■ 1. 選挙情勢の全体概況
- 告示日前の情勢調査を複数の組織と協力して実施
- メディアで出ている話と実際に知った情報との間にギャップが存在
- 1月22日段階では自民党の単独過半数は固いように見える
- 自由民主党と日本維新の会の想定連立政権では安定多数に近い議席またはそれを超える議席を確保できる可能性が高い
■ 2. 高市氏の影響分析
- 高市氏の支持率が高くそれに引っ張られる形で票が取れている選挙区の特徴が明確になった
- 都市部の勤労層が高市氏を支持し自民党に票を入れる傾向
- 野党に流れていった票が戻ってきたことで自由民主党や日本維新の会の得票傾向が良好
■ 3. 直接対決ではないことによる自民党の優位性
- 289選挙区のうち都市部は約140選挙区
- 都市部の選挙区では自由民主党が単独で出している場合でも他の政党も複数出馬
- 出馬政党の組み合わせ例:
- 中道改革連合が出馬
- 公明党と立憲民主党の統一名簿による中道勢力
- 国民民主党が出馬
- 参政党が出馬
- 令和新選組が出馬
- 大阪では日本維新の会が出馬
- 本来であれば自由民主党と中道で一騎打ちならどちらが勝つか分からない選挙区が複数政党の乱立によりフルスペック状態
- 反自民票が3つに割れる可能性があり自由民主党からすると非常にありがたい状況
■ 4. 選挙の軸
- 今回の選挙は高市氏に対する信任が軸となる見込み
- 高市氏自身もそのように発言
- 自由民主党vs野党という構図でどこが自民党を超えて票を取るのかが測定される
■ 5. 各党の情勢分析
- 自民党:
- 得票傾向は29から32をキープ
- そのままの比率で選挙戦に突入し最後まで維持する見込み
- 中道改革連合:
- 猛烈に浸透を始めており前々回と前回から7%近く浸透
- 立憲民主党も公明党もどちらかというと50代以上の高齢者が支持
- 1+1は2にならず1.4から1.3程度
- 昔の立憲民主党の数字と公明党の数字を単に足した結果自民党を上回るという計算は参考にならない
- 国民民主党:
- 非常に勢いのある政党の1つ
- 得票傾向は13から14程度
- 国民党と自民党が直接ぶつかっても議席を取ることは難しい
- 戦略的かつ積極的に小選挙区で候補を立てて30から35または40議席を目指す計画
- 玉木雄一郎氏や前原誠司氏など主力政治家の発信内容が非自民党的な中道派的価値観として認知
- 玉木氏がどちらかというと若い人特に男性に人気
- 立憲民主党や公明党とは違う支持層をがっつり固めている
- 本来であれば中道を作るなら公明党と国民民主党が一緒になればお互いの持っていないものを固めて大きく伸びた可能性
- 蓮舫氏が中心となって創設されるにあたり国民民主党と一緒になるのは難しい状況
- 参政党:
- 国民民主党と同じように非常に勢いのある政党
- 得票傾向は11から12程度で横ばい
- 単体で自由民主党とガチンコでやってもなかなか勝てない
- 立てることに意味があるという戦術
- 本当のガチンコでやろうとしているのは中道だけ
- 国民民主党と参政党は必ずしも小選挙区で全力で勝ちに行ける選挙区は多くない
- 本当に強いところは限られている中で自民党と中道の戦いの間で存在感を示す戦い
- 日本維新の会:
- 全国平均で見ると得票傾向は伸びている
- 改革勢力として野党にいるが与党に対して物を言うべき存在としてポテンシャルが生かされ始めている
- 大阪が突出しており大阪とそれ以外で差が大きい
- 大阪以外では維新である必要がないもしくは候補者を立てづらい状況で存在感が失われる
- 確実に取れる大阪で20数議席取る中でそれ以外の議席を取りに行く戦略
- 副首都構想や大阪都構想は大阪のための政策であり東京都民や埼玉や神奈川の有権者にアプローチするには社会保障や社会保険の話ぐらいしか言えない
- 大阪以外でも日本維新の会に対する期待感は高くなっているが今回の選挙において党内での政策調整は難しかった
- 大きく議席数を伸ばすポテンシャルは今回の選挙においてはない
- その他の政党:
- 日本共産党チーム未来令和新選組社民党など
- 今回は1または0という非常にミクロな数字
- サンプル数を持って調査しても得票傾向が見えないほど小さい支持母体
- 有効サンプル1080で1から3という数字でほぼバイネームで見なければわからない状況
■ 6. 参政党と国民民主党の比例戦略
- 2つの政党の勝ち筋は比例をいかにうまく確保するか
- 参政党の戦略:
- できるだけ多くの票を抱えている都市部に積極的に擁立
- 熊本1区で木原官房長官がいる選挙区にあえて立候補
- 神谷宗幣氏が高市氏の関わりのあるところには立てないと言っていたにも関わらず票が集まりそうなところは立てに来る
- 勝てなくても立てる理由は九州の比例を取りに来ているため
- 勝てなくても多くの小選挙区に候補者を立てることで比例票を確保
- ブロックにおいて1議席ずつ取っていけば22議席という計算
- 対抗策:
- 参政党の戦法を阻止するのは難しい
- 比例は捨てて小選挙区でしっかりと勝ち星を落とさないようにするのが1つの作戦
- 参政党の現状:
- TikTokで高市を応援するんだったら自民党でなく参政党というキャンペーンを実施
- 参政党を応援している人は既に参政党を応援している
- 参院選の票からさらに自民党から上積みに持ってくる余力はもはやない
- 2024年9月10月11月12月の情勢調査では伸び悩んでいる
■ 7. 今後の見通しと課題
- 告示日前への情勢調査では自民党が優勢に進めることができる見込み
- 高市氏に対する支持の熱量が低いのは間違いない
- 支持が下落するインパクトで15議席から20議席が沈む可能性がある状況
- 2ポイント差3ポイント差ぐらいで戦っている激戦区が多い
■ 8. 政策のフックが不足している問題
- 政策が発表されていないため何をフックにして支持を呼ぶのかが課題
- 高市氏を応援してくれという感じの選挙戦になる見込み
- 通常であれば選挙戦中に物価高などの国民の意見の言い方を野党の街頭演説から調べるがそれが今回できない
- 候補者からの相談を受けているがどのタイミングで誰に入ってもらうかを調整中
- 小泉進次郎が中盤から後半に地元に入れば4000票取れる見込みがあるような選挙区では中盤までに自力をつける助走が必要
- 助走のところで何の政策でフックにするかが全くないため対応に苦慮
- 高市第一次政権だから私はこういうことをやろうと思っているとか皆さんの生活のために我々こういうアクションを保証するというようなことで引きつけていかなければならない
- 中盤までの情勢をうまく組み立てるためにフックになるものが必要
■ 9. 総括
- 今回の選挙はこれでいいのかという疑問を特に感じる
- 真面目にやっていけば結果は出るだろうがその後どうするかも考えながらやらざるを得ない
- 自民党が割れるという話は一切ないと考える
- 一丸となって高市氏を支えていくことは全く変わらない
- 気遅れしている人がいるという話はあまり聞かない
- 普通に頑張ればいけるという感じで元気にやっている
- チャレンジングになっているのは特に新人でうまくやっているのでいい感じで着地することを祈りながらやっている状況