■ 1. RED-ONIONの構築
- 次世代データ転送基盤の共同構築:
- 大阪大学D3センター、同大学産業科学研究所、NECの3者による共同構築
- ゲノムや医療データなど厳格な管理が求められる機微データを対象とする
- 機微データを安全かつ超高速に転送する基盤として「RED-ONION(レッド・オニオン)」を位置づける
- 2026年10月からの試験運用:
- 大阪大学吹田キャンパス内で試験運用を開始する
- 実験設備とスパコンの直結:
- 研究現場の実験設備とスーパーコンピューターを直結する
- 日本の学術研究における「AI for Science」を強力に推進する
■ 2. 背景にある課題
- 研究データ量の爆発的増加:
- 実験装置や計測機器の進化、AI技術の発展が背景にある
- 実験室と計算システムの分断:
- 大容量データを日々生成する実験室と、分析やシミュレーションを担う高性能計算システムが物理的、組織的に離れて設置される
- 多くの大学や研究機関で同様の状況が生じている
- 研究開発上のボトルネック:
- 機密性の高い大容量データを迅速かつ安全に移動させ、計算資源と連携させることが大きな障壁となっていた
■ 3. 技術構成と性能
- 100Gbps級の専用光ファイバー接続:
- 産業科学研究所とD3センターを専用光ファイバーネットワークで接続する
- 専用エンジンによる一括制御と並列実行:
- ネットワークやサーバー内のデータ処理を専用エンジンで一括制御する
- 処理を並列実行することでディスク間の大容量データ転送を劇的に高速化する
- 1TBを約90秒で転送:
- 1TBの研究データを約90秒で転送できる見込みである
■ 4. 研究フローへの効果
- 機微データの即時収容:
- 産業科学研究所で生成された機微データを即座に安全に収容する
- 収容先はD3センター内のスーパーコンピューター「SQUID」「OCTOPUS」、クラウド基盤「mdxII」など
- 双方向連携のシームレス化:
- 高性能な計算システム上でAI処理やシミュレーション解析を瞬時に実行する
- 解析結果を再び研究所へ送り返す双方向の連携が実現する
■ 5. 今後の展開
- 運用範囲の順次確定:
- 10月からの試験運用を通じて、対象となるデータ種別や運用範囲を順次確定させる
- インフラ拡張の展望:
- 将来的には大阪大学内の他部局や、ほかの研究機関へのインフラ拡張を見据える
- NECによるソリューション化:
- 共同開発で培った超高速データ転送技術を「NEC Ultra-high-speed Data Transfer System(NEC UDTS)」として独自ソリューションに昇華させる
- 価値創造モデル「BluStellar」の枠組みの中で、国内外の大学、研究機関へ広く社会実装する方針である