■ 1. 概要
- タイトル: 生成AIでスクラムによる開発はどう変わるか
- 登壇者: 吉羽龍太郎(株式会社アトラクタ CTO・認定スクラムトレーナー)
- 日時: 2025年10月17日
■ 2. 生成AI導入の現状
- 調査回答者の90%が仕事でAIを利用
- 80%以上が生産性向上を実感
- AI導入はもはや検証段階でなく利用しないことがマイナスな状況
■ 3. 従来のスクラムにおける時間配分
- 実装作業が律速要因
- スプリントの時間配分は開発作業の最大化を優先
- スクラムイベント・リファインメント・事務作業を最小化する構造
■ 4. 生成AIによるボトルネックの変化
- 実装時間の激減:
- 調査・実装・テスト支援が大幅短縮
- ボトルネックの移動:
- 実装から「事前のドキュメント化」と「事後の検証」へシフト
■ 5. ドキュメント中心化
- AIは「考えを想像」しないためテキスト化されたドキュメントが必須
- 詳細化が重要なドキュメント:
- プロダクトバックログ
- スプリントゴール
- 完成の定義
- アーキテクチャー
- コーディング規約
- ドキュメント化のコツ:
- 前提条件・入力・出力を具体化
- 例と反例を示す
- 参照先を紐付ける
- 用語の一貫性を保つ
■ 6. チーム構成の変化
- モブプログラミングへのシフト:
- 並列作業の必要性が低下
- 小チーム化:
- コミュニケーションコスト削減
- 合意形成の高速化
- ドメイン分割による複数小チーム構成が有効
■ 7. スクラムイベントの変化
- スプリント期間:
- 従来は1〜2週間が一般的
- 実装が速くなり1週間以下も可能
- スプリントプランニング:
- 詳細化のタイミングを遅延可能
- スプリント中のモブ作業で詳細化
- スプリントゴール:
- 短期化に伴い重要性が増加
- 明確なテーマで集中促進
- デイリースクラム:
- モブ化で常時スクラムの状態
- 形式的イベントの重要性が低下
- スプリントレビュー:
- ステークホルダー参加頻度がボトルネック化
- AIを前提とした期待値調整が必要
- スプリントレトロスペクティブ:
- AI活用方法の改善が常時テーマ
- 実験・検証が定常化
■ 8. プロダクトバックログアイテムの変化
- 粒度:
- 1スプリント単位でなく「AI入力単位+検査容易性」で設計
- 見積りの意味低下:
- 実装時間の不確実性低減でベロシティ計測の重要性が減少
- 受け入れ基準の詳細化:
- テストケースなどを先行検討
■ 9. 現場の課題
- 説明責任:
- AIに責任を委譲しない
- 決定と根拠をドキュメント化
- 完成の定義に説明可能性を含める
- 品質管理:
- 入力品質とベースコード品質が出力を決定
- レビュー・ガイドライン・テンプレートの重要性向上
- 検査と適応の頻度を上げる
- 人材育成:
- AI活用でコーディング経験機会が激減
- シニアエンジニアの育成パイプラインが危機的
- 組織的なスキル投資が必須
■ 10. まとめ
- スプリント短期化とドキュメント優先
- 見積りより内容の合意を重視
- AI活用方法の継続改善
- 品質維持の仕掛けの整備
- 透明性・検査・適応の不変性
- 学習への継続投資