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DeNA会長・南場智子のAI活用術5選がヤバかった

要約:

■ 1. AIを「便利な調べもの相手」として使う限界

  • AIを文章要約、アイデア出し、壁打ちに使うことは便利だが、誰でもできる使い方にすぎない
  • AIの本当の価値は別のところにある
  • DeNA創業者で2024年に自らCEOに復帰した南場智子会長は、元マッキンゼーのコンサルタントでスピードと論理を武器に会社を率いてきた経営者である
  • 南場氏は現在、全社を挙げてAIに賭けている
  • 本記事では、南場氏の発言やDeNAの取り組みから見えるAI活用の型を、実務に落とし込める形で5つ紹介する

■ 2. なぜ「便利ツール」で終わってしまうのか

  • 多くの人はAIを「賢い検索エンジン」として使っている
  • 質問を投げて答えをもらうだけの使い方は、AIを単なる情報の自動販売機にしている
  • DeNAは2024年、AIを事業成長の柱の一つに据えると公式に打ち出した
  • 南場氏はメディアのインタビューで、AIを一部の専門部署のものにせず、全社員が日常業務で使いこなす前提で動くと語っている
  • AIは「たまに頼る道具」ではなく「仕事の土台そのものを組み替える存在」という捉え方である
  • AIを検索の代わりに使う人と、意思決定の速度を上げる装置として使う人との間には大きな差が生まれる

■ 3. 南場流の本質はどこにあるのか

  • 南場氏のAI活用を貫くものは大きく2つある
  • 1つ目は「スピード」である:
    • 判断を止めない
    • 叩き台を待たない
    • AIに0を1にさせ、人間は1を10にする役割に回る
  • 2つ目は「トップ自ら手を動かす姿勢」である:
    • 経営者が号令だけかけて現場に丸投げするのではなく、まず自分が使い倒す
    • その結果、全社に浸透する

■ 4. 手法1: 叩き台生成で「0から考える」時間をゼロにする

  • 資料作り、企画書、メールの下書きといった作業で一番時間を奪うのは「内容を考える」ことではなく「白紙から最初の一行を書き出す」ことである
  • この工数を奪う一歩をAIに肩代わりさせる
  • 南場氏が重視するスピード経営の発想は、この点に直結する
  • AIへの指示例:
    • 「新規事業の企画書の骨子を作って。ターゲット、課題、解決策、収益モデルの4項目で、それぞれ3行ずつ」
  • まず粗い骨子を30秒で出させる
  • そこから人間が「この課題設定は甘い」「収益モデルはこう変える」と赤を入れていく
  • AIに0を1にさせ、人間が1を10に磨くという役割分担を逆にしてはいけない
  • AIの最初のアウトプットに完成度を求めず、60点で構わないとする
  • ゼロから60点までの一番しんどい部分をAIに任せることが速さにつながる

■ 5. 手法2: 壁打ちの高速反復で「一人ブレスト」を卒業する

  • アイデアを一人で練っていると視野が狭くなる
  • そうしたときはAIを「反論役の壁打ち相手」として使う
  • 元コンサルタントの南場氏は論理の穴を突く思考を得意としてきており、その役割をAIに担わせる
  • ただ意見を求めるだけでは足りず、役割を指定する
  • AIへの指示例:
    • 「今から私の企画に、投資家の立場で厳しく反論して。甘い前提を3つ指摘して」
  • この指示によりAIは賛同者ではなく批判者になる
  • 返ってきた反論にさらに再反論する往復を5回繰り返すだけで、企画の穴は驚くほど埋まる
  • コツは視点を切り替えることである:
    • 「顧客の立場で」「競合の立場で」「経理の立場で」と役割を変えれば、一人で複数人の会議を回せる
  • AIの反論を鵜呑みにせず、あくまで論点を洗い出す装置として扱い、最終判断は人間が握る

■ 6. 手法3: トップダウン導入で「使う文化」を自分から作る

  • これは個人技ではなく組織への広げ方の話である
  • AIツールを会社で導入しても現場が使わないのは、上が使っていないことが理由である
  • 南場氏の姿勢が示すのは、トップ自らが日常で使い倒すという原則である
  • 経営者が「AIで作った叩き台をベースに議論しよう」と言えば、現場は一気に動く
  • 個人に置き換えても同じであり、まず自分自身が毎日の小さな業務でAIを開く習慣を作る
  • 習慣化の例:
    • 「メールの返信は、まずAIに下書きさせてから書く」
    • 「会議の議事録は、AIに要約させてから清書する」
  • 1日3回、AIを起点にする業務を固定する
  • 号令ではなく率先が重要であり、使う人が増える組織はいつもトップが一番使っている
  • この習慣化が一番地味で、一番効く

■ 7. 手法4: 業務プロセスの再設計でAIを前提に仕事を組み替える

  • 多くの人は既存のやり方の「一部」をAIに置き換えようとするが、それでは効果は限定的である
  • 南場氏がDeNAで進めているのは、AIを「後から足す」のではなく、業務そのものをAI前提で組み直す発想である
  • 実践手順:
    • 自分の1週間の業務を書き出す
    • それぞれに「これはAIに任せられるか」と問いを立てる
    • 調査、要約、翻訳、下書き、分類の5つに当てはまる作業は、ほぼAIに寄せられる
    • そのうえで業務の順番を組み替え、人間が最初に動くのではなくAIが下ごしらえをしてから人間が仕上げる流れに変える
  • 具体例として、Gmail、音声入力、AI整形の組み合わせにより、移動中に話した内容がそのまま整った文章のメールになる
  • 「考える作業」は人間が、「整える作業」はAIが担うよう分けることで、一日の可処分時間が変わる

■ 8. 手法5: 学習の高速化で「わからない」を放置しない

  • 経営者は日々知らない領域に直面する
  • 南場氏の強みの一つは圧倒的な学習スピードだと評されてきた
  • 知らない言葉が出てきたら、その場でAIに聞く
  • 聞き方の工夫として、まず概要を平易につかむ:
    • 「この技術を、中学生にもわかるように、身近な例えで説明して」
  • そのうえで実務判断に掘り下げる:
    • 「では、この技術のビジネス上のリスクを3つ挙げて」
  • 易しい理解から実務判断まで一気に登る
  • これは経営者だけの話ではなく、会議で飛び交う専門用語や上司が使う業界のジャーゴンについても、その場でAIに聞けば置いていかれずに済む
  • 「わからない」を翌日に持ち越さないことで、学びの速さがそのまま仕事の速さになる
  • 注意点として、AIの説明を最終的な事実として鵜呑みにせず、概要をつかんだら一次情報で裏を取るという一手間は残す

■ 9. 「経営者の話でしょ」と思った方へ

  • 今回挙げた5つの手法に、特別な予算も専任チームも不要である
  • 叩き台を作らせる、反論させる、習慣化する、プロセスを組み替える、その場で学ぶという行動は、すべて無料のAIと今日から始められる
  • 南場氏の使い方が優れているのは、高価なツールを持っているからではなく、「スピード」と「自ら手を動かす姿勢」という誰でも真似できる原則を徹底しているからである

■ 10. まとめ

  • AIを「便利な調べもの相手」として開いているうちは、その実力の半分も引き出せていない
  • 南場流のAI活用を貫くのは、判断を止めないスピードと、トップ自ら使い倒す姿勢である
  • 叩き台を作らせ、反論させ、習慣にし、プロセスを組み替え、その場で学ぶという5つの手法がある
  • AIを検索の代わりではなく、判断と学習の速度を上げる装置として使うことに、南場流の本質がある
  • 今回紹介した5つの手法は、今日からスマホ1つで試すことができる