■ 1. Gartnerの予測概要
- 2026年に開始されるメインフレーム離脱プロジェクトの70%超が、意図した利益を生み出せずに終わるとGartnerが予測
- 主因は、複雑なレガシーコード変換・移行における生成AIの能力を過大評価する傾向
- 市場が訴求するAIによる効率化の内容と、実際の現場で発揮できる能力との間にギャップが拡大している
■ 2. 失敗リスクを高める要因
- 投資家からの強い圧力により、ベンダーは成果改善への寄与が不明確でも自社製品にAIを組み込む方向へ誘導される
- メインフレームアプリケーションは基幹業務を支えるため、移行失敗時の影響が甚大
- メインフレームに熟練した人材が減少しており、計画不足の離脱戦略を選択するリスク環境が形成されている
■ 3. 失敗がもたらす影響
- 誤った判断はコスト超過にとどまらず、基幹業務の停止など事業継続に直接的な影響を及ぼす可能性がある
- 全課題をAIで一括解決しようとする離脱策に依存する組織は、重大な技術的負債を抱え、企業全体を深刻な障害にさらす危険がある
- プラットフォーム志向の戦略(ワークロードを適切な環境に割り当てる方針)を採る組織との間に格差が生じる
■ 4. 市場への影響
- 2030年までに、メインフレーム離脱市場で事業展開するベンダーの75%が事業モデルを転換するか、事業継続を断念するとGartnerは予測
- 市場の期待が修正され、あらゆる環境に適用できるとうたう移行ソリューションへの需要が低下する見込み
■ 5. メインフレームを継続利用する合理性
- IBMによる継続投資が、メインフレームを現代的プラットフォームとして維持する基盤となっている
- 独立系ソフトウェアベンダー(21CS、BMC Software、Broadcom、Rocket Softwareなど)の存在が市場を支える
- マネージドサービスプロバイダー(DXC Technology、Global Technology Solutions Group、Kyndrylなど)もプラットフォームの戦略的価値を補強
■ 6. 規模別の推奨戦略
- 複雑な環境全般:
- 生成AIは、プラットフォーム外への移行を急がせる手段ではなく、既存環境内での近代化を支援する手段として活用する方が有効
- 中規模メインフレーム環境:
- 既存投資の最適化を軸に据えることが基本方針
- 完全なプラットフォーム離脱は、個別に妥当性を見極める必要がある
- 全面的な離脱は高リスクの変革を伴い、望ましくない結果に終わる場合が多い
- 小規模メインフレーム環境:
- メインフレーム・アズ・ア・サービス(MFaaS)を費用対効果の高いホスティング戦略として検討
- 古いサードパーティー製ソフトウェア(ISVソリューション)の置き換えを推奨
- 投資対効果が見込める範囲に絞ったプラットフォーム内近代化に集中すべき