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ロシア・ウクライナ戦争とナショナリズム

西欧コンプレックスを克服することはロシアにとって難しい課題です。西欧と比べてロシアには独自性が欠けている、というある種のコンプレックスに起因するトラウマは、歴史の中で繰り返されてきました。西欧近代と資本主義を否定し、新しい普遍性を打ち立てようとした共産主義運動は、当初は西欧対非西欧という分断を乗り越えようとするものでしたが、結果的には、冷戦構造の中で欧米との対立関係に囚われてしまいました。西欧に憧れるか、あるいはそれに反発して民族の伝統や宗教に回帰するか、という19世紀以来の構図が結局はソ連時代のロシアでも繰り返され、やがてソ連崩壊の一因となりました。