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Programmatic Tool Calling(PTC)の何が新しいのか?

一言で言うと、これは「ClaudeがToolを呼び出す処理をPythonコードとして生成し、 Anthropicが提供するサンドボックス内で実行する」機能です。

従来のTool Useでは、Toolを1つ呼ぶたびにClaudeが次のアクションを判断し、 その結果をすべてコンテキストウィンドウに追加していました。 10個のToolを連鎖して呼び出すと、10回分の推論と、 10回分の生データがコンテキストを圧迫します。

実際、この問題は Claude for Excel で顕著でした。Anthropic 公式記事でも「数千行以上のスプレッドシートを読むだけで、中間データがコンテキストを圧迫し、推論が破綻する」という課題が挙げられています。

Claude for Excel は PTC を利用し、

  • スプレッドシートの巨大データをすべてコード実行側で処理し
  • Claude が受け取るのは 最終的な集計・分析結果だけ

という形にすることで、コンテキスト肥大化を根本的に解決しています。

PTCでは、Claudeは「Tool呼び出しを含むPythonコード」を一度だけ生成し、 あとはサンドボックス内でPythonが逐次実行します。 中間結果はサンドボックスのメモリ内に閉じ、 Claudeのコンテキストに戻るのは print() で出力した最終結果だけです。