■ 1. AIによるOSS衰退論の問題点
- AIによってOSSが消える・大きく衰退するという主張は解像度が低く、ゼロイチ思考に陥っている
- AIで自前にSAPやSalesforceを作って社内運用できるという発想と同様に非現実的であり、少しAIを触れば素人でも容易に分かる
- この種の「〇〇は死んだ」論は定期的に繰り返し出現する
■ 2. AIはコピペを加速させたにすぎない
- 筆者はウェブ制作のバイト時代にgulp/webpack/Node.jsを使っていたが、内部のlibuv・epollを知らなくても開発できた
- Qiitaでコードをコピペすればモノが作れたように、AIはそのコピペを加速させたにすぎない
- 元記事は「依存関係への意識の低さがOSSの不可視的衰退を招く」と主張するが、現代では人間がすべての依存関係を理解することはすでに不可能に近く、その定義に従えば衰退はすでに完了している
■ 3. オーダーメイド開発という発想の誤り
- 現代のAI環境でNode.jsやgulpをゼロからAIに作らせるという発想は生まれない
- むしろAIに現代で最良のパッケージを調べさせる方向に向かう
- コンピューターのあらゆるものが複数のレイヤーで構成されているという事実を忘れた発想
- AI coding agentがbashコマンドの実行やファイルの読み書きを行えるのは、長年にわたって合意されたAPIが存在するから
■ 4. 今後残るOSSの条件
- 残るOSS:
- ドメイン的・システム的・歴史的経緯などの複雑さを適切に抽象化したインターフェイスを提供するもの
- 例: libuv、epoll
- これらのプリミティブが存在するからこそ、AIは高速に開発できる
- 消えるOSS:
- 上記の条件を満たさない個人開発の小規模ツール的なOSS
- これらが消えても誰も困らない