■ 1. 記者会見での対応
- 参政党の主張: 参政党は、参院選期間中に妨害行為に関与したとして、神奈川新聞の記者を定例記者会見から退出させた。この行動は、会見での混乱を避けるためだと説明した。
- 毎日新聞の批判: 毎日新聞は社説で、参政党の対応を「説得力を欠く」と批判した。報道の自由と国民の知る権利を軽んじ、恣意的にメディアを選別する振る舞いは許されないと結論付けた。
■ 2. メディアの「姿勢」と少数政党
- 説得力と信頼性: メディアが自社の「説得力」を主張する一方で、その「説得力」の有無を誰がどのように決めるのかという疑問がある。このメディアの姿勢こそ、参政党に勢いを与えている。
- 過大評価と軽視: 毎日新聞は、参政党の憲法構想案をあたかも既に権力を握っているかのように扱い、過大評価している。これは、少数政党の自律性をかえって軽んじる行為である。
■ 3. メディア不信の背景
- 朝日新聞の認識: 朝日新聞の記者は、参政党の支持者の「既存政党への不信」と「メディアも既存政党と同じ側にいる」という見解を指摘した。しかし、これは「認識が甘い」とされ、実際にはメディアが既存政党よりも信頼されていない状況が示唆された。
- 「メディアが語らない政治」: 参政党代表の神谷宗幣氏のメディア不信は、25年以上にわたる経験に根差している。同党の見解の多くは、既存メディアが報じない内容であり、メディアが「事実誤認」を指摘する行為は、かえって不信感を強めている。
- TBSの「意図せざる結果」: TBS「報道特集」が、参政党の「日本人ファースト」を排外主義の高まりとして問題提起した。しかし、この報道は逆に、参政党の主張が危険ではないと世間に受け取られる結果を招き、支持者を結束させた。社会学の「行為の意図せざる結果」を体現した事例である。
■ 4. 投票行動とメディア不信の悪循環
- 「日本人ファースト」と「都民ファースト」: 「日本人ファースト」を差別的と強調すればするほど、有権者は反発し、参政党の主張が安全で穏健なものだと捉えた。これは、メディアの「優等生的な言い方」が共感を得られないことを示している。
- 世論調査の機能不全: メディアが議席予測を大きく外した原因は、世論調査や出口調査が機能していないためである。メディア不信の高まりが、調査への回答者を減らし、予測を外す。その結果、さらに不信感が高まるという悪循環に陥っている。
- メディア不信の最終形: 参政党の躍進は、排外主義の高まりというよりも、メディア不信が行き着く先を示している。