■ 1. 著者の背景と就職氷河期時代の状況
- 著者は団塊ジュニアで就職氷河期世代の一人である
- 大学新卒時の就職率は確か6割ちょっとで底ではなかったとはいえ厳しかった
- 平凡な法学部生は夢や希望を目指すよりまず就職することが現実的な目標だった
- 企業には門前払いされまくった
- 当時まともに相手にしてくれなかった某社が先日新卒を確保するために初任給を大幅にあげて人事担当が学生たちに気持ちよく働いてもらいたいと言っているのをみて入社3日で退職者続出しろーと呪詛を唱えずにはいられなかった
■ 2. 政治的な救済策の現状
- 昨年の選挙の際一瞬氷河期世代救済が話題(争点)になりかけた
- 選挙のネタにするなよと思ったが一転して今回の衆議院選挙では話題になっていない
- 各政党のサイトに氷河期世代救済策的なものが掲載されているものの柱ではない
- ネタにならなくなった
- 氷河期世代支援策はそれが十分なものかはさておきすでにいくつか施行されていて新鮮さに欠けている
■ 3. 救済が難しい理由
- もう手遅れである:
- 40代から50代にかけて構築しておくべきキャリアのない人たちに就労支援や職業訓練をおこなっても人不足で厳しい仕事に送り込まれて安く使われてしまうのがオチである
- それが分かっているから広まらない
- 誰だってしんどいのは嫌である
- 希望がなさすぎる
- 費用対効果も期待できない:
- 金と労力をかけても回収は難しい
- 50代の氷河期世代を職業訓練しても回収する時間がない
- そもそも回収しようとするのが間違っているのかもしれない
- 支援する側される側双方にとって希望がないことがこれまで支援策がうまくいってないことに繋がっている
- 具体的事例:
- 著者の会社で営業職の中途採用をおこなった
- 50代後半の営業経験なしの人がガッツを武器に面接を受けに来た
- 断った
- ゼロから営業戦力に育ててもまもなく定年
- そんな投資ができる中小企業は無い
- 現場の仕事を斡旋したがやりたくないと断られた
- これは甘えなのか諦めなのか
■ 4. 就職氷河期世代が受けた影響
- 就職氷河期世代は十分なチャンスが与えられなかった
- 救済も足りなかった
- 社会は若い方がいいからと次の世代を選んだ
- 楽だからである
- 必要とされていないという傷だけが残った
- どんな施策でも気持ちと心の傷は救済できない
- さらに時間の経過により年齢面でも救済の難易度があがってしまった
- 年齢を重ねてからでも一からトライできる人はいる
- 偉い
- でもそういう偉い人ばかりではない
- 著者みたいな人間には無理である
- 頑張ろうという気持ちより諦めが強くなるはずである
■ 5. 氷河期世代の二種類
- 著者は何とかここまで生き残ってきた:
- 努力と実力ではない
- ただ幸運だっただけである
- 就職新卒採用で引っかかって今まできただけである
- 氷河期世代には二種類いる:
- 氷河期にはまってキャリアを重ねられなかった人
- 著者みたいに何とか落伍せずに生きてきた人
- 多くは後者である:
- 仕事もありキャリアも積んでいる
- 食べていける
- 氷河期支援はいらない
■ 6. 自己責任論への批判
- 氷河期サバイバーは自己責任論者によって同世代を自己責任甘えと非難する材料に使われる:
- 氷河期世代で非正規の人は20年間も時間があったのに努力が足りないのではと言われる
- 大半の人はちゃんとやれているよねあなたのようにと言われる
- 自己責任といって非難する人への問いかけ:
- 自分の責任で人一倍努力してきたのか
- 今の安定は己の能力と努力だけで成り立ったものか
- たまたまピンチな時代にあわなかっただけではないのか
- と自問自答してもらいたい
- 人生のどこかで不幸にあえば誰だって落伍する
- 今なんとかやれているのは運に恵まれただけである
■ 7. 現役世代という言葉への違和感
- 現役世代という言葉がある
- 最近よく耳にするようになった
- 著者みたいな氷河期世代サバイバーも現役世代に組み込まれている
- 真面目に働いた人が報われる当たり前の社会にしましょうとどの政党の政治家も言っている
- 氷河期世代でうまく立ち回れなかった人は働きたくても働けなかった
- まともに働くことが出来るのは幸運に恵まれているから
- そのことを僕らは忘れがちである
- 少なくとも15年前くらいまでに落伍した氷河期世代に機会を与えて現役世代に組みこまなければならなかったと今でも思う
- 頑張った現役世代が報われる当たり前の社会というフレーズは綺麗事である:
- その報われる現役世代はすでに氷河期世代を犠牲にして成り立っている
- というかなかったことにしている気がしてならない
- 将来に負の遺産を残さないという言葉もよく耳にする:
- 著者には負の遺産と氷河期世代が重なってしまう
- 氷河期世代がこの世から消えるのを待っているように聞こえる
- 氷河期世代マストダイと
■ 8. 結論
- 著者は氷河期世代で社会に出て30年間やってきた
- 他の世代が特別優れているようには見えなかった
- ただツイているようには見えた
- 氷河期世代にはまって浮上できなかった人を自己責任甘えと切り捨てるのは資質と時代に恵まれた人の傲慢に著者には思えてならない