中国国防省は24日、軍制服組トップの張又俠・中央軍事委員会副主席(75)を重大な規律違反などの疑いで調査すると発表した。習近平(シーチンピン)指導部で軍幹部の摘発が相次ぐなか、軍最高指導機関の同委員会は、7人中5人が失脚する異常事態となった。
同省は、劉振立・同委員会委員(連合参謀部参謀長)への調査も同時に発表した。現体制の同委員会は2022年10月、習氏をトップに副主席2人、委員4人の計7人で発足。今回2人の調査が発表され、習氏以外に制服組で残るのは、10月に副主席に昇格したばかりの張昇民・軍規律検査委員会書記のみだ。この日、委員の補充の発表はなかった。
張又俠氏の父親は、習氏の父・習仲勲元副首相と同郷で、2人は国共内戦などを経験。習氏は三つ年上で幼なじみの張氏への信頼が厚いとされ、ともに革命時代の老幹部の子弟である「紅二代」だ。68歳以上で引退する慣例を破って登用するなど、習氏が軍での影響力を保持するカギとみられてきた人物だった。張氏は軍人で唯一、党トップ24人の政治局員でもあり、習氏が軍を直接掌握することを狙って張氏を失脚させた可能性がある。
軍内部では大規模な汚職や腐敗の摘発で混乱が続いてきた。異例の長期政権となる習指導部は反汚職キャンペーンで政権の基盤を固めてきた側面があるが、軍中枢で多くの幹部が失脚するなか、緊張が高まる西太平洋などでの軍事活動の運用面では影響が避けられないとみられる。(北京=井上亮)