■ 1. 結論と前提
- フリーランスは社員ほどではないが取り組み方次第で今後生き残るためのスキルを獲得するチャンスはある
- 早いうちにフリーランスとして色んな現場に参画することは長期的な視点でメリットがある
- 筆者の報酬は年齢と過去の経歴を加味すると同年代より高くエージェント紹介の単価水準でも高単価の部類
- 9年ほどフリーランスエンジニアとして培った案件選びや面談のスタンスやチームコミュニケーション改善のナレッジを共有
■ 2. チャンスをもらえない構造の否定
- チャンスをもらえないのは選んだ現場とあなたの評価の問題
- 筆者は技術力が高いわけではなく30代に入ってアルゴリズムを勉強し直している最中
- 独立当時はウォーターフォール開発で詳細設計から実装を半年ほどのベビーエンジニアステータス
- しかし現在や前の会社で多数のチャレンジ機会を獲得:
- ゼロイチのプロダクトの初期メンバーに抜擢
- 未経験言語の実装を任される
- エンジニアの採用面談に同席し合否に関わる立場
- 完全未経験なrustの開発に単価を下げず参画
- プロダクトの要になるデータパイプラインの新規構築
- 顧客管理システムリプレイスの技術選定からリリース前までの実装をリードエンジニアとして推進
- 「経験が積みづらくなる構造的な力学」があるなら9年間業務委託のエンジニアOnlyな筆者はもっと厳しいスキルで今を迎えているはず
- フリーランスなら先に鍛えるべき力が不足していたために「チャンスを与えてくれる現場に出会う能力や見せ方ができなかった」
- 「フリーランスとして魅力的なマインドを持っていたわけではない」
■ 3. エージェントの存在が将来を不安にさせる
- ITエージェントという存在のせいでその力を培わずともなんちゃってフリーランスになれてしまう
- 「あなたの年齢とスキルで紹介できる案件がない」と言われた瞬間に自分で案件を開拓することをしなかったエンジニアは窮地に追い込まれる
- 動物園で飼育員がご飯を挙げなかったらどんなに屈強なライオンだって餓死する
- Findy関係者の意見:
- 売り手市場ではなくなってきている状況
- エンジニアが企業のニーズを汲み取りアピールできるかが鍵
- エージェント視点でも売り手市場の陰りとエンジニアが受け身で居続けることの懸念
■ 4. 正社員とフリーランスの比較
- 正社員は待ってても来る可能性があるが望んでなくても来る
- フリーランスは手を上げ続けなきゃ来ないが望んでないなら来ない
- フリーランスが正社員より優れているという主張ではない
- 100%の責任を追う経験や意思決定の場に参列するのは多くは正社員
- 賃貸やローン等の社会的信用は企業のエンジニアには到底叶わない
- 生存戦略的視点で言えば正社員の70から80%程度の役割や権限ならフリーランスにもチャンスはある
- 案件探しや業務への向き合い方次第
- 正社員だろうともあっさり辞める時代
- チームメンバーだし業務委託だろうともっと良いコード書けるようになってほしいなとコストをかけてもいいと思わせる当時のパーソナリティと案件の目利き力がなかっただけ
- 業務委託だって強くなって良いコードが書ければそれがコードとして資産になる
- ノウハウがそのままプロダクションコードとして残るのがエンジニアという職業の良いところ
■ 5. フリーランスにおける成長の定義
- 成長の3要素:
- 案件レベルに直結する技術的成長
- 案件の獲得率につながる営業的成長
- 案件の継続に関わるコミュニケーション的成長
- 営業的なコミュニケーション力とチーム開発で必要とされるコミュニケーション力は別
- ロースキルでまず一番先に身につけるべき優先順位:
- 1: 営業的成長
- 2: コミュニケーション的成長
- 3: 技術的成長
- 営業力の定義:
- お客さんに押し売るゴリゴリなパワーではない
- 日常生活においても役立つコミュニケーションのテクニック的な部分
- 繰り返し実践することで徐々に自分の身体に染み付く
■ 6. 営業力が大事な理由
- 理由1:質の高い案件に入り込めれば他の成長は付随する
- 営業力が上がると高単価の案件に参画できる
- 期待値と能力があっていないので自己研鑽せざるを得ない
- シニアエンジニアの端的なコミュニケーションを理解するために言葉の言い回しや質問の質を上げざるを得ない
- 質の高い案件獲得を目指すことが一番連動して効率よく成長できる環境を手に入れられる
- 理由2:面談が「加点評価の場」になるか「減点評価の場」になるかは営業力次第
- 面談は文字列でわからない人格や雰囲気やコミュニケーションスタイルを把握する大事な場
- 正社員だろうがフリーランスだろうが対面の会話は最も重視すべき
- 技術力が突出していないエンジニアが1時間の面談の中でまず探るべきはセールスでいうところの潜在的ニーズ
- 自分の経歴を語る前にこれを引き出せるかが特に大事
- 採用の目的(求人票)だけでなくブラインドされたチームの課題を引き出せるかで「相手の事を考える回数」がかなり増える
- 限られた数十分のあなたのターンで引き出す必要がある
- 面談が面倒な見極めの場ではなく相手の欠けたピース探しと気持ちよくそのパズルをはめるゲーム感覚で臨める
■ 7. スキルの切り売り問題への反論
- スキルの切り売りになる原因:
- 自分がある意味一番技術力あるチームにいる
- 新しい知識を入れるチーム文化がない
- 背伸びして入った現場じゃない
- 営業行為とは「付加価値」をつける行為
- 営業力がない人は自分を時給4000円で案件を探し実力に見合う仕事しか紹介されず出会えない
- 営業に自信があれば時給5000円や6000円で案件を探すまたは決裁前に値上げ交渉をする
- 今の実力に見合わない仕事を手に入れるチャンスが出てくる
- 上振れであなたに見合わない仕事はつまり伸びしろを与えてくれる仕事
- ダイナミックなスキルチェンジに関わる案件以外は最低時給500円以上は単価アップするような案件を選び続ければ単価が成長の具体値として示してくれる
■ 8. 権限とマネジメント
- 権限について:
- 一部の企業は与えないが意欲のある人でも絶対与えられないなんて事はない
- 高い単価をもらっているとやれるかは別として依頼される確率は高い
- 高い金払ってるんだからやってよ的な思想
- マネジメントについて:
- 別に関われるし人次第
- まとめるのが上手な人なら業務委託がサブリーダー的に使えない正社員の代わりにマネジメントすることはよくある
- 相性悪い人のマネジメントをしたくない
- 「マネジメント経験しました」と語れる実績より優秀な人と働ければその人をマネジメントする必要がない
- 最も良いマネジメントはマネジメントしないこと
- いかに仲間を上手に指揮して動かすかではなくいかにマネジメントしなくていい環境を作るかに注力すべき
■ 9. 意思決定と契約継続
- 意思決定について:
- 関わりにくく社員の人ほど重要な人が集まるMTGには突っ込まれない
- 心血注ぎたいプロダクトに出会ったときに社員になればいい
- 意思決定に関わりたいなら個人開発すればいい
- 個人開発をした経験は案件で関わったプロダクトより自身を持って技術選定やこだわりポイントを語れる
- ある種の営業力強化になる
- 契約継続について:
- すぐ切られるかは人による
- 6年以上同じ現場にいる人もいれば1ヶ月持たず即契約終了される人もいる
- 雇用形態的に切りやすいのは事実だが働きやすくチームにプラスになるメンバーを予算の都合がない限り簡単には切らない
- 切られてしまうならそれはあなたの目利きが悪かった
- この世は等価交換でギブとテイクがマッチする会社を探すべき
■ 10. フリーランスの推奨と戦略
- 20代から30代前半にこそフリーランスを一度くらいは経験するべき
- 早期に複数社の現場経験ができることで多種多様な現場のコードを見ることができる
- コードリーディングがエンジニアにとって一番大事で自分のコードや設計の多様性を広げることに繋がる
- 「3年で1社」と「3社を1年ずつ」では後者の方がエンジニアとしての成長を実感するという経験則
- 労働基準法に守られない立場で数年ワーカホリックに働くという経験をしたからこそ同年代よりは少しいい生活ができている
- スキルフルになってからでないとフリーランスになるのは怖いでは既に今のAIトレンドの時代では遅いこともある
- 雇用形態にかかわらず自分のやりたいプロダクト単位で仕事を選べる力をつければ雇用形態は二の次
- フリーランスになったらできればエージェントを使わずに直契約できる会社を探すという経験もしたほうがいい
- エージェントの問題点:
- 企業の手数料が35%からと高額
- フロントの営業マンの技術理解力はエンジニアほど高くない
- 要望を言ってもマッチする案件が来る可能性は自分で探すより低い
- エージェントガチャもある
- エージェントのフォローがなくても案件を獲得できるという成功体験はAIによるジュニアからミドルエンジニア供給過多問題を乗り越えるために必要かもしれない
- 中間マージンも減ってお互いWin-Win
■ 11. まとめ
- チャンスはあり参画する案件とあなたの能力次第
- フリーランスは本来先行して身につけるべき能力は営業力
- あなたの単価は任されるチャンスの範囲
- 雇用形態関係なく「人としての相性」がまず大事
- エージェント使わずに直契約取れるかチャレンジ