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結婚相談所で働いてるけどこの業界もう終わりだと思う

大学卒業してから結婚相談所で働いてかれこれ10年経つが、最近もう他業種に転職の準備が固まりだして足を洗う予定

なので、結婚相談所界隈の実情を書いておこうと思う(ちょっと愚痴が入るかもしれないが…)

① 「モンスター利用希望者」増えすぎてQOL大悪化問題

ネットでは男側の化け物ばかり増えてるみたいな論調だしそれはあっているのだが、実は女側のモンスター利用希望者も同じレベルの数がいて、結局の所「ダブルモンスター利用希望者」が2020年代に入ってから激増した。

結婚相談所のシステムは「初回(面談)→入会手続→相手探し→お見合い→仮交際→本交際→成婚→退会」と、細かいところは抜きにして大まかこういうプロセスを経るのだが、

自分が就職した2014年~2019年くらいまでは、コロナ禍が末期に入っていたとはいえ、業務の負担はそれほどではなかった。初回面談希望者のレベルも高く、世間知も良くわきまえていて成婚率も結構高かった。

というか、それくらいの人くらいしか結婚相談所を利用してなかった、というのが実態に近かったのかもしれない。

が、2020年あたりに入ってから何か知らんが物凄いXやネットや、露悪系漫画でネタにされる様な「モンスター利用者」が激増した。当時を振り返れば、体感で冗談抜きで20倍くらい増えたんじゃないかと思う。

漫画やネットで書かれるのは男性ばかりだが、実のところ女性も多い、つまり「バケモノ」が男女両方で激増した結果、初回面談数は激増し、そのたびに「おじ・おばブロック(※)」の手間は増え、彼ら彼女らと会話するだけで凄まじく精神的体力がゴリゴリ減っていくという悪循環で職場は疲弊していった

他の結婚相談所でもそうだと思う。自分もそのころから、ぶっちゃけ処理能力がパンク寸前で、その時期は1日12時間は働いている日々が3年近く続いていた。ワークライフバランスの観点から見ても心身症寸前で生まれて初めて漢方薬が処方される程だったので、いつしか転職を視野に入れ始めた。

というか、同期はどんどんとその初回面談でのモンスター対策のためにダウンし、辞めていった人たちが多かった。他の相談所に就職した同級生たちも、同様の理由でやめていった人が多く、もう俺の知ってる限り10人に2人くらいしか残ってないんじゃないか、という程だった。

もはやワークライフバランス通り越してクオリティオブライフが浸食されるレベルとなっている。

「初回面談断れば?」という人も多いかもしれない。だが入会前にこれをスクリーニングすることは不可能。もしかしたら昔みたいにちゃんと真剣に現実を考えている利用者も来るかもしれない。なので切れない。そういう悪循環の結果だった。

(※)間に入る仲人(結婚相談所)が流石に無理と思った様な年の差やスペック差希望は当人に届く前に弾く、これを業界用語で「ブロック」という、2020年あたりから「おじ・おば」が増えたので、おじブロック、おばブロックといったあだ名が業界関係者に流行した。

② 「金払ってるんだから…」「子供は〇人欲しい」 結婚相談所の対応領域を超えている無理難題の数々

男女ともに、こういうことを言う人たちが滅茶苦茶増えた。

気持ちはわかるんだが、40歳や50歳で子供が出来たとして成人する頃には、親として還暦を迎えるわけなので、その時点で相当キツいのではないか?と内心ずっと思っていた。

生物としての生殖能力で男は子供作る「だけ」ならできるかもしれない。が、女性でこれをいわれるのは本当にほとほと参り果てた。それはもう結婚相談所の領域を超えて不妊治療専門の産婦人科で相談してください…というレベルなので。

ある利用者はいった。「その当時は結婚したいとか子供欲しいとは思わなかったけど、時間がたてば考えも変わるじゃないですか」、その通りだ、それは気持ちはわかる。だから頭ごなしに「何で若い頃真剣に探さなかった」とは自分も言いたくはないし、言える立場ではないと思っている。

話を聞いてると、モンスター利用希望者の男女たちに共通する背景を考えると、どうにも頭ごなしに怒る気にもなれず、どちらかといえば社会の変化のうねりに価値観が取り残された人たちではないかと考える様になった。そういうのを救う方法を考えることが、これから結婚相談所産業のニーズに必要なんじゃないかと思ってる。(それがどういう形なのかは最後までこの業界を見ることもなく去る自分に言う資格はないのかもしれないが…)

正直、結婚相談所の中の人たちはみんな一生懸命相手のニーズに合わせようと努力はしてるんですよ。でもやっぱりどうしても限界はあるわけで、そこだけはネットにたくさんいるモンスターおじやモンスターおばたちにはわかってほしい。

③ そもそもモンスター利用希望者たちが望んで、結婚相談所も前提にしてる「従来の結婚システム」が崩壊してるからこの業界、未来はないのでは?

もちろん、若いイケメンや美少女と結婚したいとか付き合いたいなんていう前提の困難さは置いといても、

モンスター利用者たちの望む、結婚して子供が欲しいとか、結婚して社会的身分や世間へのメンツや見栄も内包した上での、所謂従来の「結婚システム」って、ハッキリ言ってもう破綻してるんだと思う。

そんな過程で結婚から子供の出産までできるカップルなんて、少なくとも自分が見てきた限り、進学校レベルですらクラスの内10%もいないんじゃないの?ってレべル、つまり上澄みでしかできないこと。モンスター利用者たちだって、なんならこれ書いてる自分自身だってその中に入れてないくらいの一部のエリートや強者でしかできないんじゃないかと。

正直、ちょっとあしざまに書いちゃったけど、モンスターおばやモンスターおじってちゃんと結婚したいという意思を持って勇気を出して結婚紹介所に来てる訳で、その意思や決意や勇気自体は悪くはないと思うんだよね。

じゃ、他の方法考えるしかないよねとか、他の価値観での結婚というシステムの再構築が必要なんじゃなかろうか?って思う

でもそんな方法誰もわからないから、こうやってモンスター利用者たちが増えていく。というか、社会の価値観やあり方が激変して、それまでは正とされていたものが間違いとある日突然断じられた結果、モンスターおじやモンスターおばとレッテルを張られてねじ曲がってしまったんじゃなかろうかって思う。

だって、彼ら彼女らのいう事、高望みである事を除けばある時代までは正しい価値観だったもの。

恋愛や結婚の価値観や手法の在り方が変わっていくことには違いないのだろうけど、新しい根底価値観はどうなるかは自分は予測できないし、業界から去るから論じる資格もないのだろうけど、そう考えると皆不幸にしかなってないよね、って思いながら転職に向けて動いている日々を過ごしている。