかを共有することを重視している
  • 具体的には商談への同席などを通じて実例を提示する
  • その後になぜその言葉を選んだのか・なぜそのプランその金額なのか・なぜその時間軸で提案したのかといった判断理由を言語化して補足する
  • これにより個別の成功体験ではなく再現可能な判断軸として営業部内に知見が蓄積されていく
  • 特にARPAを引き上げる文脈では成果の共有よりも判断基準の共有が有効に機能している

■ 6. 人材の捉え方と配置の考え方

  • 営業部では人を単なる人数や稼働時間といった固定的なリソースとしてではなく前提条件の異なる存在として捉えている
  • 能力差は確かに存在するがそれは優劣よりも強み・経験・得意な局面の違いによるものだと考えている
  • そのため成果は本人の能力だけで決まるのではなく配置の仕方や期待の置き方・関与の度合いによって大きく変わる
  • 実務では定量で傾向を把握したうえで担ってもらう役割・求めるアウトプットの水準・マネージャーや周囲の関与の深さを調整しながら再現性のあるアウトプットをつくることを重視している
  • 新しく営業部に加わったメンバーについては早く組織に馴染んでもらうことよりも短期間で一つ成果を出せる状態をつくることを優先している
  • 小さくても成果が出ると仕事の進め方や関係性への理解が進み結果として信頼や一体感は後から自然についてくる

■ 7. 結論

  • プレイングマネージャーという役割は個人の頑張りによって成立させるものではない
  • 意思決定のレイヤーは分離されているか・判断は定量と分析を起点に行われているか・人の特性が構造として活かされているかを前提条件として運用を見直すことで成果が変わることを実感してきた
  • 営業部のメンバーと仕事をする中で形づくられてきた学びに感謝しつつ2026年もみなで良い年にしたい