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伊藤直也「学ばないための言い訳探しは辞めた」無知を認めて挑んだ一休の開発組織改革

「まず、僕なりに『強い開発組織って何だろう?』って考えてみたんです。その結果、『ビジネスの課題を投げたら、それを解決できる良いプロダクトが返ってくるチーム』だと定義しました。

開発のスピードも大事かもしれませんが、それ以上にどうすれば課題を解決できるかを考え、使い勝手や仕様を細かいところまでよく考え抜いたプロダクトを出せることが重要だろう、と」

「若い頃は結構こだわりがありました。『技術的に面白いことがやりたい』とか『とがった人たちと働きたい』とか。

でも自分の中に知識や経験が蓄積されてくると、この知見を世の中にフィードバックしたいという思いも芽生えてきた。

30歳過ぎになる頃には、良いプロダクトやサービスを作るための方法論を体系化し、開発で苦労している会社に自分のノウハウを提供すれば喜んでもらえるんじゃないかと考えるようになりました。

実際にいろいろな会社からアドバイスを求められ、フリーランスで技術顧問をするように。僕自身のこだわりで働く場所や環境を選ぶというよりは、『自分を必要としてくれる人たちがいるなら、そこで頑張ってみよう』という感じに変わったんです。

一番まずいのは、学習を止めてしまったにもかかわらず、過去のアナロジーで今の技術を分かった気になることです。『これは昔のあの技術と同じだね』 とか、自分で自分を欺くかのように、分かったふりをする。その慢心が日々の仕事で間違いを生み、間違った意志決定につながってしまう。