■ 1. 西和彦によるOS開発の主張
- 草創期のマイクロソフトでOS開発の是非が議論になった際、西和彦は開発を強く主張した
- 西はいずれOSの上にワープロや計算機が載り、OSがパソコン全体のあり方を決める時代が来ると考えていた
- IBMの意向通り短期間でOSを開発することは容易ではなかった
- 西には秘策があった:
- 米国の別会社が開発していたパソコン用OSの権利を買い、マイクロソフトで改良する案
- この方法であればIBMの期限に間に合わせられると考えた
- 西は「零戦だって作り直している、とりあえずそれで作って何度でも作り直せばいい」と説得した
- ゲイツらはこの説得を受けてOSの自社開発を決断し「MS-DOS」を完成させた
■ 2. MS-DOSの普及とマイクロソフトの拡大
- MS-DOSはIBMのパソコンに搭載され爆発的に普及した
- マイクロソフトはOSで世界標準の座を獲得した
- MS-DOSは後の「ウィンドウズ」へと受け継がれた
- 西の主張をきっかけに、マイクロソフトは「OSの巨人」としての道のりを歩むようになった
- 1980年代、ゲイツと西はパソコンメーカーにOSを供給することでマイクロソフトの「ソフトウェア帝国」を拡大した
- 1983年、西が創業したアスキーとマイクロソフトはパソコンの世界共通規格「MSX」を打ち出し世界的に注目を集めた
- 2人の蜜月関係がこうした協業を支えていた
■ 3. 2025年設立50周年夕食会でのやりとり
- 2025年4月、マイクロソフト設立50周年の夕食会が開かれた
- 夕食会の前、西は昔の写真を見ながらビル・ゲイツに語りかけた
- 西の発言内容:
- 自身はアップルのスマホを使わず、米国モトローラのスマホを使っている
- そのためOSはアンドロイドになっている
- このスマホを触るたびになぜOSがウィンドウズじゃないのかと思う
- 自分がそう思うのだから、ゲイツはもっとつらいはずだと述べた
- ゲイツは「そうだな」と悔しそうにうなずいたという
■ 4. 西とゲイツの違いと決別の火種
- 西とゲイツは「二卵性双生児」と呼ばれるほど考え方が似ていた
- パソコンに関しては一つの大きな違いがあった:
- 西はハードとソフトの両方を組み合わせ「理想のパソコン」を作ることに関心があった
- ゲイツは「ソフトに集中すべきだ」という考えでハードには興味を示さなかった
- この方向性の違いが後に2人の関係を修復不能な状態まで悪化させることになった
- 火種になったのは「半導体」だった