■ 1. 調査の概要
- 調査主体と発表日:
- NTTデータビジネスブレインズが2026年8月18日に発表
- テーマは営業事務におけるExcelやGoogle スプレッドシートの属人化
- 調査方法:
- 対象は営業事務の経験が3年以上ある全国の実務担当者221人
- 2026年7月3~4日にインターネットで実施した自社調査
- 有効な回答だけを集計
■ 2. Excel・スプレッドシートへの依存
- 営業事務での使用率:
- 「ほとんど使用している」48.4%、「一部は使用している」43.4%で合計9割超
- 「使用していない」は8.2%にとどまる
- 業務を支える基盤としての位置付け:
- 見積書・請求書の作成、受発注処理、顧客データの入力・管理を支えている
- 裏を返せば、不具合や属人化が生じると業務全体に影響が及びやすい構造
■ 3. 謎のマクロ・関数とマニュアルのないファイル
- 謎のマクロや複雑な関数の解読・修正に苦労した経験:
- 「たまにある」52.1%、「よくある」12.1%で合計64.2%
- 「あまりない」26.3%、「全くない」9.5%
- 担当者交代で残るブラックボックス:
- 異動や退職のたびに、目的不明の数式やマクロだけが残る
- 後任者は手探りで解読することになる
- 修正すると動かなくなる恐怖から、誰も手を付けられないファイルも少なくない
- マニュアルのないファイルの「だましだまし」運用:
- 「たまにある」49.5%、「よくある」12.6%で合計約6割
- 正しい使い方が分からないまま運用されがち
- 入力ルールが不統一のまま蓄積されたデータは、後の集計・分析時に大きな手直し負担を生む
■ 4. 特定担当者への業務集中
- 自分や特定の担当者が休むと業務が回らないという感覚:
- 「時々感じる」43.7%、「常に感じる」8.6%で合計52.3%
- 「あまり感じない」31.5%、「全く感じない」16.2%
- 属人化がもたらすリスク:
- その人にしか分からないファイルや業務があると、急な休みや退職時に業務が滞る
- 特定の担当者の負担を増やすだけでなく、組織全体の業務継続性を脅かす
■ 5. 改善に着手できないジレンマ
- 定型業務に忙殺され改善できないジレンマ:
- 「やや感じる」56.5%、「強く感じる」15.5%で合計約7割
- ジレンマが続く影響:
- 問題に気付きながら、改善に着手する時間的・心理的な余裕がない
- この状態が続く限り、非効率な業務フローは温存され続ける
■ 6. 複数人での共有・編集時の不便
- 不便に感じること(複数回答):
- 最多は「『読み取り専用』になり作業が中断する」33.2%
- 次いで「最新版がどれか分からなくなる」30.6%
- 「関数が入っているセルがわかりにくい」28.6%、「コピペで書式が崩れる」25.0%
- 「特に不便を感じることはない」は15.8%にとどまる
- 不便が生じる背景:
- 同時編集非対応のファイルでは、誰かが開いている間は他の人が編集できず作業が止まる
- メールやチャットでのやりとりを重ねるうちに、最新版が分からなくなることも珍しくない
■ 7. ファイルの重さによる時間損失
- フリーズや強制終了で時間を奪われる頻度:
- 「月に数回」23.7%、「週に数回」21.1%、「ほぼ毎日」8.8%で合計半数超
- ファイル肥大化の影響:
- 案件数や取引先が増えるほどファイルサイズは肥大化する
- フリーズ待機や再起動によるやり直しは時間のロスにとどまらない
- 直前まで入力していたデータが失われるリスクも伴う
■ 8. 残業・持ち帰り作業の発生
- 1カ月当たりの残業・持ち帰り作業時間:
- 最多は「発生していない」43.8%
- 「1~5時間未満」20.8%、「5~10時間未満」18.2%
- 「1時間未満」12.5%、「10時間以上」4.7%で、発生している層は合計半数超
- 個人への負担の蓄積:
- 月5時間以上の層が2割を超える
- 定時内に終わらない作業のしわ寄せが、担当者個人の負担として蓄積している可能性がある
■ 9. 手作業によるデータ処理の負担
- 対象となる作業:
- 複数のファイルやシステムからのコピペ・転記・集計
- 表記ゆれの手直し、壊れた関数の修復、エラーの原因究明
- 1カ月当たりに費やす時間:
- 最多は「1~5時間未満」28.3%
- 「作業は発生していない」25.0%、「1時間未満」24.5%
- 「5~10時間未満」17.9%、「10時間以上」4.3%
- 7割以上が何らかの形でこうした作業に時間を費やしている
- 見えにくいコスト:
- 分散したデータを人力でつなぎ合わせる作業はミスが起きやすい
- 原因究明にも時間がかかり、見えにくいコストとして積み重なる
■ 10. 結論:データベースによる業務管理への転換
- 構造的な課題:
- 作成者不明の関数・マクロ、マニュアルのないファイルの運用が該当
- 特定担当者への業務集中、複数人での共有時の不便さも該当
- いずれも個人の努力や工夫だけでは根本的に解決しづらい
- 転換を検討すべきタイミング:
- 多くの担当者が改善の必要性を感じつつ着手できないジレンマを抱えている
- 今こそファイルではなくデータベースとして業務を管理する仕組みへの転換を検討すべき