■ 1. TSKaigi 2026 でのAI生成スライドの観察
- TSKaigi 2026(5/22〜5/23)に参加し、体感6割の発表スライドがAI生成と見られた
- 前年には見られなかった現象であり、スライド生成ツール(Claude Design・Google Slides・Genspark等)の台頭が背景にある
- AI活用意識の変化やスライド生成スキルの普及も一因と考えられる
■ 2. AI生成スライドの特徴
- 視覚的特徴:
- ダッシュ(―)が多用される
- 会場規模に対して文字が小さすぎる
- 文字やイラストをギチギチまで詰め込む
- 複数カラム構成が多い
- 見出しに日本語・英語が併記される(例: 「型安全な書き方 ― Type-safe coding」)
- 絵文字が多用される
- 文章との関連性が不明なイラストが含まれる
- 1文内で色分けが施される
- 全体として装飾過多であり、目が滑りやすく読みにくい
- 装飾によるスペース圧迫が文字サイズの縮小を招き、読みにくさを悪化させている
■ 3. 本質的な問題
- AIが生成した台本通りに発表している印象の登壇者がいた
- 内容を理解していない様子で言葉に詰まる場面や、メリハリ・熱量のない発表が見られた
- 聞き手ではなく、資料作成の手間削減にのみ目が向いている
- AI生成スライドを手直しせずにそのまま発表することが問題の本質
- 時間的制約はあるものの、聞き手が満足できる発表を目指すべき
■ 4. 今後の対応策
- 登壇者:
- 聞き手を意識した資料作成を行う
- AIはプラスの成果を出すために使うという心構えを持つ
- 自分が本当に伝えたいことを資料に込め、AIの出力をそのまま使わない
- セルフレビューや発表練習を行う
- コミュニティ全体:
- 良いAI活用方法(アウトラインのブラッシュアップ、コードサンプル生成、雛形作成など)を周知する
- 技術イベント向けの適切な文字サイズのスライドテンプレートを整備・活用する
- 企業:
- 社内で登壇資料のレビュー体制を構築し、良い資料の書き方を伝授する
- スライド生成サービス・スキル:
- 現在の生成物は提案資料向けの特性(装飾多用・小文字)があり、技術イベント向けの改善が求められる
- 技術イベントでは資料の印刷配布がなく会場も大きいため、大きな文字が好まれる
- イベント主催者:
- ベストトーク賞を設置し、登壇者が良い発表を目指す意識づけを促す