■ 1. AI Native Factoryの概要と成果
- AI Native Factoryとは:
- NECグループの社員12人の会社で、社長は石川竜矢氏
- 2026年4月に営業を開始し、10月5日の説明会で半年間の取り組みを公表
- エンジニアのアウトプット:
- 設計書、プログラム、テスト結果、テストケースを人間は書かない
- エンジニアに必要なアウトプットは基本的にAIが作成
- 自社ソフトウェア製品の開発事例:
- 従来なら7人で1年ほどかかる規模の開発を、エンジニア1人とAIで約1カ月で進行
- 生産性は80倍前後に相当
- 公共分野のアプリケーション開発事例:
- エンジニア1人が1カ月かけて書く約2000行のプログラムを、AIが2〜3時間ほどで生成
- 人月に代わる料金体系の模索:
- AIによる開発工数の削減を受け、従来の人月に代わる料金体系を探っている
■ 2. AIネイティブの開発手法
- AIアシストとAIネイティブ:
- AIアシストは、従来の仕事のやり方を残したままAIに手伝わせる使い方
- AIネイティブは、AIを中心に据えて人間が監督者に回る使い方
- AI Native FactoryはAIネイティブを採用
- 開発の進め方:
- 顧客の要件をAIに渡し、設計、開発、テストの大半を任せる
- RFPだけでなく、オンライン会議の文字起こしから開発を始めることもある
- 情報が不足していればAIから質問が返ってくる
- 人間は序盤で進め方をすり合わせ、出来上がった成果物を確認する
- 夜間・週末の稼働:
- AIは夜間や週末も動かせる
- 土日にAIを動かしておき、朝起きて作業の完了を確認するといった運用が可能
■ 3. 生産性と品質の課題
- 80倍前後という数値の前提:
- 従来なら7人で1年ほどかかるという経験則に基づく比較
- 既存システムでの限界:
- 長年改修されてきたシステムでは、設計書とプログラムの食い違いがAIにとってノイズになる
- その結果、品質が上がらなかったケースもあった
- 品質指標の模索:
- 従来は開発規模や不具合件数などを基に品質を評価してきた
- AIが開発の中心を担う場合は新たな指標が必要
- 不具合からの復旧時間なども含めて検証を進めている
- 今後の方向性:
- AIの進化に合わせて人間の作業や介入をさらに減らしていく
- 最終的なリリースの判断と責任は人間が担う必要がある
■ 4. 人月の次の料金体系
- 人月モデルの揺らぎ:
- SI業界では長く、人数に作業期間を掛けた人月が見積もりや価格設定の重要な尺度だった
- 7人で1年の仕事を1人とAIで1カ月で進められるなら、その前提は大きく揺らぐ
- 料金体系の現状:
- 具体的な料金体系は非公開
- 現時点で人月に代わる料金体系を実現できている状態ではない
- 価値に応じた対価の仕組み:
- システムが生む価値に応じて対価を受け取る仕組みもまだ確立できていない
- 一方的に導入しても、買い手である顧客や市場に理解されなければビジネスとして成り立たない
- 移行の議論:
- 人月に代わる料金体系への移行方法は社内で議論を継続中
- 率直に言えば、まだ組み立て中の段階
■ 5. NECとの役割分担
- 顧客案件の流れ:
- NEC側の営業やSEが要件をまとめ、AI Native Factoryに渡すケースがある
- AI Native Factoryは設計書、ソースコード、テスト結果などをまとめて返す
- NEC側が確認して顧客に納める
- 従来SIとの共通点:
- NEC側から見た関係は、従来のグループ内協力会社との開発に近い