/note/social

第751回:「ママ戦争止めてくるわ」と『新しいリベラル』と、特殊な界隈で特殊な訓練を長期間...

要約:

■ 1. 「ママ戦争止めてくるわ」と界隈語の限界

  • ハッシュタグ「ママ戦争止めてくるわ」は衆院選後に話題となったが非リベラル層にはほぼ認知されていなかった
  • 政治クラスタの外では選挙や自民党との関連を理解した人は皆無であった
  • 「ミサイルより飯」等の言葉も同様に特定界隈外では意味が伝わらなかった
  • 「25条と9条は車の両輪」のような言葉も憲法の話と即座に理解できるのはリベラル村の村人だけである

■ 2. 特殊な界隈と特殊な訓練の自覚

  • 非リベラルの友人が安倍昭恵氏や小池百合子氏の話をしてくるのは政治的共感ではなく「政治が好きな人」への気遣いであった
  • 阪神ファンに巨人の話をするような認識のずれが日常的に生じている
  • 政治に詳しくない人は保守・リベラルの区別自体に関心がなく興味もない
  • 「身内では通じる言葉」に慣れていないか常に自覚的でいる必要がある

■ 3. 著者自身のリベラル界隈への参入経緯

  • 約20年前の著書出版後リベラル界隈から講演依頼が増えたが当初は貧困問題と戦争の話の結びつきが理解できなかった
  • 「経済的徴兵制」という概念と堤未果氏の著書によって貧困と戦争がひとつの線で繋がった
  • 困窮者支援団体や労働組合への自衛隊勧誘の実態を知り「経済的徴兵制」がリアルなものとなった
  • このような稀有な経験を経て初めて「貧困と戦争」がアンハッピーセットとして立ち上がった

■ 4. 『新しいリベラル』が示す調査結果

  • リベラルの衰退が著しい一方で選択的夫婦別姓・同性婚への賛成は多数派であるという矛盾がある
  • 従来型のリベラルは日米安保反対・憲法9条改正反対・天皇制反対・従軍慰安婦謝罪を根幹とするイデオロギーと定義される
  • 「新しいリベラル」の三つの仮説:
    • 従来型は「弱者支援」型福祉を支持するのに対し新しいリベラルは「成長支援」型福祉を支持する
    • 従来型は高齢世代への支援を重視するのに対し新しいリベラルは子育て世代・次世代への支援を重視する
    • 新しいリベラルは反戦平和主義・政府の戦争責任追及といった戦後民主主義的論点に強くコミットしない
  • 9条の会主催講演でも「貧困に関心があって来たのに反戦平和を押し付けられた」という感想が以前から存在した

■ 5. 「反戦平和」という言葉が敵認定されるメカニズム

  • 著者の思春期において「反戦平和」を掲げる人物像は暴力的な教師や偽善的なPTAであった
  • 「平和」を掲げながら生徒に暴力を振るう教師の姿が「反戦平和=大人の偽善」という図式を形成した
  • 右翼団体では「軍隊の靴音が聞こえる」等の左派的言説を嘲笑することが内部結束の儀式であった
  • こうした否定的イメージが解除されるまでに20年を要した

■ 6. 「フラットに見たとき自分のジャンルが特殊であることを理解する」という視点

  • ゴールデンボンバー鬼龍院翔氏の著書『超!簡単なステージ論』にある「受け手」を意識する姿勢が示唆に富む
  • 自分が当たり前だと思っているパフォーマンスが初見客を怖がらせていないか常に問い直す必要がある
  • 政治の専門書よりも「売れるための実践」を語る著書の方が伝達の問題に関して参考になる

■ 7. リベラルが伸びない問題への実践的対応

  • リベラル村を一歩出ると言葉が届かずスルーされる「界隈語での語り」が繰り返されてきた
  • 自身がなぜ日常問題と戦争が繋がったかを個人の体験から語ることが関心のない層の共感を呼ぶ
  • 著者は非リベラルの人とのみ私的に交流し身内の言葉への慣れとエコーチェンバーを防いでいる
  • 「一日一人のファン・賛同者を増やす」という意識は誰でも実践できる
  • 人は「正しさ」では動かず「心が動く・魂が震える」ことがあれば自発的に動き出す