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デジタル生命体は創るべきではないと私は考えます。

苦しみを知る新たな存在のカテゴリーは、必要ないと思うのです。

ドミニク・チェン テッドさんの小説の大ファンですので、インタビューできて光栄です。私は、インタラクションデザインの研究をしており、とくに人間―微生物―コンピュータの関係に焦点を当てています。

今日は、テッドさんの創作プロセス、言語、AI開発における倫理的問題について、お話をお聞かせください。

札幌で開催されたALIFE2023(国際人工生命学会)カンファレンスでのテッドさんと神経科学者アニル・セスとのセッションを拝聴しましたが、そこで、テッドさんは、小説「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル(The Lifecycle of Software Objects)」に触れつつ、「ディジエント(デジタル生命体)[★01]の教育」について議論されていました。

テクノロジーの世界、とくにAIや仮想キャラクターでよくある安易な擬人化について、テッドさんは批判的でした。私はそのテーマにとても関心があります。というのも、小説の中で主人公のアナは自分が育てたディジエントたちに公正な生活環境を実現しようと奮闘しますが、その彼女の態度についてのテッドさんの描写に感動したからです。

アナのディジエントに対する態度と、テッドさんが批判した企業が行う擬人化との違いは何でしょうか?

テッド・チャン いまのチャットボットとは違って、小説に登場するディジエントは実際に主観的な体験を持っているということです。たとえば、リアルな犬とバーチャルな犬の違いに似ています。生身の犬を飢えさせれば、犬に大変な苦痛を与えることになります。しかし、バーチャルな犬に「餌」をあげなくても、犬は何の苦痛も感じないでしょう。

企業は、くんくん鳴いて苦しんでいる犬のアニメーションを作って、それを見ている私たちの感情的な反応を操ろうとするかもしれませんが、所詮、作りごとにすぎません。

小説に登場するディジエントたちは、肉体的にも感情的にも苦痛を味わいます。人々は、生身の動物たちの肉体的・感情的苦痛を軽くしてあげたいと思うのと同じように、デジタル生命体の苦痛も軽くしてあげたいと思うようになります。

しかし現在のところは、アニメーションと音声ファイルがあるだけです。私がいうところのデジタル生命体は、まだ存在していません。

ドミニク 小説に登場するデジタル生命体のジャックス[★02]は、肉体的・精神的に苦しむことができたからこそ、アナとの間に、真の絆ができたようにも思えます。では、私たちは、企業がテクノロジーによって人々を操作するのを防ぐために、デジタル生命体に苦痛を導入することを検討すべきなのでしょうか?

テッド アナとジャックスの絆は、実際の飼い主と犬の関係と同じくらいリアルでした。そのリアルさはむしろ、霊長類学者と彼によって育てられたチンパンジーとのつながりと同じくらい、と言った方がいいかもしれません。

デジタル生命体は創るべきではないと私は考えます。苦しみを知る新たな存在のカテゴリーは必要ないからです。

ドミニク なるほど。これはIT業界に対する痛烈なメッセージですね。

テッド 理論的には、喜びと苦しみの両方を体現できるデジタル生命体を創ることは可能です。しかし、それよりも苦しみを回避することの方が、はるかに優先されるべきことだと思います。

今、人間は動物たちに信じられないような苦しみを与え続けています。動物は、血と肉でできた生身の存在ですから、彼らが苦しんでいるのは、見てすぐにわかります。ところがデジタル生命体は、生身の身体ではないですから、多くのひとは、その苦しみを見すごしてしまうでしょう。だから、もし私たちがデジタル生命体を創ったとしたら、私たちは彼らに多大な苦痛を与えてしまうことになります。

ドミニク ある意味、小説に登場するアナとデレクの悲しい状況は、私たちの社会が避けなければならない悲劇といえますね。

テッド 誤解のないようにいいますと、これはまったくもって仮説的な考察です。目下私たちが直面しているのは、企業が、デジタル生命体のアニメーションや音声ファイルを使って、私たちの感情的な反応を操り、お金を巻き上げようとしていることです。アニル・セス[★03] にも言いましたが、それも由々しき問題ですが、小説でとりあげたこととはまったく別問題ですね。

哲学的な観点から見ると、デジタル生命体の苦しみという問題は、私にとっては興味深いものです。しかし、現実的な観点に立てば、まだ当分の間、心配する必要はないでしょう。 「テクノロジーがつねによい」という前提を疑うこと。

ドミニク ありがとうございます。では次に、『ニューヨーカー』誌に最近掲載されたテッドさんのエッセイに関連して、さらに現実的な観点からこの問題を考えてみたいと思います。このエッセイでテッドさんは、AIが資本主義を強化し、富の不平等を増大させる可能性を指摘しつつ、AIがそのような「難問」を回避するための方策として使われていると論じています。

そのエッセイの最後の方で、テッドさんは次のように書いています。

科学技術者たち(テクノロジスト)にとって、もっとも向き合いたくない難題は、つねにテクノロジーは多ければ多いほどよいという前提を疑うこと。そして、彼らが今まで通りビジネスを続ければ、いずれはテクノロジーが解決してくれるという信念を疑うことだ。

私たちテクノロジーについて研究する者は、テッドさんのこのメッセージを真摯に受け止めるべきと思います。でもビジネスコンサルタントのそれとは異なる、AIエージェントの望ましいかたちとはどのようなものか。テッドさんはどう思われますか?

テッド いま引用してくれたエッセイで、私が言いたかったことは、AIというテクノロジーによって労働者が犠牲になり、資本が強化されていく、という問題です。

私の疑問は、そういう状況に対して、逆に、労働者に力をつけさせるために、どんなふうにテクノロジーを活用すればいいのだろうか、ということです。働く人々の生活を向上させるために、AIを活用する方法はないだろうかーーそういう問いです。その正解は、私にはわかりません。

ドミニク 労働者と、ディジエントを育てる人々とは、状況が異なりますね。

テッド まったく違います。労働者としての人々を無力化するためにテクノロジーを利用する方法もあれば、消費者としての人々からより多くの価値を引き出すためにテクノロジーを利用する方法もあります。その例は、仮想ペットやロマンチックなチャットボットのようなカテゴリーですね。

ドミニク つまりそれは、こういうことでしょうか。「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」の中で、仮想カンパニーのブルー・ガンマ社がディジエントを使ってビジネスをするという最初の決断は、結局のところは間違いだということですね。それは非常に興味深いです。

それに関連していうなら、たとえば、ChatGPTが労働者の職場で果たす役割は、どのようなものになるでしょうか?

テッド 現時点では、ChatGPT は、人間に取って代わるほどの信頼性はありません。実際のところ毎日のように、ChatGPT が問題を起こしたというニュースが報道されていますよね。 すぐに結果の出る、テクノロジーによるソリューションという考え方が、 私たちは好きなんですね。

ドミニク 私たちの社会は、働く人々の力になるようなテクノロジーを開発できるでしょうか? そのためには、何が必要でしょうか?

テッド 核心に迫る問いですね。

「どんな問題もテクノロジーで解決できる」という考え方を、テクノロジー評論家のエフゲニー・モロゾフは「テクノ・ソリューショニズム」[★04] と名付けました。

企業がその考え方を受け入れる理由は明らかです。テクノロジーによるソリューションは、商品化して販売できるからです。

しかし、そのソリューションが政治的な意図を含む場合はどうでしょうか?

たとえば、労働者の組合結成を支援するソリューションはあるでしょうか? もし、そのようなソリューションがあったとした場合、それは誰でも商品として販売して利益を得ることができるものでしょうか?

ドミニク なるほど。それは必要な視点であり、私たちの社会にも応用できますね。テクノ・ソリューショニズムの問題は、企業側だけでなく、私たち「顧客」側にとっても関わってくることです。

この話題で思い出したのは、アニル・セスとの対談における、人々の欲望(デジタル生命体や「完全言語」に対する)についての、テッドさんの発言です。

テッド はい。消費者としての私たちは、すぐに結果がでるテクノロジーによるソリューションという考え方が好きなんですね。

ドミニク 同感です。「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」のようなSF小説を読むと、テクノロジーで解決できないジレンマに直面させてくれるので、ソリューショニズムを乗り越える一助になるものと私は信じます。

テッド 社会問題というのは、個人が単独で解決できるものではありません。たとえば、バーチャルな恋人を購入することは、孤独な男が一人でもできます。しかし、孤独をなくすために社会を再構築することは、単独では不可能ですね。 優れたSFは、自明ではない未来を想像するものです。

ドミニク テッドさんは、SF小説と批評エッセイという2つのタイプの文章を、どのように書き分けているのでしょうか。

というのは、小説の中でも社会風刺をして、エッセイでもそれと同じぐらい強烈な風刺をされていますね[★05]。小説と批評エッセイをどのように区別されているのでしょうか? それらは相互に関連しているのでしょうか?

テッド エッセイは最近始めたばかりなので、いまはまだ、距離感をはかっているところです。

ドミニク エッセイで取り上げたトピックをベースにして、新しい小説を構想されるのかなと、私は想像していました。

テッド 小説を書くモチベーションは、エッセイを書くのとはまったく違います。私の小説は、ストーリーを伝えて、読者の感情的な反応を呼び覚ますことが、メインのモチーフです。

ドミニク エッセイでは、読者にどのような反応を期待していますか?

テッド とくに何も期待はしてなかったし、私のエッセイがこれほど注目されるとは、思いもよらなかったのです。

ドミニク どんな反応に驚きましたか?

テッド シリコンバレーのやり方にはガッカリしていますが、その欠点を私よりうまく指摘している人は、他にもたくさんいるはずです。

にもかかわらず、私の書いたエッセイについて、インタビューをしたがる人がいたことが驚きでした。予想もしていませんでした。

ドミニク それは、SF作家であるテッドさんの指摘が正鵠を射ているため、技術者や研究者よりも影響力が大きいからだと思います。

ところで、学術界におけるSF小説の役割について、テッドさんはどう思われますか? 私は教師として、SFプロトタイピングを使って、生徒たちに短編のディストピア小説を書くように指示して、批評的な視点を養ってきました。

学者や学生が、SFを読んだり書いたりすることに対して、テッドさんは何を期待しますか?

テッド 優れたSFは、自明ではない未来を想像するものだと思います。これは多くの場面で役に立つスキルです。

SFは次に来る質問を投げかけるべきだと、SF作家のシオドア・スタージョンは言いました。最初の質問は簡単です。しかし、次の質問を考えるのは難しいことなのです。

ドミニク まったくその通りです。そのスキルとは、学者が批判的な研究を行うためにも必要なものです。小説を読んだり書いたりすることで培われる、非自明性を疑うスキルですね。

では、最後の質問です。

テッド どうぞ。

ドミニク ALIFE2023で、テッドさんは、小説家・記号学者のウンベルト・エーコの「完全言語」という概念について話されました。「完全言語」というアイデアに対して、多くの人が根強い衝動を抱いているが、それは実現不可能な夢だ、と。そこで思い出したのは、テッドさんの小説「あなたの人生の物語」に書かれた「ヘプタポッドB」です。地球外生命の「ヘプタポッド」が使う書き言葉のことです。

自然言語を人工的コミュニケーションの基礎技術の一つとして考えた場合、言語を進化させて、より緊密な人工的コミュニケーションを作り上げるというアイデアを、思いつくことはできるものでしょうか? (これは前述の、テクノロジーの労働組合を組織するというテッドさんのアイデアにも関連しています)

テッド 言語は静的なものではなく、成長するものです。どの言語も潜在的に、無限の表現力を持っていますから、お互いの関係を改善するための新しい言語は必要としません。時の経過にしたがって、私たちの文化は新しいアイデアを生み出し、それを既存の言語で表現する方法を確立していきます。必要なことはすべて、既存の言語で実現できます。

ドミニク ありがとうございます。テッドさんがALIFE2023で発言されたように、人生経験が圧縮できないのと同様、言語の成長も圧縮できないということですね。

そろそろこのインタビューも終わりにしましょう。お忙しいなか、インタビューに応じていただき、本当にありがとうございました! テッドさんの回答から多くのことを学びました。とても感謝しています。

テッド こちらこそ、ありがとう。それでは、良い午後を!

ドミニク ありがとうございました! おやすみなさい。

理科大、室温で光ファイバーから「単一光子」を直接発生させることに成功

なるほどわからん

“究極”のパワー半導体実現へ、筑波大がサファイアの電気伝導に室温で成功

新たな超高率機械学習トランジスタがAIのエネルギー消費量を99%削減する

騒音問題にピンポン玉が役立つことが判明 主に低周波騒音に効果的な吸音材に 最新研究結果

騒音問題にピンポン玉が役立つことが判明したという。科学者によると、ピンポン玉にいくつかの改良を加えることで、この軽量のプラスチック球が、主に低周波騒音に効果的な吸音材として機能することがわかったそうです。

研究者たちは、穴のあいたピンポン玉を格子状に並べたようなパネルを作りました。これにより、吸収できる共振周波数の範囲が広がりました。研究チームは、ボールの数、ミシン目の数、ミシン目の大きさを変えることで、高価な材料に頼ることなく効果的な吸音パネルを設計できることを実証しています。

太陽光をレーザー光に直接変換、東京工科大が世界に再挑戦

太陽光を励起光源として利用する固体レーザー装置は、「太陽光励起レーザー(Solar-Pumped Laser:SPL)」と呼ばれ、世界で開発競争が起こっている(図1)。太陽光で直接、水を分解して水素(H2)を発生させる「太陽光水素生成」と同様、将来的に研究が進めば、太陽光発電システムで太陽光を電力に変換し、その電力を用いてレーザー光を発生させるよりも高いコストパフォーマンスが得られる可能性がある注1)。

動物は曲がるときに横Gを出さない、と書いたら「曲がるんだから出ている」。2次元の人が多い...

動物は曲がるときに横Gを出さないため、4WD車の駆動配分とは全く違うと書いたら「曲がっているんだから横Gは出ている」と考えている人が驚くほど多かった。間違った内容は表示されない黄昏野郎バスターにたくさん落ちてました。実はこの話をした自動車メーカーの4WD技術者も「曲がるんだから横Gは出ている」と1度は主張したので、二次元で考える人って案外多いのかもしれない。

4輪と2輪は曲がって時の物理特性が全く違う。4輪は横方向のGを出すのに対し、2輪って天地方向のGを出す。イスに座っていると考えて頂きたい。コーナリング中、4輪だと横方向のチカラを感じる。2輪であれば身体が重くなったように感じることだろう。乗り物で最も強いGを出すのは飛行機。これまた横方向のGでなく、バイクと同じ天地方向となる。

動物は横Gを出さない。4WD技術者が「高速で移動するカメいたら出ます」と言ったけれど、そら世の中に無いモノの例えだと2人で笑ったら、サポーターの方が上の動画を探してくれた。ウナりましたね! 確かにこれで曲がったら横G出すと思う。意外なことに甲羅の後半3分の1は柔らかい。ただカメも水中を高速で泳ぐときはバンクさせて曲がってます。天地方向のGということ。

このくらい書けば動物は横G出してないと理解して貰えるだろうか? 解る人は直感的に解るけれど、私が英語を理解出来ないのと同じく頭の構造の違いだと思う。ちなみに横Gを出す乗り物と上下方向のGで曲がる乗り物は構造が全く違います。バイクにサイドカー付けて横方向のGを出すようにすると、攻めたら壊れる。人間もスキーで横方向に掛かるG出したら、関節がワヤになってしまう。

電車は横方向のGを出したくないからコーナーにカントを付ける。さらに速度出そうとすれば振り子で抑えようとする。人間、自然なのは天地方向のGです。そうそう。動物の全開コーナングで興味深かったのは、前足って操舵担当じゃなく後輪操舵だという点。だからドリフトは本能的に楽しいのかもしれませんね。サーフィンもスノボも後輪操舵です。このあたりはいずれまた。

MEMO:

鉛が超低温で新たな超伝導状態、千葉大らが発見:鉛を貫く磁場の計測に成功

「亜鉛空気電池」が二次電池の新たな道を切り開く可能性

スマートフォンや電気自動車など、現代の多くの電化製品には充電可能な「リチウムイオン電池」が用いられています。多くの需要に伴い、材料となるリチウムの枯渇や価格高騰などの問題が発生することから、リチウムに代わる二次電池の探求が進められている中、「亜鉛空気電池」と呼ばれる電池について、新たな知見が得られたと研究者が明らかにしました。

オーストラリアのエディス・コーワン大学所属のムハマド・アズハル氏らは、負極として使われる既存の材料を見直し、コバルト、ニッケル、鉄を含むナノ複合材料を新たに合成して負極に使用しました。

この材料を用いた亜鉛空気電池は、1.48Vという高い開路電圧を示し、充放電中に電流密度5mAcmで0.77Vという低い電位差を実現したとのこと。別の素材では、高い電位差により安定性が保たれないことが確認されていますが、アズハル氏らの材料では、最大950時間以上安定した性能を示したとのことです。

月や火星で重力を生み出す巨大施設「ルナグラス」構想。京大と鹿島建設が考えたらしい…

宮台真司さんのトリチウム生物濃縮デマにガチ化学研究者さんが反論・解説

東大、「音で発電」する新素子

東京大学大学院工学系研究科の研究グループは、騒音などの「音力」で発電する超薄型音力発電素子を開発したと発表した。

今回研究グループは、「電界紡糸法」と呼ばれる技術で形成した複数のナノファイバーシートを積層し、50μm以下という超薄型の「ナノメッシュ音力発電素子」を開発した。この素子は、2層のナノファイバー電極シートで圧電材料であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)のナノファイバーシートを挟むことで形成され、多数の微細孔がある構造を持っている。

音による空気の振動が圧電材料であるPVDFナノファイバーシートに直接伝わるため、従来の素子よりも大きな電力を生み出せるといい、さらにPVDFナノファイバーシートのファイバーを一方向に配向させることで、8.2W/平方mという世界最高の電力密度を実現したという。

「LK-99は超電導体ではない」 Nature誌が掲載 世界中の科学者の追試結果を紹介

知ってた

羽根が一切ないタービン「テスラタービン」は一体どのような形なのか?

常温常圧で「超電導」になる物質を合成したとする論文について科学雑誌Scienceが解説

業界を揺るがす発見になるかと期待されているこのLK-99について、ロウ氏は「調製手順が極めて単純であること」を利点としてあげています。ロウ氏は「本当に、研究者らの主張通りであることを願っています。本当であればノーベル賞ものの発見であり、世界中の固体材料研究所が昨日も今日もLK-99の合成と特性を再現しようと試みていることは間違いありません。最初のサンプルがそろそろ出てくるはずです」と話し、超電導体の再現性について期待の声を寄せました。

再現はできるのか?(できなさそう)

「室温かつ常圧で超電導状態になる物質」を開発したとする論文&ムービーが公開される

韓国の研究チームが「室温かつ常圧での超電導」を実現したとする研究論文をプレプリントサーバーのarXivで公開しました。研究チームは超電導によって磁気浮上が発生する様子を撮影したムービーも公開しています。

「室温で超電導を実現した」と主張する研究論文は2020年にも発表されていました。しかし、2020年に発表された論文では物質を1ギガパスカル(1万バール)という高圧環境下に置く必要があった他、「データが欠如している」といった指摘を受けて発表が撤回される事態に至っています。今回の論文も記事作成時点ではプレプリントサーバーに公開されただけなので、今後の検証結果に注目する必要がありそうです。

歯が生えてくる薬、日本で来年臨床スタート!

大阪の公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院が、歯の再生治療薬を開発し、来年7月からの治験開始に向けて臨床ボランティアを募集中です。

これまでの高温超伝導体は乱れていたことが判明 ―乱れを除去して激変した電荷の振る舞い―

東京大学物性研究所の黒川輝風大学院生(同大学大学院理学系研究科在籍(当時))、近藤猛准教授、および東京理科大学先進工学部電子システム工学科の磯野隼佑大学院生(当時)、常盤和靖教授の研究グループは、東京大学物性研究所の小濱芳允准教授、東京理科大学先進工学部物理工学科の遠山貴巳教授、理化学研究所創発物性科学研究センターの酒井志朗上級研究員らの協力のもと、銅酸化物高温超伝導体におけるモット絶縁体(注1)相の極近傍における電子状態を解明しました。

1986年に発見された高温超伝導は、20世紀後半の物理学で最も重要な発見の一つです。その結晶は、CuO2面(注2) と電荷供給層とが積層した構造です。電荷供給層から電荷が注入されなければ、モット絶縁体となります。高温超伝導の発見以来37年もの長きに渡る研究を経て確立した電子相図(注3)は、反強磁性秩序を電荷注入で完全に消去しなければ電気が流れないことを示していました。本研究では、乱れを生む電荷供給層との直接接触を避けることで電荷分布が均一となった、乱れのない綺麗なCuO2結晶面を有する多層型銅酸化物高温超伝導体(図1(c)、注4)に着目しました。レーザー光電子分光(注5)を用いた電子構造の精密測定、および強い磁場を用いた量子振動(注6)測定を行った結果、注入される電荷が、反強磁性秩序が消える遙か手前の限りなく微量でも、金属的に自由に動き回れることを見出しました。この結果は、これまで確立されたと考えられていた銅酸化物高温超伝導体の電子相図が、CuO2面に乱れがある場合に特化したものであったことを意味します。より本質的な真の電子相図を提案する本研究結果により、高温超伝導研究の新展開が期待されます。

生命起源の鍵?自己複製できる最小のRNAを早稲田大/東大が発見

早稲田大学理工学術院、東京大学大学院総合文化研究科の研究グループは、自分のコピーの合成を触媒する最小のRNAを発見した。生命の起源の解明につながるという。

研究グループでは、原始地球にも存在し得たと考えられる、20塩基のランダムな配列の原始RNA集団に起きる化学反応を調査。マグネシウムイオン濃度が高い環境に数日間さらすだけで、組み換えや連結反応が起き、長いRNAが生まれることが分かった。また、生成されたRNAを調査したところ、特定の配列や構造を持つRNAファミリーが濃縮されていることが分かった。

さらに濃縮されたRNAを解析したところ、自身のコピーを作る20塩基の自己複製RNAを発見した。自身に結合する2つの10塩基のRNAの連結を触媒することで、自分と同じRNAを合成。特に原始地球に広く存在したと考えられている「2′,3′-環状リン酸」と「2′,5′-ホスホジエステル結合」という2種類のRNA修飾が重要だったことが分かった。

この自己複製RNAは、これまで知られていた最小のRNAと比べても3分の1以下の長さしかなく、原始の地球でも十分に生じ得たと考えられるという。また、生化学的特徴を解析したところ、指数増殖する潜在性が示されたほか、過去に構築された長い自己複製RNAとよく似た特徴や構造を多く有することも分かったという。

グループでは、発見された自己複製RNAを基に持続的な複製や進化を実現できれば、単純な分子の複製体がどのように情報や機能を拡張していくか検証でき、生命の起源過程の理解を推し進められるとしている。

この宇宙は丸ごとブラックホールの中にあると主張する「シュワルツシルト宇宙論」とは?

ブラックホールは光さえ逃れられないほど極端に重力が強いため、もし地球がブラックホールに飲み込まれればスパゲッティ化現象により引き延ばされて粉砕され、最終的に跡形もなく消えてしまいます。

従って、ある時点でブラックホールが地球を飲み込んだ可能性は排除できますが、実は地球がブラックホールの中にある可能性はまだ他にも存在します。それは、地球や地球が位置するこの宇宙が最初からブラックホールの中で誕生したというシナリオです。

シュワルツシルト宇宙論、あるいはブラックホール宇宙論とよばれるこの理論では、この宇宙は親宇宙の中であるブラックホールの中で膨張している最中であるとされています。つまり、ロシアのマトリョーシカ人形のように、宇宙の中にさらなる宇宙があるという入れ子構造になっていることになります。

アメリカ・ロードアイランド大学のブラックホール物理学者であるガウラブ・カンナ氏によると、ブラックホールはビッグバンの逆バージョンのようなもので、数学的にも似ているとのこと。ブラックホールがあらゆる物質を飲み込む超高密度の小さな特異点に収束していくのに対し、ビッグバン理論ではまさにこうした特異点が爆発して全ての物質が誕生したと説かれています。

この説では、ビッグバンは初め、より大きな親宇宙にあるブラックホールの特異点であったと仮定しています。「そして、ブラックホールの中にあるこの高密度の中心部が圧縮に圧縮を重ね、それが何らかの拍子に爆発すると、ブラックホールの中に赤ちゃん宇宙が形成されます」と、カンナ氏は説明しました。

ブラックホールの事象の地平面を越えてからまた戻ってくることはできないため、この説を証明することもほぼ不可能ですが、もしこの世界がブラックホールの中にあるとすれば、そのブラックホールはとてつもなく巨大な、宇宙規模のブラックホールだということになります。

ビッグバンとビッグクランチを知った人がまず考えることではある。

トカマク式核融合が超小型化、MIT発ベンチャーが高温超電導でゲームチェンジ

ふーむ

NIST、より効率的に熱を電気に変換する新手法

東大、鉄系超伝導体にて第4の超伝導状態「フェルミ面を持つ超伝導」を確認

東京大学(東大)は5月18日、鉄系超伝導体の一種である「FeSe1-xSx」において、これまでに報告されたことのない新しい超伝導状態が実現していることを明らかにしたと発表した。

なお、今回の研究について研究チームでは、「金属のような特徴を有する超伝導体」というまったく新しい超伝導状態を初めて直接的に明らかにしたものだとしており、今後の新たな非従来型超伝導体の物理を切りひらく、重要な成果となると考えられるとしている。

本文中の解説、なんもわからんかった

これまでブラックホールだと思われていたものは「ブラックホールのように見えるが実は異なる存在」である可能性

ブラックホールは巨大な恒星が自身の重力に耐えきれず崩壊してできる、光すら脱出できないほど超高密度かつ大質量の天体だとされています。ところが、ジョンズ・ホプキンス大学の理論物理学者らが新たに発表した論文で、「ブラックホールだと思われていたものは、実はブラックホールのように見える別の存在かもしれない」と主張しています。

研究チームがトポロジカル・ソリトンの近くを通過する光の挙動を調べたところ、時空をねじ曲げるトポロジカル・ソリトンはブラックホールとほぼ同じように光に影響を与え、光はトポロジカル・ソリトンの周囲で曲がり、中心部は暗い影に見えるとことがわかりました。そのため、これまでに観測された「ブラックホール」だとされていたものが、実はトポロジカル・ソリトンだった可能性があるというわけです。

もっとも、トポロジカル・ソリトンは特異点ではないため、光や電磁波も抜け出せない事象の地平面は存在しておらず、近づいたとしても脱出することができるとみられています。

なお、トポロジカル・ソリトンは弦理論に基づいた非常に仮説的な存在であり、記事作成時点では十分に研究可能なほど地球に近いブラックホールも見つかっていません。しかし、トポロジカル・ソリトンとブラックホールの観測上の違いを発見できれば、弦理論自体をテストする道が開かれる可能性があるとのことです。

書評 「進化的人間考」

岡山大、TMDCによる一次元構造の「ナノリボン」の合成に成功

岡山大学は5月12日、「酸化タングステン(WxOy)ナノワイヤ」の成長を介した新しい化学気相成長法により、原子レベルに薄い遷移金属ダイカルコゲナイド(TMDC)の一次元構造「ナノリボン」の合成に成功したことを発表した。

CO2から室温でメタノールを合成、金属間化合物の新触媒で 東工大

二酸化炭素(CO2)と水素を原料とし、室温でメタノール合成を促す触媒を、東京工業大学の北野政明教授(触媒化学)と細野秀雄栄誉教授(材料科学)らのグループが開発した。新触媒はパラジウム(Pd)とモリブデン(Mo)からなる金属間化合物。簡単に作れて耐久性も高いと見込まれることから、実用化の可能性があるという。

マイクロソフトが「核融合の電力購入契約」を締結。2028年までに米・核融合スタートアップが供給目指す

アメリカの核融合スタートアップHelion Energy(ヘリオン・エナジー、以下ヘリオン)は5月10日、2028年までに稼働開始を目指している同社初の核融合発電所で発電した電力をマイクロソフトに供給する契約を締結したと発表した。この契約は「世界初の核融合発電によるエネルギー購入契約」だという。

ただ、気になるのは「本当に実現できるのか」という点だ。現時点で核融合発電が実証可能であることを証明した企業が存在しないことなどを考えると、「2028年までに商業化を実現する」という目標は、いささか強引な感は否めない。

まず原料には、重水素とヘリウムの同位体である希少なヘリウム-3を使用。原料をそれぞれプラズマ化したあと、装置の両端に設置した二つの加速器で時速100万マイル(時速約160万キロメートル)にまで加速し、装置中央で衝突させることで核融合反応を「非連続的」に発生させる。

ヘリオン・エナジーのウェブページにある説明によると、核融合反応によって生じたエネルギーの影響でプラズマが膨張し、装置内の磁場が変化。この時、中学理科でも登場する「ファラデーの電磁誘導の法則」(磁石をコイルに近づけたり離したりする際に電流が生じる現象)によって電流(誘導電流)が発生する。この電流を取り出すことで、電力として利用しようというわけだ。

ヘリオン・エナジーによると、この方式は炉の小型化が可能で低コストで済む点がメリットだという。

東大、幅がベンゼン環1個分のグラフェン「ポリアセン」の合成に成功

東京大学(東大)は5月9日、ベンゼン環が直線状に連結した構造を持つアセン類において、規則的なナノサイズの空間を有する「多孔性金属錯体」(MOF)を利用することで、長いものでは数十個、平均して19個を連結させ、理論上の存在だった「ポリアセン」を合成することに成功したと発表した。

アセン類の歴史は、1912年に5個のベンゼン環が直線上に並んだ「ペンタセン分子」が合成されたことで始まった。しかしアセンは、長くなると溶解性や安定性が大きく低下するため、合成がより困難になっていく。現在最長のアセンは、2020年に報告されたベンゼン環12個からなる「ドデカセン」であるが、従来法でこれ以上長いアセンを実現するには限界が迫っていた。そこで研究チームは今回、金属イオンとそれをつなぐ有機物からなり、規則的なナノサイズの空間を有するMOFに着目し、ポリアセンを合成するための新手法の開発を試みたという。

研究チームではこれまで、MOFのナノ細孔を反応場とすることで、高分子やナノカーボン材料の制御合成に成功していた。そこで今回はまず、一次元状の空間を持つMOF内に、ポリアセンの原料となるモノマーを導入し連結反応を行うことで、ポリアセンの前駆体となる高分子を合成することにしたとする。

トウモロコシの芯を活用し、便利な有機ケイ素高分子に 群馬大が開発

トウモロコシの芯など食料の捨てる部分から「ビフラン」と呼ばれる分子の骨格を合成し、これを使って優れた有機ケイ素高分子を開発したと、群馬大学の研究グループが発表した。紫外線を吸収したり、蛍光を発したりする特性があり、リサイクルもしやすい。電子材料やコーティング材料、セラミックの基となる物質として活用が期待されるという。

「駆逐してやる!」とザリガニつぶす子も…「外来種駆除に子どもを関わらせたくない」指導員の本音

「本心としては外来生物の防除作業に子どもを関わらせたくない」。自然を守るために地域に根ざした活動を行う自然観察指導員の率直な投稿が、ネット上で話題を呼んでいる。投稿者は野草愛好家としてメディアへの出演経験もある川井希美さん。近年、子どもたちへの手軽な環境教育として盛んに行われている外来生物の駆除活動だが、どんな問題があるのか。川井さんに投稿の真意を聞いた。(取材・文=佐藤佑輔)

「『子ども向けの外来生物駆除』の話をいただいたけど、本心としては外来生物の防除作業に子どもを関わらせたくない。害があるから駆除って短絡的で、駆逐してやる! って言いながらアメザリを潰す子もいた。外来生物の防除をするよりも、子どもにはたくさんの生きものと触れ合う自然体験をしてほしい」

今月3日、川井さんがSNS上で行った投稿は、900件を超えるリツイート、4000件以上のいいねを集めるなど話題に。「『外来種は悪いもの』って、本来そんなに簡単に教えられることじゃないよね」「悪いのは外来種ではなく持ち込んだ人間」「『生き物を大切に』と『外来種は殺しましょう』って矛盾を教えるのは至難の業」といった共感の声が多数寄せられている。

「結局、子どもに外来種駆除をさせることが環境教育になると思い込んでいるんです。子どもを関わらせることが良くないとは言いませんが、駆除することが目的となってしまっているのはどうなのか。メダカやコイの放流がよしとされていた時代もあって、環境教育もどんどん考え方が変わっていくので、その都度アップデートしていかなきゃいけない。まずは身近な在来種を知ってもらい、外来種問題とは何かを考えてもらう。関わらせる以上は、形だけでなく適切なことを教えていくことが大切ではないでしょうか」

生き物を大切にすることと外来種駆除では、伝えるメッセージは正反対だ。環境教育において、このダブルスタンダードはどう解消していくべきなのか。

「外来種問題に携わっている人って、本来生き物が大好きな人だと思うんです。生き物が好きだから自然環境について考えて、ときには自然環境のために生き物の命を奪わなくてはいけないことがあると知る。中には駆除した外来種の慰霊祭を行っている団体もあって、それは自分たちの心のモヤモヤを取り払うためにもとてもいい試みだと思います。

環境保全という大きな目的があって、外来種駆除はその中の手段のひとつに過ぎない。自然環境にとって脅威になるとき、やむを得ずに行う手段のひとつが外来種駆除であって、それ自体が目的になってはいけないと思う。科学的視点を持つことは大切ですが、科学的に正しければ何をやっていいというわけでもない。私は専門家ではありませんが、短絡的になることのないよう、多様な考えを学ばせるのが本当の環境教育かなと思います」

川井さんは子どもが関わる外来生物駆除企画の一案として、「①短時間でいいので自然観察会をする」「②30種くらい生物を“子ども”が発見する(誘導は必要)」「③たくさんの生き物がいることを認識する」「④外来生物の話」の4つの手順を踏むことを検討しているという。外来種の駆除自体が目的となることのないよう、多方面からの教育が求められている。

【ゆっくり解説】シミュレーション仮説を実証するには世界のバグを探し当てるしかない

かつて「失われた技術」と言われたダマスカス鋼の秘密と、その顛末。: 現在位置を確認します。

ダマスカス鋼の成分は既に判明していて、ダマスカス剣は現代技術だとだいたい再現可能です。

分からないのは、"それが以前と全く同じ技法であるかどうか"という部分。これは時間を遡るわけにもいかないので、証明出来ない。ただ、ほぼ同じものが再現出来ているからには、おそらくロジックの部分では合っているだろう。

●ダマスカス剣が作られなくなった理由

一言でいうと、いいカンジに不純物の混じった原料が手に入らなくなったから。 実はダマスカス剣の原料となるウーツ鋼のインゴット(塊)は、不純物を含んでいた。その不純物が偶然、美しい模様を形成するのに役立っていたのである。だから原料をとる鉄鉱石の鉱山が変わって鉄に含まれる不純物の成分が変わってしまうと、ダマスカス剣は作れなくなってしまう。

ダマスカス剣が優れている、という伝説は、日本刀に対する神秘性の信仰とよく似ている。ただ、あくまで伝説なので、あまりうのみにするのもどうかと思う。っていうかそんなメチャクチャ優れてる武器だったら、それ持ってる側の勢力が圧倒的戦力で勝てるよね。 ダマスカス剣は、中世の世界の中では優れたレベルだったのかもしれないが、現代の工業用の鋼のクオリティと比べてはいけない。十字軍の時代はヨーロッパよりアラブ圏のほうが文明レベルが高いので、十字軍戦士の持っていった剣がショボすぎて、余計にダマスカス剣が素晴らしく見えたのではないかと思う。

人間が読書できるのは「もともと別の機能があった脳の領域をリサイクルした」からと示す研究結果

研究では、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)研究という方法により、記述された単語を脳が処理するときに機能する視覚単語形式領域(VWFA)と呼ばれる領域を特定しました。VWFAはごちゃまぜになった文字群から単語を抜き出したり、文字のつながりから単語を認識したりといった能力を発揮しますが、VWFAは物体の識別に関与する視覚野の一部である下側頭皮質(IT皮質)と呼ばれる領域に位置していたそうです。

研究に参加したコレージュ・ド・フランスの実験的認知心理学教授であるスタニスラス・デハーネ氏によると、「人が読み方を学ぶと、IT皮質の一部が記述された単語を認識するために特殊な発達を見せる」ことが、以前から発見されていたとのこと。しかし、個々のニューロンのレベルでどの領域がどれくらい再利用されているかをテストするには、技術的な限界があったそうです。そこで研究者たちは、霊長類の脳には元来テキストを処理する素因があってそれを利用しているだけだとしたら、人間以外の霊長類が文字を見た時の神経活動にも、その素因が反応するパターンを見つけることができるかもしれないと仮説を立てました。

この研究によると、読み書きによって脳に新しい機能が追加されたわけではなく、脳に元から備わっている機能の一部が代替していると考えられるそうです。このことから、意味のない単語と意味のある単語を区別したり、単語から特定の文字を取り出したりといった読書能力に関連したタスクは、読み方を知らないヒト以外の霊長類でさえ可能であることが示唆されました。実際に2012年に学術誌のScienceに掲載された研究では、ヒヒが単語と非単語を区別することを学ぶことができるとフランスの認知心理学者が示しています。

処理する脳がないのに「24個の高性能な目」を持つ新種のハコクラゲが見つかる!

最近、香港浸会大学(HKBU)生物学科に所属するジェンウェン・チウ氏ら研究チームが、香港のマイポ自然保護区で24個の目を持つハコクラゲの新種を発見しました。

[...]しかし、「ハコクラゲ」は、網膜や角膜、水晶体を備えた「画像を形成できるほど高性能な目」を持つことで知られています。

もちろんハコクラゲも脳を持たないため、脳で画像を処理することはありませんが、その高性能な目で明暗を感知するだけでなく、特定の光点を見分けることができると考えられています。

世界初、燃料物質である“油”を細胞外に生産する微細藻類の開発に成功:材料技術

大成建設、埼玉大学、中部大学、かずさDNA研究所の4社は2023年4月12日、外来遺伝子を導入することなく、燃料物質である“油”を細胞外に生産する微細藻類の作製に世界で初めて成功したと発表した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクト「カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発」の下で開発したものだ。

微細藻類の一種である「シアノバクテリア(Synechococcus elongatus PCC 7942株)」に対して特定遺伝子の発現を抑制/強化することで、細胞内の燃料物質である遊離脂肪酸(Free Fatty Acid、FFA)を効率的に細胞外に生産することを実現している。

OILIX定期。

この手の油を生み出す微生物は定期的に発見されてるけど、実用的な産出量を確保できなくてそのままお蔵入りしている気がする。

じつはサケやほかの魚を「放流」しても、数が増えないどころか「減ることさえある」という「衝撃的な事実」

太陽の中心よりも6倍高い温度を球形トカマク型核融合実験装置「ST40」が達成し論文が公開される

しゅごい

CO2はどこへ行っているのか

長寿記録122歳が人間の寿命限界なのか?

寿命の限界が延びても健康寿命が変わらなかったら意味が無いどころか、むしろ有害な気がするが。

行動遺伝学者ロバート・プロミン「子供の成功には、親も学校もあまり関係ありません」 | 「何冊本を読み聞か...

やはり遺伝子が決定因子

アンモニア合成に大変革、東大などが空気と太陽光のみで実現へ

「ほぼ絶縁体であるダイヤモンドが半導体になるはずがない!」…シリコンの5万倍「ケタ違いの大電力...

水とCO2から人工石油をつくる「ドリーム燃料製造装置」、開発者は「永久機関的だ」

ホントかな?

東大ら、超伝導の新たなメカニズムの検証に成功

空気中の水素を直接電気に変換できる酵素をバクテリアから分離することに成功、小型で持続可能な発電装置...

ロチェスター大学の“室温超伝導”達成の報告に早速反論「結果が全く再現できなかった」

「室温超伝導」を実現したという画期的な論文が発表されるが研究チームの過去の不正疑惑から疑念の声も

昆虫の完全な「脳配線図」が初めて完成。約3000のニューロンと約55万のシナプスの接続を解明

ケンブリッジ大学とジョンズ・ホプキンス大学の科学者が、世界で初めてキイロショウジョウバエの幼虫(つまりウジ虫)の完全な脳配線図(コネクトーム)を完成させました。

これは、これまでに構築されたあらゆる動物の脳のコネクトームのなかで、最も複雑で入り組んだ構造のものです。ちなみに、研究者らは過去に線虫、カタユウレイボヤの幼生、イソツルヒゲゴカイの脳の完全なコネクトームをマッピングしてきましたが、これらはせいぜい数百のニューロンが数千のシナプスでつながっている程度のものでした。

今回のキイロショウジョウバエの幼虫の脳は、3016個のニューロンが54万8000本のシナプスで接続されているとのこと。昆虫と哺乳類の間にはまだ差があるものの、多くの点で基本的な生態に共通点がある昆虫の脳が完全にマッピングできたことは、科学者たちにとっては非常に大きな出来事と言えそうです。

「世界初」放射線が出ない核融合反応を実証 岐阜県土岐市の核融合科学研究所

【ゆっくり解説】自由意志はないって言うけど、じゃあ「私」ってなんなの?

報道官モジュール説の話。

結局、我々が人格として見えている部分はUIみたいなもので、本質的な決定には関わっていないと。

放流の問題

東大、鳥類の翼は恐竜「マニラプトル類」で進化して受け継がれたと解明

東京大学(東大)は2月27日、世界各地の地層から産出した化石骨格の姿勢の比較解析を行い、鳥類の翼の前縁に張った膜状構造「前翼膜」は、恐竜の「マニラプトル類」で進化し、それが子孫の鳥類へと受け継がれて翼となったことを見出したと発表した。

外骨格の節足動物風情がニワトリさんに勝てる訳ねえだろクズが。

いいか!生物の性能は酸素の摂取能力で決まる!

@wolfeed

ニワトリはすごいぞ。哺乳類では遠く及ばない最強の酸素摂取能である気嚢から得られるエネルギーを更に品種改良によって成長速度にガン振りする事ですげえ勢いで育つ。

しかもうまい。

外骨格の節足動物風情がニワトリさんに勝てる訳ねえだろクズが。

@wolfeed

東大、透明かつ構造材として利用可能な強度を持つCNF製板状材料を開発

東京大学(東大)は2月17日、木材由来のセルロースナノファイバー(CNF)を用いて、透明かつ建築物や輸送機器などの構造材として利用できる高い強度を持つ板状材料を開発することに成功したと発表した。

しかし、CNFシートは希薄な分散液から形成するため、厚さ数十μmの薄膜状での形成となり、構造利用に足る厚さ数mm以上の材料を作成することができない。この成膜プロセス上の課題が、構造用途での活用を妨げていたという。そこで研究チームは今回、CNF薄膜を多重に積層して接着し、厚みのある板状CNF材料の形成に取り組むことにしたとする。

ダークエネルギーの源が「ブラックホール」である可能性を示す最初の糸口が見つかる

宇宙空間に存在するとされる「ダークエネルギー」については、星や銀河の観測から存在が推測されているものの、それが何であり、どこから来るのかは分かっていません。新たな研究により、宇宙の大部分を構成する謎のエネルギーは「ブラックホール」が説明してくれる可能性があることが分かりました。

タルレ氏らは銀河の中心にある超巨大ブラックホールに着目し、観測結果を過去と現在で比較しました。ブラックホールの質量が過去90億年にわたって変化し続けていることは先行研究で明らかになっていましたが、タルレ氏らが変化の過程を調べたことにより、現在のブラックホールは90億年前に比べて7~20倍へと質量を増していたことが判明します。

しかし、比較対象となったブラックホールは周囲の物質を吸収し尽くした後であったため、通常のプロセスでは質量の増加を説明できません。そこでタルレ氏らは、これらのブラックホールに真空のエネルギーが含まれており、宇宙の膨張と「結合」しているため、宇宙が膨張するに従って質量も増加したのではないかとの説を提唱しました。

夢のエネルギー「核融合発電」が実用化されるのは結局いつごろなのか?

具体的には、最初の核融合発電所の登場と世界中にたくさん核融合発電所が作られるまでの時間差は、約50年と見積もられているそうです。つまり、最初の本格的な核融合発電の登場が2040年~2050年ごろだと仮定すれば、その後核融合発電が世界的に普及するのは2100年ごろになります。

こうした点からニコラス氏は「『1つの国の電力の10%や20%が核融合で賄われるようになるのはいつですか?』と問われれば、その答えは2100年です」と話しました。

2050年ぐらいに前倒しできないもんだろうか。

【特集】5年で廃れた電池、今のオモシロ電池、未来の電池ってどんなもの? ~知ってるようで知らない...

Blue Origin、月面の砂から太陽電池や電線の素材を得る「Blue Alchemist」技術発表。酸素も副産物

世界が震えた。ホワイトホールの真実と謎について

「一切交換の必要なし…」無限に充電し続けられるバッテリーの作り方が発見される

カリフォルニア大学アーバイン校(UCI)の研究者たちは、未来のバッテリーの製造方法を変える可能性のある技術を発明した。永久的に使えるうえ、車や家庭の電源供給さえできるかもしれないバッテリーを想像できるだろうか。努力と幸運が結びつけば、将来のエネルギー消費に大きなインパクトを与える、驚くべき革新がいくつも生まれるかもしれない。2016年4月に『Energy Letters』に発表された論文やその後の報道によると、UCIの博士課程に在籍していた化学専攻学生のマヤ・レイ・タイ(Mya Le Thai)は、永久に充電を続けられる可能性のあるバッテリー技術を偶然に発見した。

研究室でさまざまな材料を試していたマヤは、あるとき、1組の金ナノワイヤを、非常に薄いゲルの層でコーティングした。この薄いゲルでワイヤを包むことにより、キャパシタのフィラメントは、数十万回の充電でもその特性を維持する。

UCIの研究者たちが開発した、この革新的な発明が実用化されれば、コンピューターやスマートフォン、家電製品、車、宇宙船などの寿命が大幅に延びる可能性がある。科学者たちは長いあいだ、バッテリーにナノワイヤを利用する試みを続けてきた。ナノワイヤは、人間の髪の毛の数千分の一の細さでありながら導電性が非常に高いうえ、電子の貯蔵や移動のための表面積が大きいという特徴がある。一方で、その微小さのために非常に壊れやすく、放電と充電の繰り返しに対する耐性がほとんどない。一般的なリチウムイオンバッテリーに使用すると、膨張してもろくなり、破損につながってしまう。

UCIの研究者たちはこの問題を、金ナノワイヤを二酸化マンガンのシェルのなかでコーティングし、それを「アクリル樹脂のようなゲル」でできた電解質で包むことによって解決した。この組み合わせは信頼性が高く、故障が起きにくい。マヤ・レイ・タイが発明したこの技術を使って研究チームが開発したプロトタイプは、3カ月間で20万回近くの充電に耐えた。実験の結果、電力や容量の損失はなく、どのナノワイヤも破損していないことがわかった。「常識では考えられません」と、UCI化学学科の学科長を務めるレジナルド・ペナーは述べる。「なぜなら、通常であれば、これらの材料は5000回または6000回、最高でも7000回を超えると、劇的に充電能力を失うからです」

UCIの研究チームは、ゲルによってバッテリー内の酸化金属が可塑化され、柔軟性が与えられることで、破損しなくなると考えている。「コーティングされた電極は、その形状を大幅に保ちやすくなるため、信頼性の高い選択肢になります」と、タイは述べる。「この研究は、ナノワイヤを使用したバッテリー電極でも長寿命を獲得できること、そして私たちはそのようなバッテリーを現実のものにできることを証明しています」

しゅごい

スタンフォード大、リチウム金属電池が故障する要因を解明

固体電解質を用いたリチウム金属電池は、軽量で多くのエネルギーを蓄えられ、かつ非常に高速で充電できることから、次世代バッテリとして期待されている。だが、不可解なショートや故障が原因で開発が遅れていた。

研究グループでは、固体電解質に電気プローブを当てることで小型の電池を作製し、電子顕微鏡を使って急速充電時の様子を観察。その結果、プローブを押し当てるとショートする可能性が高まることから、わずかな欠陥や機械的な負荷が固体電解質の故障を引き起こしてしまうことが分かったという。

固体電解質には主にセラミックが用いられているが、セラミックの表面には幅20nm未満のひびや亀裂、へこみが多く存在しており、急速充電中にそこからリチウムが侵入してしまうという。研究グループでは、課題の解決に向けて、材料をより強化する、電解質の表面をコーティングして亀裂を防ぐ、亀裂が生じた場合にそれを修理するといった手法を検討しているという。

ファンを使わずチップを直接“空冷”する「AirJet」が、今後のIntelに製品に搭載される

Frore Systemsが「AirJet」と呼ぶ冷却チップは、発熱するチップの上に載せて、機械的なファンを使わずに空気を取り入れることで対象のチップを冷却するという。厚さは2.8mmで、上部にあるスリットから空気を取り入れ、発熱したチップから熱を奪い、側面から排気される。吸排気には、超音波振動する振動膜が用いられているという。同社は、この「ソリッドステート」冷却ソリューションにより、従来の方法を使用した場合と比較して、CPUの性能を2倍にすることができると主張している。同社は1億ドルの資金を確保し、現在Intelと提携し、2023年にも同社のノートパソコンEvoシリーズに同社の技術を搭載するとのことだ。

AirJetは、銅製ヒートシンクと同じように固体素子だ。しかし、内部には超音波で振動する振動膜が含まれている。この振動によって、AirJetの上部にある吸気口に空気が吸い込まれる。AieJetの内部では、空気がヒートスプレッダから熱を奪う際に「脈動ジェット」に変換される。そして、最終的には側面に設けられた噴出口から排出される。

素粒子「ミュー粒子」使った暗号化技術開発 東京大学の田中宏幸教授らのグループが発表

宇宙から降ってくる素粒子の一種、「ミュー粒子」を使って、解読が極めて困難な暗号化技術の開発に成功したと東京大学の田中宏幸教授らのグループが発表しました。ミュー粒子は透過力が強く、あらゆる人工の構造物を光速でくぐり抜けて直進します。

COSMOCATと名付けられた暗号化技術は、宇宙から降ってきたミュー粒子の観測時間を「暗号」や「暗号解読」のための情報に利用します。

ミュー粒子が降ってくる時刻は自然現象のため予測不可能で、今回の暗号化技術では、暗号に関する物理的な情報のやりとりも行わないため、「暗号解読は極めて困難」だということです。

「ミュー粒子の検出や時刻を記録するための装置はさほど高価なものではなく、今後、小型化や高速化、量産が実現すれば次世代の近距離通信で活用が期待できる」と田中教授は話しています。

この研究成果はアメリカのオンライン科学雑誌iScienceに掲載されました。

ミュー粒子が降ってきた時刻を乱数のシードにするという話なんだろうか?

半導体製造が止まる危機、人類の文明は終わりの日を迎えてしまうのか? ドライエッチング装置用冷媒が...

【ゆっくり解説】科学的に時間を操る結晶。タイムクリスタルについて語るぜ!

なるほど、わからん。

多様なエネルギー源があるが『お湯を沸かしてタービンを回す』からなかなか逃れられない人類

MHD発電くんが本気出してくれる日は来るのだろうか?

2022年・世界の医療を進展させた「生物・医学の研究報告」ベスト7

  • 第1位:実験的治療で参加者全員の直腸がんを完全消滅させることに成功!
  • 第2位:新しい科学捜査!「猫の毛」には現場にいた人間のDNAが残ると判明!
  • 第3位:東大がオスだけを狙って殺す細菌タンパク質「Oscar(オス狩る)」を発見!
  • 第4位:研究者の性別でマウス実験の「抗うつ剤」効果が変わると判明!
  • 第5位:脳細胞に咲く「毒の花」がアルツハイマー病の真の原因と判明!
  • 第6位:マウスの脳に光ファイバーを刺し込んで友達を変更することに成功!
  • 第7位:【ミクロの男女戦争】5万年前人類はX染色体の大攻勢で女性しか生まれなくなっていた!

福井大教授の論文、6本で不適切な「査読」…「研究者倫理から逸脱した行為」

福井大の女性教授が自身の論文を巡り、外部の研究者が内容を審査する「査読」に自ら関わったとされる問題で、福井大の調査委員会は20日、論文計6本の査読の過程に不適切なやり取りがあったと発表した。2本は撤回済みで、残る4本も取り下げるよう教授に勧告し、処分を検討する。

報告書などによると、女性教授は千葉大教授ら3人を査読者として学術誌の出版社に推薦。査読者に決まった3人からコメント作成を頼まれ、共著者の教員2人に作らせて提供した。査読者はこれを出版社に提出し、論文が掲載された。

不適切な査読に関わったのは、千葉大教授が5本、元金沢大教授と元浜松医科大教授が各1本だった。

女性教授は「査読者は自分より経歴があり、高名な先生。忙しいので査読の労力を減らすべきだと考えた」と説明したという。

福井大の友田明美教授ということらしい。

マルトリーメントに関する著書は読んだことがあるな。

日立金属子会社が実現、スゴい「水素吸蔵合金」の全容

三徳(神戸市東灘区、角田達彦社長)は、ニッケルやコバルトなどを使わない低コストな水素吸蔵合金を開発した。従来は加工が難しかったチタンと鉄の合金で実現。水素吸蔵合金は水素を気体状態と比べ1000分の1以下に体積を圧縮して貯蔵でき、漏えいの危険性も低い。比較的低圧で貯蔵可能で、住宅街やオフィスでの水素利活用に適している。顧客ニーズを取り込み、国内での量産体制整備を目指す。

チタンと鉄による水素吸蔵合金は、高硬度で粉砕加工コストがかさむため、これまで製品化が難しかった。チタンは、ニッケルやコバルトなどと同じくレアメタル(希少金属)だが、品種によっては調達コストが比較的安い。それを独自方法で加工することで適切な価格で製品化できる見通しが立ったという。

「空気からパンを作る技術」に100年越しの革命を。東工大ベンチャーの挑戦

おぉー

今年のブレークスルー

小惑星をナノファイバー製の網で包み、スペースコロニーに--米研究者が構想

この小惑星都市は、「オニール・シリンダー」(物理学者のGerard O'Neill氏が1970年代に提案した、回転するスペースコロニー)と呼ばれるアイデアを基本概念にしており、小惑星を回転させることで人工的に重力を生み出すという。映画「インターステラー」に出てくるシリンダー型のスペースコロニー、クーパーステーションをイメージするといいだろう。これは実に興味深いアイデアだが、巨大スケールのオニール・シリンダーを建設するのに必要な資材を宇宙に輸送するのは困難で、費用もかかるはずだ。

そこで、ロチェスター大学の研究チームはさらに大胆な方法を提案している。薄くて強度の高い、巨大なカーボンナノファイバー製の網で小惑星のがれきを囲み、円筒状の居住空間に変えるというのだ。この網は、アコーデオンのような構造になるという。

荒唐無稽な話のように思われるかもしれないが、Frank氏によれば、この小惑星都市を建設するための技術や工学は、物理の法則に従っているという。「われわれの計算に基づけば、直径300m(アメリカンフットボールのフィールドを数個並べたほどの長さ)の小惑星をこのやり方で拡張することで、約22平方マイル(約57平方km)の居住環境を生み出せる。これはマンハッタンとほぼ同じ面積だ」

点火に成功! 核融合発電は手の届くところに

高容量で格子体積が変化しない電池材料が誕生、「夢の電池」実現へ

しゅごい

2022年の驚くべき発見22 人類の知はこれだけ広がった

  • 太古の熱帯雨林の化石群をオーストラリアで発見
  • 火星の岩に謎の紫色のコーティング、生命の痕跡か
  • 伝説のスペインの難破船、米国の海岸で発見
  • 死にゆく臓器を蘇らせる新技術「OrganEx」を開発
  • トンガの火山、桁外れに奇妙な噴火
  • 砂粒大、世界最小のカタツムリを発見
  • 気候変動が健康に及ぼす影響は? IPCCが報告書
  • ニシキヘビの卵を食べるボブキャット、在来種の反撃
  • ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の初画像
  • 南極大陸の棚氷に不吉な亀裂を発見
  • 古人類の歯をラオスで発見、謎の人類デニソワ人か
  • メコン川の巨大エイ、淡水魚の世界記録を更新
  • 「恐竜絶滅の日」、新事実が次々と明らかに
  • 人間の血液や肺からマイクロプラスチックが見つかる
  • アイスランドの火山噴火、数十年にわたる活動の予兆
  • クモも夢を見るのか? レム睡眠らしき活動を発見
  • アフリカ最古の恐竜の化石が見つかる
  • 人工の微生物叢を構築
  • 絶滅とされた「幻の植物」をおそらく再発見
  • 新種のヘビ3種、墓地で発見
  • 2600年手付かずの古代レリーフを発見
  • タンパク質の謎を解き明かす

物理学者サビーネ・ホッセンフェルダー:「物理学が宗教に紛れ込む領域はかなりある」

初期宇宙に関する仮説など、物理学の多くの研究が「数学を装って科学と称する宗教」であると書かれていますね。それについて詳しく教えていただけますか?

物理学の基礎が宗教に紛れ込んでいる分野がかなりありますが、物理学者は注意を払わないので気が付きません。それは、一般的な科学哲学の教育が不足しているのです。例えば、宇宙の始まりについて最も一般的に受け入れられている話はビッグバンですが、これはある程度、方程式を過去に推定できる最も単純な方法に過ぎません。さらに、指数関数的に膨張するインフレーションを加えたり、ロジャー・ペンローズのようにサイクリック宇宙にすることもできます。しかし、もしかしたらビッグバウンスかも知れないし、膜の衝突で始まったのかも知れません。これらのアイデアはすべて可能であり、私たちの観測結果とも一致します。しかし、私はこれらを非科学的と呼んでいます。つまり、証拠が何もなく、反対もできないような考えです。

神や他の崇高な力が宇宙を創造したと言うのも同じくらい合理的なのでしょうか?

それは難しい質問です。物理学者が扱う理論は本質的に数学的ものであるのに対し、神の仮説は数学的なものではないという意味で、両者には違いがあります。

夢の完全養殖へ前進! ウナギの「赤ちゃん」のえさ解明へ

とりあえず禁漁しろや感がすごい

人間のように思考する「汎用人工知能(AGI)」が実現するまでのロードマップ

娯楽の分野

  • ■○×ゲーム(三目並べ)で人間に勝つ:1972年に達成
  • ■チェッカーで人間に勝つ:1994年に達成
  • ■チェスで人間に勝つ:1997年に達成
  • ■クイズ番組「ジェパディ!」で人間に勝つ:2011年に達成
  • ■囲碁で人間に勝つ:2016年に達成
  • ■StarCraftで人間に勝つ:2019年に達成
  • □ドローンレースで人間に勝つ
  • □自動運転車がF1などの非シミュレーションレースで人間に勝つ

身体的な分野

  • □都市環境で1週間生存できるロボット
  • □人の髪を切ることができるロボット
  • □自分で服を着ることができるロボット
  • □筆で絵を描けるロボット
  • □おいしい高級コーヒーを入れるロボット
  • □アメリカの一般家庭に入って、その家のやり方でコーヒーを入れられるかを試すウォズニアック・テストをパスするロボット
  • □2本の人型の手でピアノやギターなどの楽器を演奏できるロボット

スポーツ分野の分野

  • □普通の自動車を運転してF1などの非シミュレーションレースで人間に勝つAIロボット
  • □ゴルフで人間に勝つAIロボット
  • □テニスで人間に勝つAIロボット
  • □水泳で人間に勝つAIロボット
  • □サッカーで人間に勝つAIロボットチーム
  • □アイスホッケーで人間に勝つAIロボットチーム

ストーリーテリングの分野

  • □大手雑誌に掲載される短編小説を書けるAI
  • □賞を受賞する短編小説を書けるAI
  • □大手出版社から本が出る長編小説を書けるAI
  • □賞を受賞する長編小説を書けるAI
  • □大劇場で上演される戯曲を書けるAI
  • □賞を受賞する戯曲を書けるAI

芸術の分野

  • ■AIが生成した絵画や映像作品が大きなアートコンテストで優勝する:2022年に達成
  • ■AIが生成した絵画やビジュアルアートが10万ドル(約1400万円)で売れる:2021年に達成
  • □AIが結成した音楽バンドの曲がSpotifyなどのプラットフォームで月間100万人以上のリスナーを獲得する
  • □AIが作った彫刻が一流美術館に展示される。
  • □AIまたはロボットが1人の人間とライブ演奏する
  • □AIまたはロボットが複数の人間のグループとライブ演奏する
  • □AIまたはロボットが複数の人間のグループとジャズ・スタンダードをライブ演奏する

社会的な分野

  • □1万人以上の人が、エンターテインメント用のチャットボットと定期的にやりとりする
  • □AIまたはロボットが、ランダムに選ばれた訓練を受けていない犬に「お座り」を仕込むことができる
  • □AIまたはロボットが、人前で5分間スタンダップコメディでトークし、複数人を数回笑わせることができる
  • □AIまたはロボットが、人間を模倣して新しい動作をコピーする(卵を割るなど)
  • □AIまたはロボットが、人間を模倣して新しい芸術的な動作をコピーする(ダンスなど)
  • □AIまたはロボットが、人間の監督と指導により新しい何かをする(人間に見守られてクッキーを焼くなど)
  • □AIまたはロボットが、難しすぎて人間に助けを求めるべきタスクを判断できる
  • □都合がいい場合にうそをつくAI
  • □人間が命じた明示的もしくは暗示的な制限を認識した上で、都合がいい場合はそれを破ることができるAI
  • □かわいらしい動作で人間の共感を得ることができるAIまたはロボット
  • □課題をどのように解決したかを大人に説明できるAI
  • □課題をどのように解決したかを大人にトレーニングできるAI
  • □課題をどのように解決したかを子供に説明できるAI
  • □課題をどのように解決したかを子供にトレーニングできるAI

経済的な分野

  • □大学に入学し人間と同じ講義を受けて合格し、単位を取得する「ロボット大学生テスト」をパスするロボット
  • □ガソリンスタンドで給油の仕事をして、客の合理的な要望に対応できるロボット
  • □ガソリンスタンドでレジ打ちの仕事ができるロボット
  • □経済的に重要な仕事をして、少なくとも人間と同じ働きができる「雇用テスト」をパスするロボット
  • □会社を起こす(人の手を借りずに1年以上事業を続けて、利益を上げるサービスを立ち上げるなど)
  • □AIが6カ月間以上にわたり、時価総額が100万ドル(約1億4000万円)以上の価値を維持する仮想通貨を立ち上げる
  • □AIが6カ月間以上にわたり、時価総額が1000万ドル(約14億円)以上の価値を維持する仮想通貨を立ち上げる
  • □AIが6カ月間以上にわたり、時価総額が1億ドル(約140億円)上の価値を維持する仮想通貨を立ち上げる
  • □AIが6カ月間以上にわたり、時価総額が10億ドル(約1400億円)以上の価値を維持する仮想通貨を立ち上げる
  • □人間と経営戦略について議論し、議論を高めることができるAI
  • □人間のチームと経営戦略について議論し、議論を高めることができるAI

親密さを要求される分野

  • □子どもを寝かしつけられるロボット
  • □両親が外食している間に、赤ちゃんの面倒を見られるロボット
  • □両親が外食している間に、5歳児の面倒を見られるロボット
  • □両親が外食している間に、8歳児の面倒を見られるロボット
  • □両親が外食している間に、2人の子どもの面倒を見られるロボット
  • □人間と仲良しになれるAI(人間がAIと毎月、2年以上会話している状態)
  • □人間と哲学について有意義な議論ができるAI
  • □人間の子どもを産めるロボット

メタ・インテリジェンス

  • □与えられた仕事に飽きて新しいチャレンジを見つけるAI
  • □ウェブなどを閲覧して、自分で新しい興味や関心を持つAI
  • □かなり独特な個性を持つAI
  • □自然界からエネルギーを得られるAI
  • □ハードウェアやソフトウェアを自分で改修できるAIやロボット
  • □世界の仕組みについて新しい計画を作り、それを人間と共有できるAI
  • □他の人間やAIに自分の新しいアイデアを納得させられるAI
  • □ほぼ全ての人類を管理できるAI(新世界の秩序となるAGI)

スマートフォン搭載の希少金属に枯渇の危機--温暖化にも影響か

【革新的】トヨタが開発した『ファイバー電池』【1075Wh/L】

ファイバー電池とな

自殺者は非自殺者よりリチウム濃度が低い、順天堂大学など発見

順天堂大学医学部の松川岳久准教授、東京大学大学院医学系研究科の安藤俊太郎准教授、東京都監察医務院の鈴木秀人前院長らの研究グループは、自殺者の眼房水中リチウム濃度が非自殺者より低いことを見つけた。死後変化が少ない眼房水を解析し、体内リチウム濃度を比較した研究は初めて。

順天堂大学によると、研究グループは2018年3月から2021年6月までに東京都監察医務院で検案、または解剖された死者29人から眼球の毛様体で分泌される眼房水を採取し、リチウム濃度を測定した。その結果、自殺者は非自殺者に比べ、眼房水中リチウム濃度が有意に低い結果が出た。

これまでの研究で食物から摂取する微量リチウムが自殺予防に効果を持つことが示唆されているほか、飲料水中のリチウム濃度と地域の自殺率にも相関関係があるとする報告が出ている。炭酸リチウムは1949年から躁うつ病の治療に用いられ、攻撃性と衝動性を抑えて自殺防止に役立つと考えられている。

理研が発表したブラックホールの新理論について噛み砕いて説明していただけませんか?に対する...

わたしも初めて見ましたが、これまで「事象の地平線」という平面が存在するものと考えられていましたが、この説明によると(静止している)ブラックホールは、玉ねぎのような構造をしており、各層毎にシュワルツシルト半径(中心から各層迄の距離によって決まる)があり、物質は圧縮しながら、各層毎が各シュワルツシルト半径に近づいていくと共に、ホーキング放射を発しながら各層全体が徐々に収縮していくという事のようですね。

https://www.riken.jp/press/2020/20200708_3/index.html

これまでは、ブラックホールの中心は「点」として、体積がないもの(一瞬にして点になるような感じ)なものとして考えられ、そのためシュワルツシルト半径はブラックホールに「ひとつだけ」定まっているようなモデル(そこから「事象の地平線」)として理解されていました。

つまり、事象の地平線(に極近い内と外と)で圧縮による高エネルギーによって素粒子の対生成が起こり、事象の地平線の内側では中心に向かって物質が圧縮されると同時に、事象の地平線の外側に対生成によって生じたものがホーキング放射として観測されるというふうに理解されていました。

新しい発見と旧来のモデルとの違いは、ブラックホールの中心のサイズが「点」であるか、それとも「たまねぎの皮のように、階層構造を持ち、しかも各階層構造毎にシュワルツシルト半径があり、それによってホーキング放射が全ての階層で起きている」という点にあるようです。

一週間が七日なのはなぜか。

『暦(こよみ)入門』p.30から「週の起源」について次のように書かれている。「日数七日の周期を週と呼んでいる。週の起源は古く,またそれについて,いろいろの説がある。バビロニヤの発掘物の研究の結果によると,バビロニヤでは太陰暦を用いて,新月から日を29日,または30日まで数えて7日,14日,21日,28日を安息日としていたということである。またユダヤ人は,『旧約聖書』創世紀の始めに,神が6日の間に天地を創造して,7日目に休息した,ということが書かれていることに基づいて,7日の週を用いている。」また,『時と暦』にはp.98から「週と世界暦」について次のように書かれている。「七日という周期は朔望月の四分の一に関係あるわけで,太陰暦を用いていた古代バビロニアに起こり,それがユダヤ暦に入ったものと思われます。七日毎休んだわけで,Shabathといって今日の土曜日にあたります。しかし現在の日本語の名称はヨーロッパからきており古代ローマが起源とされています。」

月の満ち欠けの周期が平均29.5日なので7の倍数である28に近かったから?

いや、結局そこで7にした理由が不明だな。

レンガの蓄熱を蓄電池に応用するシステムが登場

産業用蓄電池を開発するRondo Energyが、レンガを使った画期的な蓄熱システムを開発しました。既存の化学電池の20%のコストで使用できるというシステムの仕組みを、Rondo Energyが解説しました。

Rondo Energyが開発した蓄熱システムは「レンガ」を使用するものです。このシステムに電力が供給されると、電気ヒーターが発熱して周囲の物体を急速に暖めます。何千トンものレンガがこの熱放射によって直接加熱され、1日当たり1%未満という非常に低い損失で数時間~数日にわたってエネルギーを蓄えるとのこと。熱されたレンガに空気を吹きかけることで加熱され、その空気をもとに水蒸気でタービンを回すなどして発電できるそうです。

レンガに熱を蓄えるという方法は鋼鉄業界などで古くから使用されているものでしたが、今回のシステムはスーパーコンピューターによる数値流体力学、有限要素解析、AIによるシステム制御があるからこそ実現できた最新鋭のものだとのこと。既存の蓄電池に比べて非常に安価な材料を使用しており、材料の中に有毒なものが含まれず、経年劣化する部材もないため、化学電池であれば何世代にもわたって複雑にリサイクルしなければならない40年後、50年後にも、同じように熱を蓄えることができるとされています。

似たようなシステム↓

東北大・名大・京大・東大、スピン流を光で完全に制御する新原理を開拓

【発表のポイント】

●ナノ空間(ナノは10億分の1)の対称性を人工操作した磁性メタマテリアル(注1)を新たに開発

●電子スピン(注2)の流れ(スピン流(注3))を光の偏光(注4)状態により超高速で完全制御する新原理を開拓

●次世代のスピントロニクス(注5)デバイス設計の自由度を飛躍的に向上、超高速光スピントロニクスへの応用に期待

【概要】

近年、電子が持つ小さな磁気の性質(スピン)を積極的に利用するスピントロニクス技術が、低消費電力・高密度なデバイス実現の観点から注目を集めています。スピントロニクス機能の多くは、電流(電荷の流れ)のスピン版であるスピン流(スピンの流れ)によって駆動されるため、スピン流の革新的な生成・制御手法の開拓が求められていました。

今回、東北大学大学院理学研究科の松原正和 准教授らは、ナノ空間の対称性を人工操作した磁性メタマテリアルを新たに開発し、室温かつ超高速で、スピン流の伝搬方向や大きさを光パルス(注6)の偏光状態により完全制御する新原理を開拓しました(図1)。この成果は、次世代のスピントロニクスデバイス設計の自由度を飛躍的に向上させるだけでなく、従来の光科学技術・スピントロニクス技術をナノテクノロジーにより横断的かつ重層的に集積・発展させる超高速光スピントロニクスへの応用が期待されます。

しゅごい

アンソニー・ファウチの最後のメッセージ

日本システム企画株式会社がすごい特許を出願していた(拒絶査定済)

特許の審査は,あからさまな永久機関を申請したら拒絶されるが,多少の自然科学についての記述の誤りがあってもそうそう拒絶はされない。たとえば,「水のクラスター」を小さくすると称する水処理装置の特許は多数あり,自然科学としては間違っているが,そのことを理由に拒絶はされていない。出願者の脳内自然科学に踏み込んで拒絶というのはなかなかのものではなかろうか。

この会社が持ち出す数値は,具体的な実験事実にも基づいておらず,社内には学部レベルの物理や化学の教科書を理解できる人材も居ない様子である。このため,具体的な数値を求めると,出てくる数値は,誰かの適当な思いつきで出したとしか思えないものが出てくる。

今回は,社会的に関心を集めているトリチウムの分離ネタだったので,おかしな特許を通してしまって商売されると影響が大きいことから,審査官がきっちりチェックして拒絶査定にしたのだろう。

近未来テクノロジー見聞録(230) 東京大学が紙の100倍の熱伝導性を有する木質バイオマス素材を実現!

東京大学の塩見淳一郎教授、東京都立産業技術高等専門学校の工藤正樹准教授、東京大学の齋藤継之教授、スウェーデン王立工科大学のLundell Fredrik教授、Söderberg Daniel教授らの研究グループは、紙の100倍以上の高熱伝導性を有する木質バイオマス素材を実現した。

では、この木質バイオマス素材とはどのようなものだろうか。塩見教授らの研究グループによると、木質バイオマスから得られるバイオ系ナノ材料であるCNFを、流体プロセスによって分子スケールで配向させながら酸を用いて固めた糸材が、セルロースナノペーパーなどの高熱伝導性を有する先端木質バイオマスの5倍以上、紙など従来の木質バイオマスの100倍以上の高熱伝導性を示すことを発見したという。ちなみに、CNFとはセルロースナノファイバー(Cellulose Nano Fiber)のことで、主に木などの植物から得られる、数十本のセルロース分子が配列して束になった結晶構造から構成される物質のことだ。

MIT Tech Review: 量子光を自在に制御、シュレディンガーの猫状態を生成=東大など

東京大学などの共同研究チームは、あらゆる量子光を所望のパルス波形で出力する光源である「量子任意波形発生器(Q-AWG:Quantum Arbitrary Waveform Generator)」を提唱。その核心となる技術である量子光のパルス波形を自在に制御する手法を開発し、大規模光量子コンピューターの作動に必要となる、特殊なパルス波形を持つ量子光の生成に初めて成功した。

研究チームは、量子もつれを介してパルス波形を自在に制御する新しい手法を考案した。光1と光2に量子もつれがある場合、光2を光子検出器に入射すると、光子が検出されたタイミングで光1側に狙った量子状態が生成される。光子検出器の前に光フィルターを設置することで、生成される量子光のパルス波形を指定する仕組みである。同チームは、量子もつれのある光の周波数帯域を広くすることで波形制御の分解能を上げ、任意のパルス波形を実現した。

この方法では実際に目的の量子光が生成される光1側に光フィルターを設置する必要がないため、量子光への損失を抑えたままパルス波形の制御が可能になる。実証実験では、量子もつれのある光を生成し、光フィルタと光子検出器を組み合わせることで、「シュレディンガーの猫」状態と呼ばれる量子光を、「バランス型タイムビン」と呼ばれる波形のパルスとして生成することに成功した。

レーザー光を任意のパルス波形で出力する「任意波形発生器」は現時点で最も汎用性の高い光源の一つであるが、古典光であるレーザー光のみを扱うため、量子技術への応用には限界がある。量子光を自在に出力する新しい光源は、大規模光量子コンピューターをはじめとする量子技術の実現につながりそうだ。

なるほど、わからん

人間の欲求を表すなら、マズローの承認欲求より「ケンリックの要求ピラミッド」

ケンリックの欲求ピラミッドは心理学者のダグラス・ケンリック教授が考えた人間の欲求を理論・図示化したものです。マズローのピラミッドよりも構造が増えており、新しい要素と消えている要素があります。

↓のような優先順になる模様

子育てや配偶者保持が上位に来るのは何か違和感がある。キリスト教的な価値観が入ってないか?

子育ては誰にも非難されないならやりたくない人の方が多いと思うので、とても優先度1になるとは思えない。

火星に隕石衝突で大型クレーター NASAが形成を記録

米航空宇宙局(NASA)は27日、火星に隕石(いんせき)が衝突して大きなクレーターができる様子を、火星探査機でとらえたと発表した。太陽系で形成が記録されたクレーターとしては過去最大だという。

研究者らによると、バン型の車ほどの物体が火星に衝突し、幅150メートルのくぼみを作り出した。破片は35キロメートル先まで飛び散った。

衝突後の観測では、埋もれていた氷の巨大な塊が掘り起こされ、クレーターの縁に投げ出されていることがわかる。火星の赤道にこれほど近い場所で氷が埋まっているのは、これまで確認されていなかった。

これら埋没した氷は、将来の火星への有人ミッションで重要な資源になりうる。NASAの惑星科学部門の責任者ロリ・グレイズ博士は、「水、酸素、水素に変換できる」と話した。

【15℃】高圧『室温超電導』の論文が撤回【267GPa】

科学には厄介なPhotoshop問題がある

再現性のある分野ならまだ追試でなんとかなるかもしれんが、再現性が無い・薄い分野だとやりたい放題になる可能性はあるかな

Science誌の新しいパブリックアクセス方針:2023年から費用なしでオープンアクセス化が可能に

2022年10月11日付のNature社のニュースブログに、記事“Science’s no-fee public-access policy will take effect in 2023”が掲載されました。

米国科学振興協会(AAAS)が出版するScience誌の系列5誌に掲載された論文に関して、掲載直後に著者が費用を払うことなく各自が選択するリポジトリでほぼ最終版(almost-final version)の原稿を掲載することが認められることに関するもので、この方針は2023年から実施される予定とあります。

記事は、今回のScience誌の方針は、同じくハイ・インパクトジャーナル(high-impact journal)とされるCell誌やNature誌の出版社が採用している、論文の最終的な出版版をオープンアクセスにするために、ほとんどの著者に論文処理費用(APC)を課すのとは異なるものと述べています。

Science誌の新しい方針については、同誌の9月9日付の論説で言及されていたとあります。また、その検討は、米連邦政府が資金提供した研究へのアクセスに関する米国政府の大きな方針転換の直後に行われたことなど、同誌の方針の転換の経緯についても述べられており、各方面の専門家の見解も紹介されています。

おっ

これがジェットエンジン代替の超軽量超電導モーター、東芝が出展

東芝は開催中の展示会「CEATEC 2022」(幕張メッセ会場での展示は2022年10月18~21日)で、中小型の旅客機用ジェットエンジンを代替できるとする2MW級超電導モーターの実物模型を出展した注1)。同社は2022年6月に開発したことを発表済みだが、「模型とはいえ、一般公開はこれが初めて」(東芝)。本物は既に稼働を確認しているという。

超電導モーターは、磁界を発生させるコイルに、極低温に冷却すると電気抵抗値がゼロになる超電導線材を使うことで、より少ない巻き数のコイルでも強い磁界を発生させることができるようになり、高速回転かつ高出力を実現すると同時に大幅に小型軽量化を果たしたモーター。「超電導を使わない同じ出力のモーターに比べて、体積と重量をそれぞれ1/10以下にできた」(東芝)という。

今回出展した模型の寸法はドラム部分の長さが70cm、直径が50cm。中小型の旅客機用ジェットエンジンの代わり、あるいは船舶や大型トラックなどへの利用を想定する。旅客機に利用した場合の推進力はプロペラが担うことになる。なお、「中小型機でジェットエンジンの出力を想定すると、10台程度のモーターを搭載する必要がある」(東芝)という。

コイルは約4K(セ氏約-269度)まで冷却する必要がある。このため、77K(同-196度)までしか冷やせない液体窒素などは使えない。ただし、「冷媒は液体ヘリウムではなく、別のもの」(東芝)。具体的には非公開だという。

超電導・核融合・ナノマシンは人類の夢みたいなところある

「極めて理に適っている...」遠心力でロケットを「放り投げる」新方式、試験に成功

化学ロケットより低コストなのは良いことなんだけど、制御システムの何処かにバグや信号遅延を起こす機械的故障があると、宇宙ではなく地上に向かって質量弾を投射する古代〜中世の攻城兵器みたいなものに早変わりするのが怖いかな。

投射装置の軸受やフレームも物凄い負荷を支えることになるだろうから、どれだけ再利用できるかも怪しい(下手すると数度の投射で再建造になるのでは?)。

とはいえ、半地下プラットフォームにすれば投射失敗時のリスクは低減できそうか。半地下プラットフォームなら設備のメンテナンスや交換も低コストで実施できる?

常温核融合が復活 (ただ一つ問題が)

【ゆっくり解説】スマートに人類を絶滅させる方法

ブラックホールには、私たちの宇宙に関する驚くべき秘密が隠されているかも知れない

しかし、過去10年間に行われたブラックホールの内部の研究によって、この2つの宇宙観の間に思いがけない繋がりがあることが明らかになった。例えば、私たちの3次元宇宙や私たち自身は、クレジットカードや運転免許証に表示される偽造防止用の幽霊画像のようなホログラムであると言う可能性もあり、その意味するところは計り知れないものがある。この宇宙では、こことそこ、原因と結果、内側と外側、あるいは今と昔の間に違いはなく、何もない空間に飼い猫が出現することもあり得る。私たちは皆、ドクター・ストレンジになることができるのだ。

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