■ 1. AskerとGuesserの概念の起源
- 2007年1月16日にウェブ掲示板で書かれたコメントがきっかけで生まれた分類
- 頼みごとや交渉の場面で同じ言葉でも受け取り方が食い違い気まずさや不満につながる現象を説明する枠組み
- AskerとGuesserという2類型にわける考え方
■ 2. 元々の相談内容
- 投稿者の状況:
- ニューヨークの2ベッドルームの小さなアパートに居住
- パートナーの遠い知人から再度長期滞在の申し出を受けて困っている
- 相手の依頼内容:
- 投稿者夫婦の家に泊めてもらえないか
- 日中は外出していて邪魔にならないはず
- 日程は柔軟に調整できるので可能性があるか教えてほしい
- 投稿者の認識:
- その女性とほとんど面識がない
- パートナーも好意的ではない
- 相手は粘り強く連絡してきた
- 頼みごとをするならまず近況を伝えて相手からの申し出を待つのが筋
- 直接宿泊を打診するのは厚かましく感じる
- 前回の対応:
- 転職直後で忙しいなどの理由を並べて逃れた
- 状況が変わればまた頼まれる前例になってしまう
- 今回の対応方針:
- 決定的な線引きをしたい
- 鍵が複製できないなどの口実を挙げる
- 理由を言わずにそれは無理ですとだけ伝える方法を検討
- 妻がはっきり断りにくい性格であることも含めて掲示板に相談
■ 3. tangerine氏の分析
- この問題の核心はAsk Culture質問文化とGuess Culture推測文化の衝突だとコメント
- Ask Cultureの特徴:
- どんなことでも頼んでよい
- 答えがノーでも当然だと考える
- Guess Cultureの特徴:
- 相手がイエスと言う確度が高いときだけ頼みを言葉にする
- その前にそれとなく反応を探ることが重要
- 投稿者はGuesserで依頼してきた相手はAskerだろうと見立てた
- Guesserの作法は同じ作法を共有する限られた範囲では機能する
- 家族や友人や所属集団から離れるほどAsker的に振る舞う必要が増える
■ 4. Guesserの行動パターン
- 相手に負担をかけないように気持ちや余裕をそれとなく確かめる
- こちらから頼みを口にしなくても相手のほうが空気を読んで自発的に言ってくれることを期待
- 相手の言葉が本当に歓迎の気持ちから出たものなのか社交辞令として断りにくくて言っているだけなのかは外からは分かりにくい
- 相手の本音を損なわないように見極めたうえで甘えてよいかどうかを慎重に判断しなければならない
■ 5. AskerとGuesserの相互認識
- Guesserから見たAsker:
- Ask Culture側からの直接の依頼が図々しく感じられる
- 怒りや不快感操作された感覚につながりやすい
- Askerから見たGuesser:
- Guess Culture側の振る舞いは一貫性がなく受け身で攻撃的にも見える
■ 6. Oliver Burkeman氏の見解
- どちらが正しいかという単純な話ではない
- AskerとGuesserが出会うと不快なすれ違いが起きやすい
- 職場での例:
- 上司が締め切りの前倒しを頼んだとき
- Askerは断られる可能性を織り込んだ依頼として言っている
- Guesserは期待や命令として受け取ってしまうかもしれない
- 文化的な指摘:
- イギリス人やアメリカ人はGuess Cultureの日本ではビジネスに戸惑う
- 逆にロシア人を無礼に感じやすいのはロシア人が強いAsk Cultureだから
■ 7. Julian Sanchez氏の見解
- Guess Cultureの丁寧で遠回しな態度は意図的にあいまいさを保つための方法であることが多い
- 親密さが中間的な関係では距離感がまだ確定していない
- そこで直接頼みすぎると関係に白黒をつけるよう迫る形になって無礼に見えることがある
- 親しい友人や見知らぬ相手のように関係の位置づけがはっきりしている場合はより直接的な頼み方で動くことが多い
■ 8. Jonathan Chait氏の見解
- Guesserが間違いでAskerが正しいと断言
- 頼むことで初めて頼む側が何を望み受ける側が何を引き受けられるのかが確かめられる
- 推測に頼る文化は不満の温床になるという立場
■ 9. Austin Frakt氏の見解
- 頼む側がイエスやノーの返答をどれほど必要としているかは時期によって変わる
- 受ける側もその時々で応じやすさが変わる
- ある場面ではAskerとして振る舞い別の場面ではGuesserとして振る舞うのは合理的だという考え方