■ 1. GitHubの考察記事の公開
- GitHubは開発ツールとしてAIが導入されていくことで、プログラミング言語やフレームワークの選択にどのような影響を与えるかを考察したブログ記事を公開した
- 記事タイトルは「TypeScript, Python, and the AI feedback loop changing software development」(TypeScript、Python、そしてAIフィードバックループがソフトウェア開発を変えていく)である
■ 2. AI導入による静的型付け言語の選択傾向
- 静的型付け言語の方がAIがより正確なコード生成を行いやすい傾向にある
- それゆえにAIツールを利用する開発チームでは開発者の好みよりもAIとの相性が良いプログラミング言語が選ばれるようになる
- 多く使われるプログラミング言語はAIによる学習がより強化される
- それによってさらに多くの現場で使われるようになるというフィードバックループを形成していく
- 今年GitHubで最も使われている言語として、昨年まで1位だったPythonを抜いてTypeScriptが1位となった
- その背景にはこうした理由があったとされている
■ 3. AIとの相性が良い言語の特徴
- AIとの相性が良い言語が選ばれやすくなる傾向はTypeScriptに限らない
- Python、Java、Goのようにすでに大量のサンプルコードが世の中に存在し、同時にさまざまな目的に利用できるフレームワークが充実しているプログラミング言語ほど、AIによるコード生成で目的の達成が容易である
- そのためAIによる目的の達成が容易なプログラミング言語ほど、開発言語として選択されやすくなると予測されている
- AI登場以前、プログラミング言語の選択はランタイムとライブラリエコシステム、そして個人の習熟とのトレードオフであった
- しかしAI登場後は新たな制約が表面化する
- それはある言語を選択したときに、それがAIモデルによってどれほどの利点があるか、という点である
■ 4. AIによる適切な言語選択の容易化
- AIの登場は人気のプログラミング言語の人気をさらに増加させる傾向がある一方で、プログラムとプログラムをつなぐ「ダクトテープ」のような役割を担うBashのようなシェルスクリプト言語の利用増加にも貢献した
- それはコーディングの面倒な部分をAIに任せることができるようになったことで、開発者はその言語の好き嫌いよりも適切なツールかどうかを選択基準にしやすくなったためである
- つまりAIは単純にTypeScriptのようなプログラミング言語への人気の集中を招くわけではなく、開発者の好き嫌いや習熟の度合いによって乗り越えられていなかった目的に沿って適切なプログラミング言語を選択することも容易にする
■ 5. 結論
- 開発者はTypeScriptのように特定の言語を学ぶべきというわけではない
- 次の10年で生き残るであろう言語とツールとは、デベロッパーが最も好むものではなく、デベロッパーとマシンの両方が最も利点を共有できるものになるだろう